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ギブソンのギター風、V字型次世代航空機「フライングV」の試作モデルがフライトテストに成功(オランダ)

カラパイア

フライングVがテスト飛行に成功
フライングVがテスト飛行に成功 image by:Delft Technology University/Studio OSO

 葉巻のような機体に1対の翼、3枚の尾翼という旅客機の姿は、いわば収斂進化の賜物だ。幾多の試行錯誤の末、この形状に落ち着いた。

 だからこそ、ギブソンのギターのようなV字型の機体デザインを持つ「Flying-V(フライングV)」は非常に斬新でありながら機能的なのだ。

 昨年、オランダの航空会社「KLMオランダ航空」から開発支援を受けることになったというニュースをお伝えしたが、今回はその続報である。

 今年7月に小型の試作モデルの飛行試験を実施し、無事に成功したそうだ。

斬新なデザインで空の持続可能性を追求したフライングV


 「Flying-V(フライングV)」の2枚の翼は客室や荷室と一体化されており、前方で結合されてV字型のウェッジシェイプを描く。

 ジェットエンジンの配置も特徴的で、翼の下に吊り下げるのではなく、V字の内側から上に持ち上げるかのように取り付けられている。

 独創的なデザインの狙いは、空の旅の持続可能性を改善することで、完成すればエアバス社のワイドボディ機「A350」と同程度のサイズながら、燃費を2割削減することができる。

 考案者は当時ベルリン工科大学の学生だったユストゥス・ベナド氏で、オランダの航空会社「KLMオランダ航空」から開発支援を受けながら試作が行われている。

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image by:Delft Technology University/Studio OSO

3メートルの試作モデル


 オランダ・デルフト工科大学のチームによって作られた試作モデルは、全長2.76メートル、翼長3.06メートルで、実物よりはかなり小さい。

 ボディは複合素材で構成され、ここに1対の4キロワット電気式ダクテッドファンモーターと重量6キロのリチウムイオンポリマー電池を搭載する。

 最大の難関は、いかに軽量化するかということだったらしい。EUのドローン規則をクリアするためには25キロ未満である必要があったが、試行錯誤の甲斐があったようで、実際に作られた試作モデルは22.5キロまで軽量化に成功したとのこと。


Flying-V – Scale model maiden flight

飛行試験の結果は良好。一方で課題も


 このプロジェクトを率いたルロフ・ボス教授によると、計算から”機首の引き起こし”に問題を抱えていることが明らかになっており、離陸できるかどうか不安があったという。

 それを克服するために試作モデルの最適化が図られたが、実際にどうなるかは飛ばしてみるまで分からなかったそうだ。

 だが飛行試験では、時速80キロで容易に機首を引き起こせることが判明。ダクテッドファンの推進力も良好で、飛行速度・角度ともに風洞実験やシミュレーターで予測された通りだったとのこと。

 一方、ヨー方向とロール方向に揺れて機体が不安定になる症状(ダッチロール)が発生し、少々着陸が難しいことも判明した。ただ、まったく予想外だったわけではなく、事前にシミュレーションで予測されてはいたそうだ。 

 この試験で得られたデータを基に、フライングVにはさらに改良がくわえられることになる。

 いつの日か、空にギブソンのギターのでかいやつを飛んでいるのを見る時がくるのかもしれない。

References:arstechnica/ written by hiroching / edited by parumo

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