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「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】

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「泣きたい私は猫をかぶる」志田未来&花江夏樹対談 アフレコ秘話、作品の見どころは?【インタビュー】

『ペンギン・ハイウェイ』で第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞し、賞賛の声を浴びたスタジオコロリドによる、長編アニメーション映画第2弾『泣きたい私は猫をかぶる』が、6月18日(木)より、Netflixで全世界独占配信中。

配信開始に寄せて、主演をつとめたムゲ役の志田未来、日之出役の花江夏樹の対談インタビューをお届けする。


『美少女戦士セーラームーン』や『おジャ魔女どれみ』など、今なお多くのファンに愛されるアニメを創り続けてきた重鎮・佐藤順一と、スタジオジブリを経てスタジオコロリドで数多くの映像作品に参加し、本作で長編監督デビューを飾る柴山智隆がW監督としてタッグを組んで挑んだ本作。

脚本には、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『空の青さを知る人よ』を手がけ、人物の細やかな感情描写で定評のある脚本家・岡田麿里を起用し、 “痛み”や“喜び”に翻弄されながらも“自分”を探す少年少女の奔走を、鮮やかな映像美と共に描き出している。

志田未来が演じる主人公・笹木美代は、いつも明るく陽気な中学2年生。突拍子もない行動をとり、周囲を驚かせることから「無限大謎人間=ムゲ」と呼ばれている女の子。
両親が離婚し、父とその婚約者と一つ屋根の下で暮らしているため、居心地が悪い思いをしつつも、表面上は“仲良くやっている”ように振る舞っている。

同じクラスの日之出賢人が大大大好きで、毎日荒っぽいアピールをしているが、効果はイマイチ。
それでもめげずにいられるのは、ムゲが「かぶると猫になれる」不思議なお面を使って、“猫の太郎”として日之出に会っていたからだった。

一方、花江夏樹が演じる日之出賢人は、ムゲが想いを寄せる男の子。
父はおらず、陶芸家の祖父の影響で陶芸に熱中している。成績優秀で家族からは進学校の受験を期待されているため、本当はほかにやりたいことがあるのになかなか言い出せず、鬱屈した思いを抱えている。
ある日、庭先に現れた白い仔猫と出会い、昔飼っていた愛犬「太郎」と同じ名前を付けかわいがる。

“人間”のときは距離を置かれてしまうが、“猫”のときは近づけるふたりの関係。ムゲは、猫でいれば、煩わしい人間関係に悩まずに自由でいられる心地よさを覚え、次第に猫と自分の境界があいまいになっていく。
そんなある日、再びムゲの前に、猫のお面をくれた猫店主が現れた。「“人間”を捨てて“猫”として生きては?」と思惑ありげに誘う猫店主。傷ついたムゲが選んだ人生は、“人間”か“猫”かーー。

ファンタジックな世界の中で繰り広げられる、リアルな葛藤のドラマ
――初めて脚本を読んだときの感想はいかがでしたか?

志田:「猫のお面を被ると、猫の姿になれる」というテーマに、とてもワクワクしながら読み始めたのですが、ファンタジーなのに登場人物一人ひとりの感情や葛藤がリアルに描かれていて、台本を読んだ後にガラリと印象が変わって。とても考えさせられる内容だと思いました。


花江:僕も志田さんと同じで、オーディションの時に見せていただいた映像や資料、そして佐藤順一監督と岡田麿里さんが参加なさっているということで、ストーリーの全貌を知る前からワクワクしました。
日常とファンタジーのバランスが絶妙で、学生時代に抱える悩みや、大人になって忘れたり諦めたりしてしまう感情を思い出させてくれる、とても素敵なお話でしたね。

僕は昔から青春系というか、等身大の少年少女のお話を読むのが大好きでしたし、学生時代の記憶を思い出せるので、演じるのも楽しくて。それと僕自身も猫好きなので、運命的な作品だと思いました。


次は、それぞれ演じたキャラクターの魅力について語る!

好きな人のB面に触れて沸く、愛しさを感じて
――主人子・ムゲの魅力を感じるのはどんな部分ですか?

