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健康寿命を伸ばすために欠かせない存在。介護予防運動指導員の仕事と資格の取り方

ホンシェルジュ

超高齢化社会に突入した日本では、医学の進歩により人の寿命が延びています。ただ生命をまっとうする時間の長さだけでなく、近年は健康寿命といい健康的に生きられる時間の長さが重視されています。
その健康寿命の延伸を担う職業の1つが介護予防運動指導員です。耳慣れない職業のため、介護予防運動指導員がどんな仕事をする人か知らない方も多いのではないでしょうか。
ここでは介護予防運動指導員の仕事について、またなるためにはどんな資格が必要かなどを詳しくご紹介していきます。

介護予防運動指導員ってどんな仕事?

高齢者の指導をする仕事

介護予防運動指導員とは、高齢者が無理なく行える運動やストレッチなどを指導する指導員のことをいいます。高齢者が要介護状態になることの予防や要介護状態などの軽減・悪化の防止を目的とする資格です。 

今の説明だけ見ると、なぜこんな仕事が必要なのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

介護予防運動指導員がなぜ必要となるのか、明確なことは介護予防運動指導員の資格を管轄するところのホームページにも書かれていません。

介護予防運動指導員がなぜ必要かということを知るためには、地域包括ケアシステムという考え方を知ることが必要です。

地域包括ケアシステムとは?

地域包括ケアシステムとは厚生労働省が示しているもののことです。

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現
引用:厚生労働省 地域包括ケアシステム

高齢者の人数が増えていき、それにともない医療や介護が必要な方が増えてしまうと病院や介護の現場では需要と供給のバランスが取れなくなってしまうことが危惧されています。そのため、地域で健康的に自分らしく生活し続けられるよう「介護予防」という考え方が重視されており、介護予防運動指導員はこの介護予防のために必要な資格となるのです。

2025年には団塊の世代が75歳以上に差し掛かるため、高齢者の人口が一気に増加します。この高齢者の人数が増え続けている今、介護予防運動指導員の需要は非常に高いといえます。 

介護予防運動指導員の仕事内容は?

介護予防運動指導員の仕事内容は一人ひとりに合わせた介護予防のプログラムを立案し、軽運動・筋力向上トレーニングなど高齢者が毎日継続して行える運動の指導をおこなうものです。病院などの医療機関や介護施設のほか、地域で場所を借りておこなうこともできます。

また、民間企業となるスポーツジムで働くということもできます。リハビリ特化型のデイサービスなど介護予防運動をメインとした施設の開業という方法もあり、働き方や勤務先は多岐にわたるのです。

介護予防運動指導員になるにはどうしたらいい?

介護予防運動指導員は民間資格

介護予防運動指導員は民間資格で、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが資格認定をおこなっています。2020年現在国家資格化の予定はありません。

資格取得のためには全31.5時間の講習を受けて修了試験を受け、合格すれば資格を取得することができます。

講習のうち1/3程度が筋力向上トレーニングの実習となります。研修は全3日間程度で修了しますので、介護や医療の資格のなかでも簡単にとれる資格という印象をうけるかもしれません。ですが資格の受講要件が厳しいというのがこの資格の特徴です。

受験資格は?

介護予防運動指導員は以下に該当する方が対象となります。

医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業 療法士、言語聴覚士、社会福祉士、介護福祉士、歯科衛生士、あんまマッサージ指圧師、 はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、介護支援専門員、健康運動指導士など、介護職員基礎研修課程修了者、訪問介護員2級以上で実務経験2年以上、訪問介護員実務者研修修了者、訪問介護員初任者研修修了者で実務経験2年以上
引用:東京都健康長寿医療センター研究所

該当となる職業をみたらお分かりいただけたかと思いますが、この資格は医療や介護の国家資格取得者しか受講できません。医療や介護、福祉資格のキャリアアップやレベルアップのための資格と考えるとよいでしょう。

年収や給与水準はどうなってるの?

