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コロナ禍の米国で70歳男性に「治療費1億2000万円」請求される

SmartFLASH

写真:ロイター/アフロ

 

 医療費の高さが有名なアメリカで、新型コロナの治療費に1億2000万円を超える請求書が出された。正確な額は112万2501ドル4セント、しかもまだ未請求のぶんがある。

 

 請求を受けたのは、ワシントン州のマイケル・フローさん、70歳。全米でも早い時期の3月4日に新型コロナに感染して入院、一時は病院側が家族に携帯越しに別れの言葉を告げさせたほどだった。

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 しかし、2カ月の入院で奇跡的に回復し、スーパーマンのTシャツ姿で退院する様子がメディアでも報道された。

 

 費用の内訳は、集中治療室の滞在日が1泊104万円強、ここに42日間いたため、合計4385万円。29日間人工呼吸器を使ったぶんが約882万円、フローさんの肝臓や肺がほぼ機能しなくなった2日間の処置で、合計1000万円強となった。

 

 医師は治療薬レムデシビルを処方し、輸血やビタミンの大量投与、心臓や肺にカテーテルの挿入まであらゆる処置を施した。請求書の明細は181ページに及び、項目数は3000近い。それでもまだ2週間のリハビリ施設の使用料や人工透析代などの請求が来ていない。

 

 フローさんの医療費の大半は、高齢者向けの公的保険でカバーされるが、あまりの額に、フローさんは生き残ったことに罪悪感すら感じているという。

 

 高額な請求はこの病院に限ったことではない。

 

 コロラド州のロバート・デニスさんは、2週間人工呼吸器につながれた状態で、請求額が9000万円強だった。デニスさんもまだ3週間のリハビリ代と、妻の治療費の請求が来ていない。2人分を合わせると1億5000万円くらいで、フローさんより高額になるかもしれないとのことだ。

 

 ニューヨークに住むネットマガジンの記者は、6日間人工呼吸器を使用し、治療薬ヒドロキシクロロキンの処方を受け、16泊の入院で3400万円ほどの請求を受けた。

 

 ただし、新型コロナの治療に関しては、国が予算を組んでいる上に、ほとんどの保険会社が費用を負担すると言っている。上記の全員が健康保険に加入しているため、おそらくほぼ全額カバーされるだろう。

 

 アメリカの医療費が高額なのはいくつも理由がある。

 

 1人の患者に対して多くの職種の人が関わるシステムで、人件費が高いうえ、訴訟対策も必要とされている。公的保険もあるが、多くの保険が民間経営のため、掛け金も高くなりがちである。医療も保険も当然だが、ビジネスなのだ。

 

 請求書は担当医師や施設、薬、処置、それぞれが別々に送ってくる。明細は別に請求しなくてはならない場合もあり、非常にわかりづらい。病院は一度患者から金銭を受領した後、保険会社と交渉し、過不足分を後から請求してくる。ときにはこの作業に数カ月かかる。

 

 医療費は所得に応じて交渉することが可能である。

 

 ニューヨーク州のジャネット・メンデスさんは、19日間の入院で4300万円ほどの請求が来たが、そのうち3500万円ほどが補助された。自分で払うのは800万円ほどで、5分の1以下とずいぶん安くなった。

 

 この自己負担額に対してクレームを入れることもできるし、医療サービスに対して不服申し立てもできる。ただ、自分が病気のときにどこまで交渉できるかは疑問だ。こうしたことから、「痛み止めを飲んで祈るのみ」と病院を敬遠する人も多い。

 

 平均的なアメリカ人の家庭は、毎月14万円ほど保険料を支払っているとされ、破産理由の1位が医療費となっている。

 

 保険会社の新型コロナ関連の出費は5000億ドルを超えるという予測がある。カリフォルニア州の試算では、国からの支援がない限り、来年の保険料はさらに40%値上がりする可能性がある。コロナの影響で、アメリカの医療はますます裕福な人のものになってしまうかもしれない。(取材・文/白戸京子)

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