志田:ムゲは本当に明るくて、真っ直ぐな女の子なんです。日之出に対しては、今時珍しいくらい、自分の気持ちを素直に出すので、観ていてすごく気持ちがいい。
ただ、周囲からの愛情に気付いていない幼い部分があるし、学校などで見せる外の顔と、自分の部屋にいるときに見せる内の顔にギャップがあります。


花江:そうなんですよね。ムゲちゃんは、ずっと学校では明るく振る舞っていて元気で、日之出に対してすごく好意を寄せてくれるんです。
家では努めて明るく過ごしているけれども、やっぱりちょっと無理して笑っていたり、悲しんでいる部分があったりして。
本当は自分の気持ちに素直になりたいのに、なかなかできなくて、どうやって気持ちを伝えていいのかわからないと悩んでいる姿を観ると、応援したくなりますね。

そういう意味で、学校でしか接していない日之出には見えない部分が描かれている、里芋の煮物を食べるシーンが印象的でした。「おいしい」って言っているのに、気持ちは悲しい。
その絶妙なムゲちゃんの気持ちの揺れ動きを、志田さんがすごく素敵に演じられていて。

志田:ありがとうございます。リハーサルに読み合わせをしたときに、監督から「ムゲの声は作りすぎず、自然体で演じてみてください」と言っていただいたので、今まで自分がやってきたお芝居を信じて現場に臨みました。


特にムゲが感情を爆発させるシーンでは、映像のタイミングに合わせることと、声だけのお芝居で感情を表すことに苦労して。監督の提案で、映像なしで録っていただき、感情を作りあげていくことができました。

逆に、猫島の映像は迫力があってとてもきれいだったので、収録しながら自分も冒険している気分になって楽しかったです。


花江:「映像の顔や表情、動きに引っ張られずにお芝居してください」とおっしゃっていましたね。
絵で大袈裟な顔をしていても、声ではそこまで表現しなくてもよかったり、逆に、大袈裟にしたほうが良いと思うところもあったりして。

「絵は絵でお芝居をするし、声は声でお芝居をして、観ている人により立体的に伝わればいいなと考えているので、まずはご自身が思ったもので演じてください」という風に言っていただいたので、僕も絵にとらわれず演じましたね。

志田さんは本当に素敵な女優さんで、本当にいろいろ研究してアフレコに臨んでいることが伝わってきました。
やっぱり志田さんにしか出せない等身大感というか、飾らないお芝居がムゲにピッタリで。「すごいな」と思いながら、隣で一緒にやっていました。

――収録は2人一緒でしたか?

花江:そうです、最後まで2人でやりました。やはり掛け合いをしないと伝わらないところがたくさんあるので。
監督からも「ムゲと日之出は、全部一緒に収録したいです」と打診されたので、万全の体制で。


日之出は、ムゲを受けて演じる部分が多かったので、志田さんの演技に引っ張っていただいました。あまりセオリーにはまらないお芝居をされるので、自分ももっと引き出せるんじゃないかと思わされたというか。
もっといろんなお芝居の形に挑戦してみたいなと思いました。


志田:よく観ていたアニメに出演されている憧れの花江さんと共演させていただけて、本当に光栄でした!
リハーサルで、セリフ入りのタイミングがわからなくなってしまったときに、花江さんが他のキャラクターのセリフを読んで、優しくフォローしてくださったり。

本番も、緊張している私に話しかけて緊張を和らげてくださったりと、本当にいろいろ気遣ってくださったのが嬉しかったです。

――ムゲが好意を寄せる、日之出の魅力は?

花江:日之出は、自分が思ったことを直接伝えられないタイプです。おじいちゃんから陶芸工房を閉めると聞いたときも、自分は陶芸をやりたいと言い出せなかったり、友だちに対しても自分が思っている気持ちとは真逆のことを言ってしまったりとか。
素直に言葉にできない部分は、ちょっぴり学生時代の自分に重なるなと感じました。

でも素は、かなり真面目で優しい少年なんです。だけどムゲがぐいぐい来るので、うまく接することができなくて(笑)。
そういう意味では、ムゲがかなり謎な分、日之出はわりと普通の男の子だなと感じました。


志田:そうなんですよね。日之出はすごく大人でクールに見えるけれども、実はすごくもがいているところが、人間味にあふれていていいなと感じました。
花江さんの言う通り、日之出自身はそれを表に出していないので、“人間”として学校に行っているムゲでは気づけない。

でも、猫のお面をつけて“太郎”になったからこそ触れることができた、日之出の一面なんですよね。
そういう一面を知ることができたから、ムゲは日之出のことが大大大好きになったんだろうなと思っています。

日之出のシーンで印象的だったのは、陶芸工房でおじいちゃんと話しているところです。
学校では見せない真剣な表情と花江さんのナチュラルな声の演技で、日之出が悩んでもがいている様子がスっと入ってきて。そして、ちょっと色っぽいと思いました。

花江:色っぽい(笑)。そういう意味では、物語を通じて、一人の少年から青年の気持ちに移りかわっていくところが、日之出の魅力だなと思います。

――志田さんは、“太郎”の声も演じたのですか?

志田:はい。私が演じるとは思っていなかったので、“太郎”役をお願いされたときは驚きました!
「にゃー」の一言にムゲの感情を込めることに苦戦しましたが、“太郎”の収録は最終日だったので、緊張もなく楽しく収録させていただきました。

――猫好きの花江さん、おすすめの猫シーンはどこですか?

