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専門用語が多すぎる/SE女子の日常

ダ・ヴィンチNEWS

 専門用語の多いシステムエンジニアの職場では、用語がわからなければ仕事が進まない事態に陥ります。元エンジニアの漫画家・ぞえさんも、専門用語の多さに困惑した経験を持つ一人です。今回はそんなSE女子の日常をご紹介します。

4台の仕事用パソコンを使い分ける/SE女子の日常

 システムエンジニアの仕事では、聞いたことのない単語が飛び交います。

 技術的な用語、特定のプロジェクト内での用語、スマートフォンの開発中の名称、などなど……。

 普段の生活では聞かないさまざまなジャンルの単語がそこかしこに溢れています。溢れ過ぎて、何が専門用語で何が一般用語なのか分からなくなってくるほどです。

議事録担当の新人が追い詰められる

絵:ぞえ

 私のいた会社では、新人の仕事といえばまず議事録作成でした。

 取っかかりとして毎週の進捗会議の議事録作成を担当するのですが、これがなかなかに厄介な仕事です。そもそも、聞きなれない専門用語が多すぎるのです。

 文字を読むだけならまだしも、聞き取りは脳内で音から単語に変換しないといけません。エヌディーニイゼロ? ルート? ログキャット? 何だそれは?

 上手く聞き取れなくてもそのまま会議は進んでいきます。

 その場にいる人で分からないのは自分だけ。基本的な質問で会議を止めるわけにもいきません。

 そして穴だらけの議事録の完成。頭を抱えますが、分からないものは仕方ない。他の参加者に助けを求めるしかありません。

「全部分かりません」としか言えない

 私自身も、初めての議事録作成は散々でした。

 当時担当することになったプロジェクトは、ガラケーの開発で「非OS」と呼ばれていた部分でした。OSが起動する前の機能だそうです。

 私は大学の研究室ではWeb系の開発をしていたので、畑違いもいいところです。大学の授業で習ったことを必死に思い出しながらも、専門用語だらけで全く聞き取れませんでした。

 「レジスターが何ちゃら」とか言われましても。何とか聞き取れる言葉だけ拾ってみたものの、肝心な専門用語が聞き取れないので何のことを書いているのか分かりません。

 何が分からないのか分からないので、会議が終わったあと何を先輩に聞けばいいのか分かりませんでした。

 「全部分かりません!」としか言えません。

 まあでも最初はそんなものです。分かることを少しずつ増やしていくしかないのです。

非エンジニアへの引き継ぎで工夫

 私が会社を辞めるとき、元営業職の人に仕事を引き継ぐことになりました。

 元営業職ということは非システムエンジニアです。開発のことなんて右も左も分からないでしょう。私も営業が何をしているのか分かりません。

 同じ社内でも、部署が違えば使っている専門用語は変わってきます。

 引き継ぎの早い段階から進捗会議には出てもらいましたが、分からない専門用語で溢れており、会議の内容すら頭に入ってこないであろうことは容易に想像できました。

 そこで、私は引き継ぎ作業の一環として「意味の分からなかった単語を記入してもらうExcelファイル」を用意しました。

 当時、私はシステムエンジニア8年目で中堅社員です。

 初心者は何が分からないのかが分かりません。事前にどの専門用語を説明しておけばいいのか分かりません。

 自分たちが仕事を進める上で使っている単語の中で、どれが専門用語なのかも分かりませんでした。

 「これは? こっちは?」と一つ一つこちらから聞くよりは、分からない側から聞いてもらったほうが確実です。

 「疑問に思った単語は漏れなくこのExcelファイルに書いてください。私は何が分からないのか分からないので」と依頼し、単語が記入されたらその都度単語の意味を回答していきました。

 Excelファイルに記入された単語の数は60以上にものぼったでしょうか。

 「それだけ普段の業務は専門用語に溢れているのか……」と自覚した出来事でした。

◇ ◇ ◇

 おまけとして最後に、イラストで用いた用語の解説をします。

 ND20はあるAndroidスマートフォン機種を示す開発向けコードです(実際に使っていたコードとは異なります)。ルートはroot、ログキャットはlogcatでAndroid開発に関する専門用語です。

 律ちゃんは「ND20という機種(Androidスマートフォン)でrootを取った状態(特権を取得した状態)でlogcatというログを取得してくれないか」という依頼をしていることになります。

 専門用語で成り立っているのがシステムエンジニアの世界、とも言えるかもしれませんね。

ぞえ

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