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お金を増やす前に必ず確認しておきたい2ステップとは?/お金は寝かせて増やしなさい⑥

ダ・ヴィンチNEWS

投資のプロではないフツーのサラリーマンが15年実践してきた、個人投資家目線の「お金の増やし方」を指南。
インデックス投資って何? 投資信託のメリット・デメリット、運用は何をすればいい? …これから始める人にもわかりやすく投資術と心構えを紹介します。『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)からの試し読み連載です。

【この話題の連載を第1回から読む】▶結婚相手の金銭感覚が不安…お金を貯めたり増やしたりすることはできる?/お金は寝かせて増やしなさい①

『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)

インデックス投資を始める前に最低限しなくてはいけないこと

 それでは、私が実践しているインデックス投資のやり方をお伝えしたいと思います。

 ……と言いたいところですが、投資を始める前にやっておきたいことがあります。

 それは……家計の状態を把握することです。
「ええ〜つまらない!」と思われるかもしれません。

 しかし、毎月の生活費が収入を越えているような状態は、いわば底に穴が開いているバケツのようなものであり、どんなに効率よく水を足しても(効率的な投資をしても)水はたまりません(資産は増えません)。

 もしかしたら、インデックス投資で資産を増やして、赤字の家計を一発逆転でプラスにしたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、インデックス投資での資産形成は、手間がかからないかわりに長い時間がかかるものなので、一発逆転の大儲けを狙ねらうのはなじみません。

 家計の状態を把握するといっても、毎日、家計簿をキッチリつける必要はありません。ざっくりとした1カ月の生活費が把握できれば十分です。

 私がやった簡単な方法は、ある月に銀行口座に給料(収入)が入ってから、ちょうど1カ月後にそれがいくら残っているかを見る方法です。冠婚葬祭などの突発的イベントもあるので、2〜3カ月見ておけば、だいたいの生活費が把握できると思います。

 そして、給料(収入)の残高がプラスになっていれば、まずはよしとしましょう。

 もし、残高がマイナスならば、それは赤字の家計となっています。
 投資などしている場合ではありません。そのままの生活を続けていると、いずれ家計が破たんしかねません。なるべく早く生活を見直すことが大切になろうかと思います。

 生活費の見直しは、金額が大きな部分から、不動産→保険→車→水道光熱費→…といった順番に行うのがよいのですが、節約は本書の主旨ではないので、そこはファイナンシャル・プランナーなど節約のプロにお任せしたいと思います。

 次に必要なことは「生活防衛資金」を貯めることです。
「なんだよ、まだ投資に入らないのかよ!」とお怒りかもしれません。

 しかし、この生活防衛資金は、インデックス投資に限らず、投資を始める前に必ず必要なお金であると考えます。

『ウォール街のランダム・ウォーカー』においても、「財産の健康管理のための10カ条」の第1条は「元本を蓄えよ」です。財産を増やす原動力は、大化けする株や投資信託ではなく、あなたの「貯蓄」であると説いています。

なにが起きても自分と家族を守るお金「生活防衛資金」

 生活防衛資金とは、リストラ・長期入院・災害などなにが起きても、自分と家族の生活をしっかり守るためのお金です。目安としては、「生活費の2年分」を、銀行預金など流動性の高い金融商品で確保することが望ましいと考えています。

「生活防衛資金」とは、いかついネーミングですが、これは、2000年に投資自体を始めた頃に読んだ本『投資戦略の発想法──ゆっくり確実に金持ちになろう』(木村剛著)で述べられていた考え方です。

「世の中でなにが起きようが、会社が倒産しようが、クビになろうが、絶対に自分と家族の生活を守るという一点をベースにして、投資戦略を考えるべきなのです」という考え方に強く賛同するとともに、「職を失うというリスクに対しては、最低2年はみておきたい」という目安を妥当だと考えたため、自分の投資戦略として採用したものです。

世の中の投資本でも、生活防衛資金にあたる余裕資金を持つべきだという話はよく出ています。ただし、金額に関しては、給料の3カ月分とか半年分とか1年分とか、まちまちです。

 しかし、2011年に実際に起きた東日本大震災のことを思い出すと、まず避難所に避難しますが、生活の再建には、食料の確保に始まり、けがの治療、居住地の確保、仕事への復帰など、いろいろな段階を踏む必要がありました。生活の再建に1年を超える長期化を余儀なくされる場合も容易に想像できます。

