又吉2作連続ヒットの大先輩!? 作家・劇団ひとりを振り返る
又吉2作連続ヒットの大先輩!? 作家・劇団ひとりを振り返る
処女小説『火花』で芥川龍之介賞を受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、待望の第2作『劇場』を発表。掲載元の文芸誌『新潮』4月号は、異例の累計発行部数5万部を記録した。

作家として成功した芸人は又吉が初なのか――その答えは“NO”である。過去に2作続けてヒットをとばした劇団ひとりもまた、又吉に勝るとも劣らない文才の持ち主。元祖・売れっ子芸人作家・劇団ひとりの栄光に迫る。

文才は血筋!? 叔父はSF作家

1994年にコンビ『スープレックス』を結成するが、2000年に解散。ピン芸人として再出発を切り、“総勢10名のキャラクターを演じる一人芝居”でブレイクを果たした劇団ひとり。その後も映画『嫌われ松子の一生』、ドラマ『電車男』(フジテレビ系)などに俳優として出演し、ついには作家としても名を馳せた。そんな成功のルーツは意外にも近親者にあるようだ。

実は、劇団ひとりの叔父にあたるのは、『笑う受精卵』『暗殺童話』『金曜日はタイムマシン』など数々の著作で知られるSF作家・川島ゆぞ。突出した創造力や物書きとしての素地は叔父譲りなのでは、と推測するファンの声も多い。

恩田陸に山田宗樹…名だたる作家も絶賛

2006年に発表した処女作『陰日向に咲く』(幻冬舎)は、ホームレスに憧れる会社員、合コンで知り合った男に遊ばれる女性、詐欺をたくらむ借金まみれのギャンブラーなど、日の当たらない人生を歩む人々を軽妙な筆致で描いた連作小説。『夜のピクニック』などの著者である恩田陸は、「ビギナーズ・ラックにしてはうますぎる」、『嫌われ松子の一生』などで知られる山田宗樹は「文体のリズムとバランスも完璧」「行間にきらめく毒気のある才能」とコメントをするなど、名だたる専業作家たちも絶賛した本作は、100万部を超えるベストセラーに。さらに2008年には、V6・岡田准一主演による映画も公開。作家・劇団ひとりの代表作となった。

2010年には第2作目となる小説『青天の霹靂』を出版。売れないマジシャンである主人公がある日過去にタイムスリップ。若き日の父と母に出会い…というストーリーだ。家族愛というシンプルなテーマに絞った長編作で、「これぞ劇団ひとりワールド」「くすっと笑えて、胸にじーんとくる」と多くの読者の涙を誘った。後に自らがメガホンをとった映画も公開。The Japan Cup 2015著述放送文化賞および第6回TAMA映画賞を受賞し、大きな話題を呼んだ。


いまでは二児の父となり、バラエティ番組で見せる子煩悩な顔もすっかりおなじみとなった劇団ひとり。多忙なプライベートと本業であるお笑いの活動の傍らで、再び筆を執る日はくるのだろうか――次回作を心待ちにしたい。

(文/木下詩織)

(更新日:2017年5月18日)
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