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adieu「よるのあと」たったひとりの決別の夜に紡いだメッセージとは

UtaTen

adieu「よるのあと」たったひとりの決別の夜に紡いだメッセージとは

adieuって、どんなアーティスト?


現在まで数々のドラマやCM等に出演し、国民的女優のスターダムへと一歩一歩その歩みを進める上白石萌歌。

女優だけでなく、歌声を生かしてひとりの「表現者・創作者」としてクリエイティブに挑む「adieu(アデュー)」としても活動しています。

▲adieu [ ナラタージュ ] MUSIC VIDEO

彼女にとって初となったリリースは、RADWIMPS・野田洋次郎が作詞作曲を務めたことでも注目を集めた2017年の映画主題歌『ナラタージュ』。

発売時点ではプロフィールを一切隠しており、正体不明の新人アーティストとして一躍その名が話題となったのも記憶に新しいのではないでしょうか。

その後、2019年の1stミニアルバム『adieu 1』発表に合わせて自身の正体を明かし多くのファンを驚かせました。

それぞれ「日中と真夜中」を生きるひとりの女の子の姿にも例えられる「女優とアーティスト」という二面性。

演技で目にするイメージと違ったミステリアスな世界観を存分に堪能できるadieuの魅力が、今日もファンを増やし続けています。

ヒットを続ける「よるのあと」の魅力


▲adieu [ よるのあと ] MUSIC VIDEO

そんなadieuの1stミニアルバム『adieu 1』に収録された『よるのあと』が、音楽ファンのみならず多くの人から注目を集めています。

2020年7月現在YouTubeでのMV再生回数は250万回を超えており、発表から時間がたった今でもその驚異的な伸びは衰えていません。

『ナラタージュ』に引き続き新気鋭の音楽集団・Tokyo Recordingsをサウンドプロデュースに迎えて制作されたトラックの完成度は抜群。

加えて、作詞作曲を担当したFINLANDS・塩入冬湖による切ない歌詞が楽曲の人気を後押ししています。

コメント欄に寄せられているメッセージの中には、歌詞になぞらえた恋のエピソードや片思いや失恋の思い出に関したものも多数。

多くの聴き手を心の底から揺さぶるadieuの歌声によって紡がれる歌詞の魅力は、一体どのようなものなのでしょうか。

独自の視点から歌詞を読み解き、解説します。

「嘘」から始まる別れの言葉





楽曲の幕開けを飾るのは、とにかく切ないこんな一節。

大切な「あなた」とのお別れの時を象徴する「さよなら」の言葉に向かって展開される歌詞の主人公の思いが胸を締め付けます。

歌い出しの歌詞では、二人の別れの原因が「嘘」であることが示唆されます。

心ない「嘘」からくる軋みが毎日のように重なって心がすれ違い、仕方なく別々の道を歩いてゆくことになった二人。

壊れてしまったこの関係はもう戻せないけれど、これからの「あなた」には「嘘」に頼らないで生きていってほしい。

最後の優しさとも、皮肉ともとれる何ともやるせない想いが情感あふれるメロディとともに聴き手の心に届けられます。

すれちがう「愛」のかたち





こちらの一節では、無機質な言葉とともに主人公の想いが補強されていきます。

一見、言葉のもつイメージを捉えるのが難しい「目に見える細胞」というフレーズ。

あとに続く「夜に響いた鳴き声」にも表れている通り、そこには確かな「夜」の匂いが感じられます。

心から愛を捧げようと努力したもののそれは叶わず、「あなた」が見ていたのは自分の表面的・物理的な側面であったという事実。

「あなた」にとってはそれら全てが単に都合の良いだけのことであり、主人公が欲していた精神的な「愛」は得られなかったのでしょう。

楽曲を通して描かれているお互いの「愛」に対する二人の価値観の違いが、これでもかというほどに突きつけられます。




そんな、徹底的に冷たい表現を用いて描いてきたすれ違いが「青い体温」「震える胸」というキーワードに向かって集約されていきます。

温もりを感じられなくなった二人の関係を象徴するようなこれらの言葉。

かつて出会った頃は何もかもが温かかく、何もかもに胸を躍らせていた。

そんな毎日と対比させて現在を静かに見つめる主人公の視点が胸を打ちますね。

「あなた」に対する失望や悲しみの想いが「簡単な顔して笑わないで」というセリフとなってついに外に出てしまうのも、印象的です。

「決別」を経て変わって行く人生





「あなた」が口癖のように主人公に投げかけていた「愛」という言葉。

「愛している」と言う言葉が孕む「嘘」に気づいてしまった主人公にとって、それはもはや本当に欲しいものではありませんでした。

しかしその「愛」にさえすがりつづけなければならなかった自分の弱さや、あるいは今でもその「愛」に救われている自分がいることへのむなしさがまるで「呪い」のように主人公を苦しめます。




楽曲を締めくくる一節では、そんな「呪い」に対する決別の思いが描かれます。

ここでの「呪い」は「あなた」が主人公にかけたものでもあり、反対に「あなた」へとかけられたものであったかもしれません。

そんな様々なしがらみや重なり合いから開放されて、二人は「よる」を乗り越え別々の道を歩み始めます。

考え抜いた末に「別れ」を受け入れた等身大の女の子の、とある一夜の様子を丁寧に描いた歌詞の繊細さと切なさが、今日も多くの聴き手の心を揺さぶっているのかもしれません。


TEXT ヨギ イチロウ

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