収入面に関しても介護予防運動指導員の資格だけで働いているという方はほとんどおらず、介護や医療の仕事を主としており、その仕事の一環で介護予防運動指導員の仕事をしている方も多くいらっしゃいます。ですので、介護予防運動指導員だけの収入の換算は難しいといえます。

また、起業をしたとしてもリハビリ特化型デイサービスの場合、介護予防運動指導員以外にもリハビリ職や介護、医療の仕事もするため、やはり介護予防運動指導員のみの仕事をするということはなく、介護予防運動指導員だけの収入換算はしづらいものです。

介護予防運動指導員は民間資格ですが資格取得後のフォローアップ研修が充実しているほか、介護予防主任運動指導員などへのレベルアップもできます。開業も可能でありずっと働き続けられる資格であるといえるではないでしょうか。

介護予防運動指導員に特化した本はほぼありません。そのため、ここでは介護予防を目的としており、読者も多い本をあわせてご紹介していきます。介護予防運動とは何なのかについてこの本を読んでまずは知ってみてください。

運動と介護予防の関係が分かる1冊

家族みんなの介護予防運動マニュアル
作者 修一, 大渕 出版社 出版日 情報なし

介護予防運動指導員の資格取得後に高齢者の方へ伝えていく運動や、ストレッチの内容がまとめられている1冊です。

要介護状態にならないように対策をしたいと考えている高齢者やその家族に向けて読む本ということもあり、内容も分かりやすいことが特徴です。

介護予防運動が高齢者にどのような影響を与えるのか、運動と介護予防の関係が分かる内容になっていると感じます。実際に、自分の家族に勧めたくなる運動のプログラムもたくさん載っているので、資格取得のためだけでなく、家族の介護予防に向けての勉強にもなるでしょう。

介護予防のために運動でケアをしていくという意味が理解できる1冊

新時代をつくる 介護予防セラピスト: SME理論でアクティブ・シニアにするメソッド
作者 平, 水谷, 美和子, 水谷 出版社 出版日 情報なし

介護予防運動指導員ではありませんが、リハビリの資格を持っており介護予防セラピストとして活躍する著者が、自分の経験から介護予防と運動、ケアに対する考え方を書いています。

医療用語など難しい言葉も出てきますが、リハビリの資格を持っているという観点からわかりやすく書いていますので、医療系の資格を持っていない方でも読みやすいのではないでしょうか。

論理的に介護予防と運動の重要性を書いています。なぜ、介護予防に運動が重要なのかを言葉でしっかりと伝えてくれるので、その意味を理解することができるでしょう。

リハビリという職業の視点から見た介護予防運動についても多く書かれているので現在リハビリの資格を持っている方には、共感をもって読めるのではないでしょうか。

介護予防運動指導員に本気でなりたい方へおすすめの1冊

テキストブック 介護予防運動指導士―高齢者の体力を維持・向上させるプログラム
作者 晃, 小野, 友男, 琉子 出版社 出版日 情報なし

介護予防運動指導員になりたい方のテキストにもなりうる1冊です。

高齢者の体力維持・向上へ向けたプログラムの理論やその方法をご紹介しています。イラストや写真が多数なので見やすく、わかりやすいのもポイントです。

転倒予防に必要な3筋群の強化方法に加え、機能解剖学、運動生理学なども載っているため、1冊で介護予防運動について幅広く学べます。転倒を防止するにはどうしたらいいかを人体の機能面から理論的に学びたい人、考えたい人はぜひ一度読んでみることをおすすめします。

本気で介護予防運動指導員になりたい方は、講習前の予習にもご活用ください。

超高齢化社会がこれからも続いていくことが予想されている日本において、需要もあり注目の資格となるのが介護予防運動指導員です。
医療や介護系の資格を持っている方はスキルアップのためにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
働き方は多彩なので、資格を取ることでキャリアチェンジもできるかもしれません。現在介護や医療の資格をお持ちでない、またはこれから取得予定という方も、自分の周りの方の介護予防も兼ねて、知識を取り入れ、実践してみてもよいのではないでしょうか。

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