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知ってほしい“台湾コーヒー”の世界。下高井戸「メイリー」で、あふれる台湾愛に出逢う

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注目の台湾カフェ「美麗(メイリー)」が下高井戸に誕生

編集部員が気になる店 vol.1:メイリー(下高井戸)

京王線「下高井戸駅」から徒歩1分。庶民的なお店が並ぶ商店街に2020年1月、その風景を一変させるような、洗練された雰囲気のカフェ「美麗(メイリー)」がオープンしました。

台湾産コーヒーや、台湾産カカオを使ったスイーツ、さらに人気の台湾フードなどが楽しめるカフェです。

素朴で温かななかにも、スタイリッシュな雰囲気のある店内。驚くことに、床や壁、テーブル、椅子はすべてスタッフの手作りなんです。たった3人で、まっさらな状態からほぼ1カ月間で作りあげたそう。

店主のおばあさまが書いてくれたという、カウンター奥にある毛筆の店名が、いい雰囲気を演出しています。

台湾コーヒーに、運命的な恋をした!

「メイリー」は、台湾コーヒーに魅せられた29歳の若き店主・小山立(こやま・りゅう)さんの情熱によって生まれました。

小山さんが台湾コーヒーに出会ったのは、台湾での農業体験ボランティアがきっかけ。台湾茶のようにまろやかで驚くほど澄んだ味わいに、「これまで飲んできたコーヒーは何だったんだろう……」と思うほど大きな衝撃を受けたそうです。

しかし、台湾産のコーヒー豆は作地面積が少なく、大量生産ができないことや、途上国と違って農家の人件費が高いこともあり、非常に高額。そのため、日本を含め海外にはほとんど出回っていませんでした。

「こんな素晴らしいコーヒーを埋もれさせてはいけない」と考えた小山さんは、2018年から日本で台湾コーヒーのPR活動を始めました。しかし、やはり価格の高さから、どのコーヒー業者からもまったく相手にしてもらえなかったとか……。

「現地台湾のカフェですら、生豆価格の高さから敬遠されている状況でしたからね。それに輸送代がプラスされる日本ではなおさらでした。焙煎所でも、価格を聞いただけで『商売にならない』と断られるので、とうとう手網焙煎器を使って自分で焙煎するようになりました」(小山さん)。

台湾フェスなどのイベントで試飲してもらいながら、細々と手売りをして地道にファンを増やし続け、ついに夢だった台湾コーヒー専門店をオープンさせることができたのです。

驚くほどおいしい台湾コーヒー!

コーヒーメニューは、「#1」から「#6」まで通常6種類。メニュー表には、台南・嘉義・高雄など産地名のほかに、初めての人でも味のイメージがつかみやすいようなキーワード(バニラ、黒糖、チェリー、チョコレートなど)が書かれています。

#1

660円(税込)

「メイリー」では、ガラスポットに入ったコーヒーを茶碗に注ぐスタイルでいただきます。現地感があっていいですね。

台南産・大鋤花間(だいすきかかん)農園の「#1」を味わってみて、びっくり!酸味や苦みが少なく、飲みやすくすっきりした味わいは烏龍茶を思わせますが、それでいて烏龍茶にはないコーヒー特有の香り、自然な甘み、すっきりしたコクがあるのです。

ちなみにこちらの豆は、「Fully Washed(フリー ウォッシュド)」というコーヒー豆の皮や果肉などを洗い流してから乾燥・発酵させる製法で仕上げられており、雑味の少ないすっきりした味わいが特徴。

#2

770円(税込)

同じ農園の豆ですが、こちらは「Natural(ナチュラル)」といって、収穫した実をそのまま乾燥させる製法で仕上げられたもの。そのせいか色も濃く、コーヒーらしいフルーティな味わいをより強く感じます。

「コーヒー豆やカカオ豆は産地が重視されることが多いのですが、じつは発酵や選別など生産者の丁寧さも、産地と同じくらい味に大きな影響があるんですよ。」(小山さん)

同じ「#2」のコーヒーでも、アイスで飲むとまったく違った味わいに!急冷式なので、コーヒー豆の持つ香りがはっきり味わえるのでしょう。

なぜこんなにおいしいのか……?

どれも、これまで飲んできたコーヒーと比べて段違いにすっきりしていて飲みやすく、それでいてコーヒー豆特有の繊細な香りや味わいが感じられます。

「コーヒーが苦手な方でも、台湾コーヒーは飲めるという方が多いんです。」と小山さんが言うのも納得!

