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体は覚えていた。アルツハイマー症の元バレリーナ、「白鳥の湖」を聞いて踊りだす(スペイン)

カラパイア

アルツハイマーの元バレリーナの記憶が呼び覚まされた時
アルツハイマーの元バレリーナの記憶が呼び覚まされた時 image credit: youtube

 子供の頃から続けている習い事や長い年月をかけて身に着けたスキルは、長期間中断されることがあっても、何かのきっかけで思い出すことがある。いわば体にしみついた癖みたいなものだ。

 アルツハイマー型認知症を抱えた元バレリーナの女性はスペインの介護施設で暮らしていた。慈善団体が「白鳥の湖」の音楽をかけたところ、その振り付けを思い出し、車椅子に乗りながら両手をしなやかに動かし始めた。

Primera Bailarina – Ballet en Nueva York – Anos 60 – Musica para Despertar

アルツハイマー型認知症を患う高齢の元バレリーナ


 スペイン・バレンシア出身だったマルタ・C・ゴンザレスさんは、キューバに移住してからバレエを学び始め、1960年代に自身のバレエ団を設立しニューヨークで公演していた、マルタ・シンタの名前でで知られるバレリーナだったそうだ。

 しかし、晩年はアルツハイマー型認知症を患い、故郷のスペインへ戻って老人介護施設で車椅子生活を送っていたという。

 去年、マルタさんが施設に認知症患者のために音楽セラピーを推進しているスペインの非営利団体「Musica para Despertar」がやってきて、ヘッドホンで彼女にチャイコフスキーの『白鳥の湖』をヘッドフォンを聞かせた。

 するとマルタさんの記憶は呼び覚まされ、車椅子に乗りながら両手を広げながら踊りだしたのだ。その感動の瞬間が動画に投稿されると、世界中で話題となった。

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image credit: youtube

曲に合わせてしなやかに手を動かし始めたマルタさん


 マルタさんは車椅子に座って、じっと音楽を聞き入っていたようだ。しばらくすると、マルタさんは曲に合わせて右手をゆっくりと動かし始めた。

 目を閉じたマルタさんは、脳の奥の引き出しにしまってある、何度も聞いたことがあるであろうその音楽の記憶をたぐり寄せた。

 マルタさんがニューヨークの舞台で踊っていたのは1967年と、50年以上も前のことだが、馴染みのある音楽と踊りは大切にしまわれていたのだ。

 マルタさんは、元プリマ・バレリーナだった現役時代のように、しなやかに美しく両方の手と腕を使って舞い始め、同時にその表情にもわずかに変化を見せた。

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image credit: youtube

 動画には、当時マルタさんが踊っていた現役姿も収められている。マルタさんの上半身の動きは、若き日の頃と同じと言っていいほど、とても美しい。

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image credit: youtube

 この撮影からしばらく経って、マルタさんはその生涯を閉じたそうだ。

 過ぎ去った貴重なバレエ時代をマルタさんに思い出させた音楽の素晴らしい力を動画で実感した人たちからは、多くの感動の声が寄せられたという。

written by Scarlet / edited by parumo
追記(2020/11/15)本文を一部修正して再送します。

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