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ラーメン官僚の2020年最注目店!『麺創庵砂田』(巣鴨)の「中華そば」とは?

食楽web

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第二の人生をラーメンづくりに捧ぐ店主が繰り出す白河ラーメン

 JR巣鴨駅近傍は、東京の中心部を循環するJR山手線沿線に位置しながら、肩肘を張らない庶民的な街並みが広がる、下町情緒あふれるエリア。このため、同エリアは、かねてより「おばあちゃんの原宿」と呼ばれ、年配の方々や外国人観光客等、多くの人たちから親しまれてきた。

 なかでも、同エリアのホットスポットとして有名なのが「巣鴨地蔵通り商店街」。本年4月30日、日中を中心に多くの人々で賑わう、そんな「地蔵通り商店街」から少し逸れた路地沿いに、新たなラーメン店が産声を上げた。それが、今回ご紹介する『麺創庵 砂田』だ。

 同店を切り盛りする砂田店主は、齢50過ぎにして脱サラし、修業を経てラーメン職人へと転身した異色の経歴の持ち主。

店主の砂田裕史さん

「10数年前、サラリーマン時代に口にした、濃厚魚介ラーメンの名店『瞠@池袋』の味に感銘を受け、ラーメンの虜になりました。それからですね。ラーメン職人になりたいと考えるようになったのは(※1)」。

 砂田氏が選んだ修業先は、『瞠』をプロデュースした渡辺樹庵氏(※2)率いる『渡なべスタイル』。日本でも有数のラーメンコンサルタント・渡辺氏の下で、ラーメン店を経営するために必要なオペレーションを2年間かけて徹底的に学び、今般、満を持して独立。

 そんな砂田店主が提供するのは、福島県・白河のご当地麺である『白河ラーメン』。

「中華そば」780円

「白河は、私の無二の親友が住む街。若い頃から何度も同地へと足を運び、白河ラーメンの味に親しんできました。私が、作り手として食べ手に提供していきたいのは、流行に左右されないスタンダードな中華そば。そう考えていくと、自ずと『白河ラーメンを出したい』という結論に行き着いたのです」。

 現在、商品化されているのは「中華そば」と、それにワンタンを添えた「ワンタン麺」の2種類。

鶏油の華やかな香りと銘柄鶏&豚ゲンコツなどでとったスープは、レンゲを持つ手が止められないほど旨い

 スープは、厳正な温度管理の下、銘柄鶏(名古屋コーチン・はかた地鶏等)のガラ&モミジを丁寧に炊き上げ、食べ手の味蕾にじわりと沁み入る滋養味と、鼻腔を歓喜へと導く芳香を演出。

 また、豚ゲンコツ・背ガラ等を駆使し、鶏をしっかりと支える堅固な「コク」の土台を築くとともに、うま味の相乗効果を図るため、昆布等の乾物を縦横無尽に活用。

 鶏油の華やかな香りも相まって、一度手を付けたら最後、レンゲを持つ手が止められない味わいを演出することに成功している。

手打ちと手揉みでつくられる自家製麺

 このスープに合わせる麺も、手間ひまを惜しまずに創られたことが分かる自家製。妥協のない手打ちと手揉みを経て、数日かけて熟成させた麺は、スープを過不足なく持ち上げ口元へと運び込む力強さが魅力。唇から伝わるプルンとした麺質も官能的で、そのクオリティの高さは、オープンしたばかりの店は思えないほどだ。

 もちろん、トッピングの完成度も極めて高い。国産豚の内モモ肉を用いた、炭火焼きチャーシューは、本場のそれとも互角に渡り合える、会心の出来映え。

『砂田』がオープンした4月30日は、未だ、日本全国が、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言下にあった最悪のタイミング。それでも、同店が、日によって、営業時間終了を待たずして完売御礼となるほどの支持を獲得しているのは、まさに研鑽の跡が見える1杯を多くの食べ手が評価しているからに他ならない。

 まさに、2020年6月現在における最注目店のひとつである同店。訪問するのであれば、オープン前に店前にアクセスする位の気概を持って臨みたい。

・・・・・・・

(※1) 『瞠』のラーメンに衝撃を受けてからしばらくの間は、サラリーマンを続けながら、ラーメン食べ歩き、ラーメンの自作を続けていた。店主のご子息が成長し、就職を果たすタイミングに脱サラし、修業を開始。

(※2) 日本有数のラーメンコンサルタント。数千軒ものラーメン店を食べ歩いた経験等に基づく確かな舌と、食べ手が喜ぶツボを押さえたラーメンづくりに定評がある。味をプロデュースしたラーメン店は30軒以上に及び、複数の直営店を経営するラーメン店主でもある。

●SHOP INFO

店名:麺創庵 砂田(めんそうあん すなだ)

住:東京都豊島区巣鴨4-24-6 富士ビル
TEL:非公開
営:11:00~17:00 ※スープ・麺が無くなり次第終了
休:水曜、第2.4木曜

●著者プロフィール

田中一明

フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。

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