なぜこんなに、いつものコーヒーと違うのでしょう?

「現在日本に輸入されているコーヒー豆の大部分は産地が遠く、輸送費を抑えるために船で運ばれてきています。しかし船での輸送は高温多湿になりやすいため、雑味の原因が発生しやすいのです。

一方、台湾産のコーヒー豆は生産量が少ないため、空輸で輸入することができ、新鮮な状態を保ったまま日本に届くんです。また台湾の方々は教育程度が高く、専門的知識が豊富なのはもちろんのこと、勉強熱心で科学・物理学的なものの見方ができることも、理由だと思いますよ。」(小山さん)

台湾産カカオの「贅沢ガトーショコラ」も必食

台湾では、コーヒー豆と同様に高価ですが、高品質なカカオ豆も栽培されています。小山さんは台湾産カカオ豆も直輸入し、自家焙煎からチョコレートバー作りまでを一貫しておこなう“Bean to Bar(ビーントゥバー)チョコレート”を製造。ECサイトで購入できるものもありますが、店舗でしか食べられないのがこちらです。

台湾の邱氏(きゅうし)農園産カカオの贅沢ガトーショコラ

550円(税込)

邱氏(きゅうし)農園は、台湾でもっとも古い歴史を持つカカオ農園で、作られるカカオは濃厚なチーズのような香りを持っているそうです。そのカカオ豆を直輸入し、カカオバターやカカオ油から店舗で手作りしているため、フレッシュな原料によるカカオ本来の繊細な味わいが楽しめます。濃厚なのにすっきりした甘みは、台湾コーヒーにも通じるものがあるような気も。

小山さんが農園へのツアーを開催していることで、台湾産カカオは日本国内の若手ショコラティエにも少しずつファンが増えているそうですよ。

添えられているのは、金萱(きんせん)茶のジェラート。ミルクやバニラ、ココナッツのような甘い香りと清涼感のある後味を楽しめます。濃厚なガトーショコラと交互に食べると、止まらないおいしさ!

テイクアウト可能な台湾フードも人気

スイーツのほかにいくつか食事メニューも。そのほとんどがテイクアウト可能なのは嬉しいですね。

台湾まぜそば(日替わりスープ付き)

990円(税込)

フードメニューの一番人気は、八角や五香粉の香りがきいた本格派の「台湾まぜそば(日替わりスープ付き)」。

日本人向けにアレンジしているそうですが、鼻腔をくすぐる八角の香りだけで一気に台湾の風に包まれます。山椒と花椒のパンチあるシビレ感もたまりません。

モチモチの極太麺も絶品!黒酢をかけることで、きゅっとした酸味がプラスされ、さらにおいしさがアップします。クセになるシビレ感と抜群の食べ応えによって、ランチで楽しむ男性ファンが多いそう。

胡椒餅

550円(税込)

「胡椒餅(こしょうもち)」は、台湾の人気ストリートスナック・胡椒餅をパイ風にアレンジしたもの。

胡椒のパンチがきいた餡とサクサクのパイ皮がベストマッチで、おつまみにもよさそうですが、かなりボリュームがあるのでこれだけで軽食にもなります。

店主の“台湾愛”に触れ、台湾が好きになる

そもそも、小山さんが台湾に興味を持つきっかけとなったのは、意外にも2011年の東日本大震災。当時、中国に留学中だった小山さんは、自国の未曾有の危機に何もできない無力感、自責の念に苦しんでいたそうです。

「そんなとき、日本にいる台湾人の友人たちや台湾の方々が、莫大な人力と募金の支援をしていたことを知り、情の深い国民性に感動しました。

『台湾に恩返しをしたい』という想いが農業ボランティアへ向かった理由のひとつでもあり、台湾で農業を経験したことで、徹底した自然・有機農法が当然のようにおこなわれていることや、台湾の方々の仕事への誠実さ・真面目さを知り、また感動したのです。」(小山さん)

コーヒーにも台湾にも詳しくないし、そんなに興味がないという人でも、この店を訪れて小山さんの“台湾愛”に触れ、台湾コーヒーを味わったら、もっと深く知りたくなるに違いありません。

そして店を出るときには、心が洗われるような、ほっこり温かい気持ちになっていることでしょう。

企画協力:桑原 恵美子
店舗情報
※ 記事の内容は、公開時点の情報です。記事公開後、メニュー内容や価格、店舗情報に変更がある場合があります。来店の際は、事前に店舗にご確認いただくようお願いします。

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