 もちろん、国や自治体などのサポートもあるでしょうし、状況は人それぞれでしょうから、一概には言えないとは思います。もし自分だったらと考えると、自分と家族の生活を立て直すのに、少なくとも給料の3カ月分や半年分では心もとないと感じました。

 少な目の生活防衛資金でよいという意見には、「いざというときは投資商品を躊躇(ちゅうちょ)なく売却して生活費にあてればすむこと」という理由が付いている場合があります。

 これはリストラや長期入院など個人的問題には有効だと思います。

 でも、大災害の場合、着の身着のまま避難所に逃げてきた人たちにとって、電気やガスといったライフラインがダメージを受け、電話も通じないようななか、証券会社の株や投資信託を売却して、その資金を銀行口座に送金して、それをどこかの金融機関窓口から引き出すというのは、現実的ではありません。

 これは個人的な印象ですが、金融業界にしがらみが多い専門家ほど、必要な余裕資金を少ししか見積もらない傾向があるように思います。金融業界側からすれば、個人投資家が生活防衛資金を多く貯めだすと、株式や投信などの金融商品にとりこめる資金が少なくなってしまうことになりますので、無理もない話だと思います。

 でも、個人にとって大切なのは自分と家族の生活です。金融業界側の意向はこの際放っておいて、安全サイドで考えていきたいものです。

 では、生活費の2年分が貯まらないと一切投資を始めてはいけないのかというと、そんなことはありません。「生活防衛資金を貯めながら投資をすればよい」のです。

 たとえば、毎月の収入から、2万円投資できる方であれば、1万円を生活防衛資金の預貯金に、残りの1万円をインデックスファンドの積み立てに回すといった感じです。

 ただし、本当は貯めておくべき生活防衛資金が十分にないなかでの投資となるので、自分自身のリスクに対する耐性も半減していると考えるべきでしょう。

 ですから、生活防衛資金を貯めながらの投資は、自分が思っているよりもずっと保守的に考えて、できるだけ安全サイドに倒した内容にすることを心がけるとよいと思います。

100年に一度の金融危機のなかでもぐっすり眠ることができた理由

 さて、誰もが耳の痛い(?)生活防衛資金の話が続きましたが、ご安心ください。

 朗報が2つあります。

 ひとつは、生活防衛資金は「年収」ではなく「生活費」の2年分です。節約して生活費を下げれば、必要な生活防衛資金もぐっと下がるということです。

 たとえば、月20万円で暮らしている世帯が必要な生活防衛資金は480万円(20万円×24ヵ月=480万円)にもなりますが、節約して月15万円で暮らせるようになれば、それが360万円(15万円×24ヵ月=360万円)ですむようになります。

 節約の力は偉大ですね!

 もうひとつは、私が実際に資産運用をしていて実感したことなのですが、生活防衛資金は、私たちの生活を守ってくれるだけでなく、心の安定も守ってくれるという副次的効果があることです。

 実際、2008年のリーマン・ショックに端を発した「100年に一度」と言われた世界金融危機のときでさえ、市場の阿鼻叫喚(あびきょうかん)のなかで私がなに食わぬ顔で夜ぐっすり眠れたのは、たっぷりと確保してあった生活防衛資金のおかげだと本当に思います。

 むしろ、普段の生活のなかでは、こちらの副次的効果の方が生活防衛資金の主目的であると言っても過言ではないくらいです。

 さて、家計を把握し、生活防衛資金を準備したら、いよいよインデックス投資に入りますが、ここからしばらく、少しだけ難しいかもしれない「リスク」のお話が出てきます。

 すぐにでも口座を開いてインデックス投資を始めたい気持ちをグッとこらえて、おおまかな概念だけでも知っておいてください。

 なぜなら、リスクを理解しないまま投資をしてしまうと、かつての私のように、投資の損益状態に毎日の生活が振り回されてしまったり、投資を続けることができなくなってしまったり、将来、リタイアして収入が細っている状態のなかで取り返しのつかない大損をして「こんなはずではなかったのに……」という後悔のなかで寂しい老後を送ることになってしまいかねないからです。

 えらいこっちゃです。
 インデックス投資を理論的にサポートする「現代ポートフォリオ理論」なるものが、『ウォール街のランダム・ウォーカー』では詳しく解説、検証されているのですが、要するにこの理論の究極の目的は、「リスクを効率的に減らして管理すること」なのです。

 リスクの話は超・大事!
 できるだけわかりやすく説明するので、ぜひぜひお付き合いください。

【次回に続く】

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