伝説の麻雀士に学ぶ「流れをつかむ技術」
伝説の麻雀士に学ぶ「流れをつかむ技術」
「流れ」をつかむことこそが、勝負の運命を決める核心なのである。そう語るのは、麻雀の裏プロとして引退までの20年間無敗の強さを誇った伝説の雀士・桜井章一さん。

桜井さんは、「雀鬼」(じゃんき)の異名を持ち、小説や映画のモデルとしても描かれています。

 『流れをつかむ技術』(桜井章一著、集英社)は、桜井さんが厳しい勝負の世界で培ってきた「流れのつかみ方」について、実体験を交えつつ詳しく伝えています。

 「流れをつかむ」とはどういう感覚なのか。桜井さんは次のように語っています。「うまく流れを捉えられたときは、あたかも勝負の場全体を自分の掌中に収め、コントロールしているかのような気分になった」。

●夢や願望は「つかむ」のではなく「触れる」
 
「流れ」をつかむためには、「流れに身をまかせる感覚」が大切なのだそうです。一言でいうと、強く求めすぎないこと。「何事も力んで求めようとする人は、仕事においても生き方においても流れをつかみ損ね、失敗を重ねていくだろう」と述べています。

 「求めながらも、次の瞬間にはそれを忘れたように力を抜く」。また、「人間であれば誰でも期待や願望を抱くのは当たり前だが、それは一瞬軽く触れる程度にとどめておいたほうがいい」と語っています。夢や願望は「つかむ」のではなく、この「触れる」という意識が大事なのだそうです。

●負けのほとんどは自滅である

 「成功したい」「有名になりたい」「お金が欲しい」といった「結果をつかむこと」を考えすぎると、感情の流れが乱れ、無駄に身体が力んでしまい、逆に勝負の「流れをつかむこと」ができなくなってしまうと桜井さんは書いています。真剣勝負に負けるとき、たいていはこうした自分の欲望に囚われて「自滅」していることが多いそうです。

 だからこそ、「結果」より「過程」、「人の評価」より「自分の価値観」、「奪う」より「与える」ことを尊重することを桜井さんは勧めています。

●人生のコツは「一口いただく」

 力に頼るのではなく、力をいかに抜くか。先ほどの「触れる」と通じることだと思いますが、無駄な力みを身体から抜くには、「一口いただく」くらいの感覚がちょうど良いのだそうです。

 ふと「笑っている」とき、人は身体の無駄な力が抜けていて、「一口いただく」状態にかなり近いと述べています。

 しかし、この「一口いただく」感覚を身につけるのはかなり難しいらしく、桜井さんが主宰する「雀鬼会」(じゃんきかい)にも体得できたと思える道場生はまだ一人もいないそうです。ちなみにですが、サイバーエージェントの藤田晋社長も雀鬼会の道場生でした。藤田社長も「流れをつかむ技術」を直に学んだのでしょう。

 桜井さんの生き方をそのまま真似することはそう簡単なことではないと思います。桜井さんは「流れをつかむ」天才です。けれども、私たちでも、ほんのちょっとずつであれば、「流れをつかむ技術」を培い、実践いくこともできるでしょう。

 現代人はあまりに欲望が強く、あまりに忙しすぎるという桜井さんの指摘は、たしかにその通りだと思います。そして、欲望のために苦しみ、いわば「自滅」しています。それを少しでも和らげることができれば、良い「流れ」を作り出すこときっかけになるかもしれません。

 何事においても「お腹いっぱいにガツガツ食べる」のではなく、「一口いただく」。まず手始めに、「一口いただく」を念頭に行動してみてはいかがでしょうか。



<参考文献・参考サイト>

・『流れをつかむ技術』(桜井章一著、集英社)

・サイバー・藤田晋社長、巨万の富に隠された「過去の秘密」
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15277.html

・雀鬼会
http://www.jankiryu.com

(更新日:2017年7月16日)

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