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期待しすぎなければ失望を防げる。30年経っても幸せな結婚生活を送るコツ/あきらめよう、あきらめよう⑥

ダ・ヴィンチNEWS

あきらめよう、あきらめよう。そうすれば、どんなときも幸せは見つかります。この困難な時代をしなやかに生きるヒントを語った、シスター鈴木秀子、渾身のメッセージです。さあ、一緒に聖なるあきらめのレッスンをしていきましょう。

「僕の一番大事なもの持ったよ!」父親の遺影を掲げる息子を大津波が襲う――夫と子どもを失った悲しみをどう乗り越えたのか/あきらめよう、あきらめよう①

『あきらめよう、あきらめよう』(鈴木秀子/アスコム)

期待しすぎなければ失望を防げる

 私が教えた大学の卒業生の一人、Oさんが結婚式を挙げる直前のことでした。

「結婚式を目前にして、喜びで胸いっぱいだろう」と思いきや、Oさんは落ち着き払った様子です。普段とまるで変わりがないようにも見えました。

 Oさんは結婚生活の展望について、こう打ち明けてくれました。

「挙式まであと3日だというのに、ときめきもしません。お相手の男性はごく普通の人です。とくに資産があるわけでもなく風貌も人並みですし……」

「では、なぜあなたは結婚を決めたのですか?」

「彼は誠実で、きちんと自分らしく生きているからです。でも、彼と一緒になるからといって、特別うれしいとかワクワクする気持ちは湧いてこないのです」

「では、結婚はやめますか?」

「いいえ、やめません。あの人はとても誠実な人だと思いました。だから一緒になることで、私も誠実に生きられると思うからです」

 その後、Oさんは滞りなく挙式を行い結婚生活に入ります。それからも私とのおつきあいは続きました。

 そして結婚から30年経った今、Oさんは60代を迎えました。60代の彼女は昔以上に心穏やかで、幸せそうな家庭の様子がうかがえます。子どもたちにも会ったことがありますが、朗らかでとてもいい感じの若者に育っていました。

 私は多くの嫁ぎゆく卒業生たちを見てきましたが、その中でもOさんはとても幸せな結婚をしているように感じます。

 60代のOさんは、こう話してもくれました。

「私はもともと、結婚生活に対して大きな夢はありませんでした。結婚相手にも大きな期待はありませんでした。結婚前に大きな夢や期待がなかったから、結婚後に失望などはまったくありませんでした。かえって、いいところが見えてくることが多く、楽しかったです」

 つまりOさんは、結婚相手に対して夢見ることや期待しすぎることを潔く諦めていたのです。そして「ゼロからプラスへと築き上げていこう」という考え方を貫いて明らめた(はっきりとさせた)ため、結婚生活はうまくいったのでしょう。

 もちろん結婚生活を夢見ることは否定しませんし、それは普段の生活をとてもワクワクさせてくれます。とはいえ、期待しすぎて落胆する危険もはらんでいます。

 実際のところ、有名な人と「セレブ婚」「派手婚」を挙げた女性たちに、離婚率が高いという報道がなされています。

 Oさんのように地に足のついたところから結婚生活を始めると、過剰に期待をしていないため、相手の美点や長所が目につき(明らめられ)、感謝の気持ちも生まれやすくなります。当然、夫婦仲はよくなる一方です。

 Oさんほどではないにしても聖なるあきらめを少しでも働かせることで、多少なりとも起こりうる結婚後の失望を和らげることもできるのです。

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