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耳鳴りを改善したい?舌への刺激と電子音の組み合わせが効果的(アイルランド)

カラパイア

脳の注意をそらすことで耳鳴りが改善
脳の注意をそらすことで耳鳴りが改善 image by:Neuromod Devices Limited

 本来聞こえるはずのない不快な音がいつまでも続く「耳鳴り」は、ただ気になるだけでなく、集中力をそいだり、不眠になることもあったり、それでいて他人には分かってもらえないことが多い辛い症状だ。

 世界人口のおよそ20%(5人に1人)に生じているとされ、65歳以上では3人に1人がかかるほど一般的であるにもかかわらず、治療はなかなか難しい。

 そんな耳鳴りでお悩みの人に朗報だ。電子音楽のBGMを聴きながら、舌に刺激を与えるだけで慢性的な耳鳴りを改善できる画期的なデバイスが開発されたからだ。

電子音と舌への刺激で症状を改善


 アイルランドの「Neuromod」社が開発した「Lenire」という耳鳴り治療機器は、ヘッドフォンを装着し、小さな電極パッドを口にくわえて使用する。

 するとヘッドフォンからは電子音による環境BGMが流れ、舌にはパチパチ弾けるキャンディのような刺激が送られてくる。たったこれだけのことで、耳鳴りの症状が驚くほどに緩和するのだ。

 『Science Translational Medicine』(10月7日付)に掲載された耳鳴りの患者326名を対象とした実験では、12週間にわたって1日1時間Lenireを試してもらったところ、参加者の86%に症状の改善が見られたという。

 また症状の重さを1~100で表したスケールによる評価では、平均14ポイントの改善効果が確認された。しかも参加者の多くは、最大1年も改善効果が持続したというのだから画期的だ。

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image by:Neuromod Devices Limited

脳の神経細胞の注意をそらす


 なぜ舌への刺激とBGMだけで耳鳴りが治ってしまうのだろうか? その原理は、脳の聴覚系の注意をそらしてしまうことにある。

 耳鳴りの原因は完全には解明されていないが、神経細胞の配線ミスと関係があると考えられている。何らかの理由で聴覚が衰えたとき、神経細胞はこれを補おうと互いに結合する。ところが、これを過剰にやり過ぎてしまうと、実際には鳴ってない音までが聞こえるようになってしまうのだ。

 そこでLenireは、舌と聴覚の刺激によって脳の感度を高め、原因となっている神経細胞の注意をそらしたり、感度を低めたりしてやることで、耳鳴りを抑えるのだ。

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image by:Neuromod Devices Limited

偶然に発見された耳鳴り改善法


 こうした刺激が耳鳴りに効果的であることは偶然判明したのだという。

 米ミネソタ大学の神経科学者であり、Neuromodの最高科学責任者でもあるヒューバート・リム氏は、数年前脳に電極を差し込んで聴覚障害を治療する研究を行っていた。

 ところがうっかり電極をわずかに間違ったところへ差し込んでしまった。すると何年も耳鳴りに苦しんできた患者が、「耳鳴りが! 耳鳴りがしない!」と驚いたのだそうだ。

 これをヒントに、耳鳴り治療に一番効果的な刺激部位を調査し、Lenireが開発されたとのことだ。

 ちなみにどんな電子音かというと、以下のようなものだという。

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画像クリックで再生画面へ image by:Treatment-sample.mp3

2方式神経調節法の有効性を確認


こうした音と電気刺激の組み合わせを「2方式神経調節法(bimodal neuromodulation)」といい、今回の実験でこの方法による長期的な治療効果がはっきりと確認された。

 「素晴らしい結果で、引き続き2方式神経調節法の開発を続けるのが楽しみです。できるだけたくさん耳鳴りの患者さんを救いたいと思います」と、リム氏はNeuromod社のサイトで語っている。

 耳鳴りで聞こえる音は、「キーン」「ピーン」という金属音や電子音に似た高音や、「ブンブン」「ボー」「ゴー」「ジー」という低い音など人によって様々だ。

 これに近い音を音楽に変えたものを聴き、舌に刺激をあたえるというこの方法、もちろん個人差はあるだろうが、効果があるならしめたものだ。私もたまに耳鳴りがするが、長時間続くと結構きついよね。

References:sciencemag/ written by hiroching / edited by parumo

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