花江:日之出が“太郎”のお腹をなでたり、わしゃわしゃしたりするシーンがあるんですが、顔を近づけてモフモフしたい願望を見透かされたようで(笑)、観ていてすごいなと思いました。


あと、猫島の住民たちがどれも個性的で。かっこいい猫がとてもよかったです。

――作品全体で印象に残ったシーンはどこでしたか?

花江:どのシーンも背景がとてもキレイで、1枚の絵画のような素敵なシーンばかりなんです。その中でも、“太郎”と日之出が出会った花火のシーンは、とても幻想的でいいなと思いました。

志田:私は、猫島を初めて観たときに、本当に美しいなと思いました。
あくまでファンタジーの世界で、現実にはあるはずのない大きな猫島がパッと目の前に現れたのを感じましたし、その存在をリアルに感じることができたシーンなので、印象に残っています。

最後は、配信に寄せたメッセージをお届け!

基本、外では“猫をかぶる”は人間共通!?
――本作は身近にある愛情の物語ですが、どんなときに、親しい人やペットから“愛情”を感じますか?

花江:僕は猫を飼っているんですが、基本気まぐれなので思ったようには行動してくれないんです。
でもふとした瞬間に一緒に寝てくれるときは、「懐いてくれているんだな」というのがすごく伝わってきて、すごくかわいくて、嬉しくなってしまいますね。

志田:私は、友だちとの何気ないやりとりです。会えないときにもマメに連絡をくれて、よくかまってくれます(笑)。
私も親友だと思っているし、相手も同じように思ってくれているんだなと感じられて、相思相愛だとうれしいなと思います。

特に自粛期間中は直接会うことができなかったので、朝起きたときにLINEメッセージで「おはよう」と入っていると、心がなごみます。


――自分が「猫をかぶる」シチュエーションは?

志田:うーん、私は家から出た後はいつもかぶっていると思いますが、特に初めましての人と会うときは、一生懸命猫をかぶります(笑)。
お仕事で、その日その時間にしか会わない方にも、いい印象を持ってもらいたいなって(笑)。

花江:僕も、家にいないときは常に(笑)。仕事中もそうですが、外出中も最低限まともな大人の振るまいをしているというか。
誰でもそうかもしれませんが、僕は人見知りする部分があるので、映像やラジオのお仕事のときは、仕事人の顔をかぶっています。


――外出自粛期間中は、どんなことを心がけて前向きに過ごしましたか?

志田:私は元々前向きな性格なので、ゲームをしたり映像作品を観たりして、普段あまり時間を費やせないことに費やしていました。
それこそ今回独占配信が決まったNetflixさんには、大変お世話になりました(笑)。

家にいてワクワクしたり楽しいと感じたりするのは、やっぱり映像作品を観ているときだなと感じました。
ですから、自分もそういう仕事に関わっていられることが、すごく幸せだと感じて、撮影が再開したら、みなさんの心に残る演技をしたいと、改めて強く思いました。


花江:僕も、それほど暗い気持ちにはなりませんでした。
確かに仕事ができないのは、少し息苦しさを感じましたが、逆にこの期間にできることをやっていこうという気力が沸いてきて。

SNSでも楽しめるコンテンツを配信したり、逆にみなさんが配信しているコンテンツを観て、良い所を吸収したりして、世の中が落ち着いたときに、もっと全力で今まで以上のものが出せるようにがんばるぞという気持ちで過ごしました。

――この作品をどんな風に楽しんでもらいたいか、メッセージをお願いします。

志田:Netflixでの配信になった分、お家で家族みんなでまったりしながら観るのにぴったりな作品だと思っています。
愛がたくさんつまった作品で、見終わった後に、自分の大切な人に「ありがとう」と言いたくなる、そんな心温まる作品ですので、ぜひお楽しみください。

花江:『泣きたい私は猫をかぶる』は、言葉に出して相手に気持ちを伝える大切さや、それを実行する勇気、一歩踏み出せずにいるところを背中を押してもらえるような作品です。
世代によって感じ方が違うと思いますし、そういう意味で本当に幅広い世代の心に響く作品だと思います。

家族でも恋人でもペットでも、大切な存在を思い浮かべながら観ていただけたらうれしいです。

<Netflixアニメ映画『泣きたい私は猫をかぶる』作品情報>

配信日:Netflixにて、6月18日(木)より全世界独占配信 
出演:志田未来 花江夏樹
   小木博明 山寺宏一
監督:佐藤順一・柴山智隆
脚本:岡田麿里
主題歌:「花に亡霊」ヨルシカ(ユニバーサルJ)
企画:ツインエンジン
制作:スタジオコロリド 
製作:「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
(C)2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会

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