山切りカット歯ブラシ、顆粒入り歯みがき粉…。買ってはいけないのはどれ? 歯科医が進める本当に歯にいいグッズ
山切りカット歯ブラシ、顆粒入り歯みがき粉…。買ってはいけないのはどれ? 歯科医が進める本当に歯にいいグッズ
 食べてすぐの歯みがきは、健康な歯を傷つける行為。そして間違った歯の手入れをし続けると、やがて寝たきりになってしまうかもしれない! この衝撃の事実で日本の歯みがき常識を覆した話題の書籍、『歯はみがいてはいけない』(講談社+α新書)。以前にこちらで紹介したところ大変な反響を得たが、この度、待望の続編が登場した。
『やっぱり、歯はみがいてはいけない 実践編 』(森昭、森光恵/講談社+α新書)

 食べてすぐの歯みがきは、健康な歯を傷つける行為。そして間違った歯の手入れをし続けると、やがて寝たきりになってしまうかもしれない! この衝撃の事実で日本の歯みがき常識を覆した話題の書籍、『歯はみがいてはいけない』(講談社+α新書)。以前にこちらで紹介したところ大変な反響を得たが、この度、待望の続編が登場した。

『やっぱり、歯はみがいてはいけない 実践編 』(森昭、森光恵/講談社+α新書)は、具体的にどうお口のケアをすべきなのか、理論とともに道具の選び方、使い方を細かくレクチャーした実践的な内容となっている。

■この歯みがきをすると健康寿命が縮む

 歯科医の森昭氏が唱える、やってはいけない歯のみがき方をまずはおさらいしよう。

「歯みがき」の3つの勘違い
[1]タイミング:一日3回の食事後すぐ
[2]目的:食べかすを取り除きお口の中をスッキリさせるため
[3]方法:歯ブラシと歯磨剤(歯みがき粉)を使ってゴシゴシみがく

 上記のなにが問題か? 食後すぐの歯みがきは、歯にダメージを与えるからだ。そのプロセスは次の通り。

 食後の口の中は酸性に傾く。すると歯の表面のカルシウムやリンが唾液中に溶け出し、歯は柔らかくなっている。そこに歯の表面を強い力でゴシゴシとこすると、歯の表面が少し削られることに。通常、食後の口の中で唾液が大きな役割を果たし、歯をまた硬い状態に戻している。それを「再石灰化」という。30~60分で歯は元の硬さに戻るのだが、その前の歯みがきは歯を傷める行為でしかない。

 では食後にちょっと汚れた口の中はどのように手入れをするのが正しいのか。それは、デンタルフロスなどで歯垢を除去し、唾液の通り道をつくること。唾液は口の中の細菌をやっつけるばかりか、消臭効果もある。そんな唾液の力を最大限引き出すには、食後はデンタルフロスだけでOK。歯ブラシでみがくのは、起床後と就寝前だけでいいのだ。

■痛い、血が出る…デンタルフロスの誤解

 正しい歯のお手入れとは、デンタルフロスが「主」で歯ブラシは「従」。これが世界の標準的なお手入れとして定着しつつある。そこで疑問を感じた人も多いはず。デンタルフロスは痛い、血が出る、入らない…。本書はこのデンタルフロスなど、歯のお手入れグッズの種類や適切な使い方をこと細かに解説してあるのが特徴である。歯科衛生士の森光恵さんが第3章から8章にかけて、「これでもか!」というほど情報を網羅して紹介している。

 いくつになっても自分の歯で食べていくためには、「デンタルフロス」がもっとも良き相棒となる。ご存じのようにデンタルフロスとは、歯の間の汚れを掻き出す糸状のアイテム。これが、同じように見えて実は種類がものすごくたくさんあるという。

 硬いもの柔らかいもの、繊維がまっすぐなもの、編み込んであるもの、唾液に触れると膨らむもの、ワックスがついているもの…。形状もロールタイプやY字型、F字型や、糸ようじのようなスタイルをしているもの。実にいろいろである。

 このなかから、もっとも自分に適したフロスを選ぶには、歯科衛生士さんに相談してみるのが早いのだが、簡単なアドバイスを本書からピックアップしてみよう。

「フロスをすると痛い」といった相談を受けることがあります。その多くが、使用しているフロスの糸が太すぎることが原因です。(中略)
 歯と歯の間の通しやすさという点では、太さのほかに「滑りやすさ」がポイントになります

 歯の「詰め物」がフロスで取れる、歯間に入らないといった悩みは、フロスの「太さ」と「滑らかさ」で解決できるのだ。結果、初心者がまず買うべきは、「ワックスつきの細い糸のフロス」であるという。

 そもそもフロスの糸に太さがあったということすら知らない人も多いのではないだろうか。しかも滑りやすいようにワックスまでついているなんて、まだまだ知らないことがなんと多いことやら。

■買ってはいけない歯科グッズ

 歯のお手入れはデンタルフロスが中心だが、もちろん歯ブラシも重要な役割を果たす。歯ブラシにも毛先のカットの形やら、その細さやらといろいろ選ぶべきポイントは多い。歯ブラシにも適正な選び方があることを本書では伝えている。

 自分に適した1本の歯ブラシがあるように、選んではいけない歯科グッズがあることをご存じだろうか。歯科衛生士からみると、素人が使いこなせないグッズが世の中に溢れているという。本書ではその「買ってはいけない」グッズもこっそりと紹介されている。それはこちら。

〈買ってはいけない歯科グッズ〉
第1位 顆粒入り歯磨剤
第2位 山切りカット歯ブラシ
第3位 角度がついた歯ブラシ
第4位 オールインワン歯磨剤(虫歯、歯周病、ホワイトニングなど、すべてに効果があるように記載しているものは×)

 第1位と4位にある歯磨剤とは「歯みがき粉」のこと。実は健康な人には歯磨剤は不要なのだ。歯磨剤がなくとも唾液の力で歯の汚れは問題なく落ちるが、習慣化している人がほとんどだろう。しかし「顆粒入り」には注意したい。先述したように、食後の歯は柔らかい。そこに粒が入ると歯のエナメル質が削られることに。けれども歯周病の人には薬理効果のある専用の歯磨剤は有効だ。なので用途をよく吟味して歯みがき粉は選ぶべきなのだ。

 2位と3位にある歯ブラシ。「山切りカット」とは、毛先が長短に分かれギザギザとしたスタイルのもの。これは、歯と歯の間に毛先がフィットするかのように宣伝されているが、歯の形状は千差万別。歯ブラシのギザギザが自分の歯の凹凸にフィットすることはほとんどない。いやむしろ表面的な汚れしかとれない代物なのだとか。

 また角度がついた歯ブラシは「凶器」にすらなり得る。ヘッドが傾いているため、力が強く伝わりやすいという。すると歯ぐきをゴシゴシこすり、痛める原因に。ちなみに、強く歯ぐきをこすり続けた結果、歯の根元がむきだしになった状態を「歯肉退縮」と呼ぶ。一度下がった歯ぐきは二度と上がらない。これもまた衝撃的な事実である。

 歯のお手入れは間違えると、取り返しのつかないことが多いのだ。そんなあやまちを犯さないためにもぜひ正しい知識を知ってほしい。日本人の「歯」をどうにかしたい。そんな熱意が伝わってくる一冊である。

文=武藤徉子

(更新日:2017年7月11日)

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