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新宇宙から発せられる謎の電波放射現象「高速電波バースト」に57日の周期があることが判明(英研究)

カラパイア

高速電波バースト
高速電波バーストに周期があった? image by:Rogelio Bernal Andreo/DeepSkyColors.com

 わずか数ミリ秒で太陽の100年分に匹敵するエネルギーを放出する、宇宙からの電波放射現象のことを「高速電波バースト(FRB)」という。
 
 最初に発見されたのは2007年のことだが、その原因は現在にいたるまで謎に包まれており、超高密度の中性子星起因説から高度な異星人文明起因説まで、さまざまな仮説が提唱されている。

 今年初め、何度もバーストを起こす反復型FRBの存在が明らかになったが、今回、新たに発見されたFRBも周期的な活動サイクルを持っていた。この新事実は、深宇宙で起きているミステリアスな現象の解明につながる重要なヒントになるという。

157日間の活動サイクルを持つ高速電波バースト


 今日までに発見されたFRBは100件を超えるが、そのほとんどが一度きりの現象だった。

 しかし今年1月、16日の周期(4日間の活動期と12日間のインターバル)を持つ「FRB 180916.J0158+65」という珍しい反復型のFRBに発見された。

 そしてさらに今回、マンチェスター大学(イギリス)の研究チームによって、また新たに周期的な活動サイクルを持つFRBが特定されたとのことだ。

 イングランド、ラベル電波望遠鏡で捉えられたそれは、「FRB 121102」と呼ばれている。最初に発見されたのは2012年のことだが、当初は繰り返されることはあっても決まった周期はないものと考えられていた。

 ところが分析の結果、90日間フラッシュし、67日間沈黙するという157日の周期があるらしいことが明らかになった。この分析が正しければ、FRB 121102は6月2日からまた新しい活動期に入ったことになる。


Fast Radio Burst 121102 ( FRB ) Audio – Processed to clarify sonic details for analysis etc

周期の存在がFRBの謎を解明するヒントに


 FRBにこのような周期がある理由ははっきりしない。だが研究チームによると、周期の存在は、FRBの発生源を解明する重要なヒントになるという。

 周期を作り出す原因についての仮説としては、たとえば極端に強い磁力を持つ中性子星(マグネター)の自転軸が歳差運動を起こすからといった説や、連星系に属する中性子星の公転運動に関連しているといった説がある。

 前者について、自転軸の歳差運動は数週間サイクルで起きると予測されている。そのため、16日周期を持つFRB 180916には当てはまるかもしれないが、それよりずっと長い周期のFRB 121102には妥当ではない。

 一方、中性子星とOB型星で構成される「大質量X線連星」の場合、天の川や小マゼラン雲で観測されたものに関する限り、数10日から数100日とかなり広い幅の周期を持つ。そのため、FRB 121102は後者の説には当てはまる。

 ただし同じ連星系でも、ドナー星がロッシュローブ(軌道上の物質が重力によって恒星に結びつけられる恒星の周りの宇宙の領域)を満たすタイプの場合、その周期は10日未満とかなり短いため、こちらの可能性は低いと考えられる。


CHIME Telescope captures fast radio bursts (FRBs)

FRBには周期があるのが普通なのか?


 また今回、定期的な周期を持つFRBが新しく発見されたことで、どのFRBでもじつは定期的な周期がある可能性を検討しなければならなくなったそうだ。

 ほとんどのFRBが一度きりしか観測されていないのは、じつは単なるデータ不足という線も絶対にないわけではないということだ。

この研究は『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』(5月19日付)に掲載された。
Possible periodic activity in the repeating FRB 121102 | Monthly Notices of the Royal Astronomical Society | Oxford Academic
https://academic.oup.com/mnras/article/495/4/3551/5840547
References:space/ written by hiroching / edited by parumo

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