キンコン西野亮廣さんの自宅アトリエを訪問! 誰もやらないことをやることこそ、芸人の仕事。【インタビュー前編】
キンコン西野亮廣さんの自宅アトリエを訪問!  誰もやらないことをやることこそ、芸人の仕事。【インタビュー前編】
漫才師、絵本作家、校長、町長、イベントプロデューサー、上場企業の顧問……。ジャンルや肩書きにこだわらず、度重なるSNSの炎上にも負けず幅広い活動を展開している西野亮廣(にしのあきひろ)さん。その発想力と原動力の源を探るため自宅アトリエを訪問すると、ベレー帽がお似合いのご本人が開放感あふれる仕事場で本当のところを語ってくれた。
にしのさんの自宅アトリエにて

漫才師、絵本作家、校長、町長、イベントプロデューサー、上場企業の顧問……。ジャンルや肩書きにこだわらず、度重なるSNSの炎上にも負けず幅広い活動を展開している西野亮廣(にしのあきひろ)さん。その発想力と原動力の源を探るため自宅アトリエを訪問すると、ベレー帽がお似合いのご本人が開放感あふれる仕事場で本当のところを語ってくれた。

――面白いことや楽しいことを考えるのはもともと得意だったんでしょうか?

西野亮廣さん(以下、西野) 友だちと一緒に面白いことや楽しいことを考えるのは、子どもの頃から好きでした。でも、子どもの頃ってみんなそうですよね? 山行く? とか、基地つくる? とか。ずっとその延長です。みんなどこかでそういう遊びをやめてしまうけど、僕は大人になってもダラダラ続けているだけです。

――子どもの遊びの延長を大人がやっていると、叱られたり叩かれたりすることも多いですよね。西野さんのTwitterが炎上したことも数知れず……。でも西野さんはまったく動じることなく、やりたいことを貫いています。

西野 世間の反応とか本当にどうでもよくて、それは小学生のときからずっとそうですね。たとえば全校朝礼で前に出されて先生に怒られて、周囲から冷ややかな目で見られても、教室に戻ると僕の友だちは笑ってるんですよ。「お前、怒られてたなぁ!」って楽しそうに。そのとき、「こいつらを笑わせてたらいいかな」って思って。今もまったく同じで、世間に認められなくてもいいんです。そういうのは後からついてきますから。それよりも友だちや身近な人が楽しんでくれることが大事なんですね、僕にとっては。

 普通に考えても、どうせやるなら絶対に楽しいほうがいいじゃないですか。口で文句を言ったり不平不満を言ったりしていても、何も前に進みませんから。だから僕は、友だちと一緒に「ボケようぜ!」というノリでやっているんです。ツッコむ人はたくさんいるので。それにボケたほうが絶対に効率がいいし、費用対効果が高いんですよ。ボケる人が少ないから。誰かがボケると周りが面白がって勝手にどんどん拡散してくれるので、だったら、自分がコケたりしてるザマを笑ってもらって楽しんでもらいたい。そうやって未来が明るくなるほうがいいに決まっているから、逆算してやることを決めているという感じですね。

――毎週のようにSNSが炎上しても、動揺するどころか「日常的な炎上は暖炉のようなもの」とおっしゃっていたのも、そういう意味が含まれていたんですね。

西野 僕がやっていることは、思いつきでやっているわけでは決してないんですよ。毎日、友だちと朝まで議論して、他の人たちがコンパしたりゴルフ行ったりしている間、ずっと考えている。一番、自分たちが考えているっていう自負があるから、批判もすべて想定内です。

 でも、誰もやらないことを芸人がやると摩擦が生じるのって、おかしいと思うんですよ。テレビのレギュラー番組以外を降りたときも、大ブーイングされましたけど、芸人ってもっと自由だったはずなんです。それがいつからか教義化されて、“芸人かくあるべし”みたいな風潮が強くなってしまった。

 たとえば大喜利をしなきゃダメ、漫才コンクールに出なきゃダメ、バラエティ番組のひな壇でウケなきゃダメ、みたいな。そんななかで疑問を感じはじめて、みんながやらないことに最初に飛び込んでいくのも芸人の仕事のはずだと思ったから、じゃあ自分がやっちゃおう! 最初に行こう! みたいなノリでやり続けて今に至っています。

 芸人の映画監督も、小説家も、俳優も、ニュースキャスターも今は普通にいますけど、最初にやって叩かれた人たちのおかげで、活動の幅が広まってきたはずなんですよ。そういう歴史を忘れて、「芸人やからそんなことすんなよ!」って叱る先輩方がいるので、いつも「うるせぇ!」って思ってますね(笑)。芸人の新しい可能性をつぶしちゃダメですよ。

――仕事のためにやりたいことを我慢するのは当たり前、と思っている社会人は多いと思います。西野さんの著書『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』にも書いてありましたが、自分がやりたくない仕事もお金のためにやらなきゃいけなくて、ストレス=お金みたいな構図になっている社会を疑問視されていますね。

西野 それは本当におかしいと思うんです。これまでの時代はストレスの対価がお金でも仕方なかったですけど、これからはストレスがかかる仕事の多くをロボットが代わりにやってくれるようになるから、その構図は破綻しますよね。だから、みんなもっと好きなことをやったほうがいい。昔みたいに、「好きなことばかりして生きていけるほど世の中は甘くない」という言葉も今は古くて、これからは好きで楽しいことが仕事になる職業を増やしていかなきゃダメだと思います。

 今、お金のためにイヤなことを我慢してやっている人は、「俺もつらい思いをしているんだからお前も我慢しろ」という風に考えがちなので、そういった自分のストレスからくる批判や炎上は無視して進めていかないと、楽しい未来はやってきません。【後編】へつづく。

床に座って描くことも多いそう

取材・文=樺山美夏 写真=花村謙太朗

 

『えんとつ町のプペル』

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『オルゴールワールド』
(にしのあきひろ/幻冬舎)
僕が恋した少女は、「好き」という言葉がない国で育った。けれど、少女は、僕の知らない美しい音楽を知っていた―。世界をひとつにする魔法を見つけた、ちっぽけな僕たちの物語。タモリの発案を、キングコング西野が、過去最高の純度でモノクロームの絵本に。

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『Dr.インクの星空キネマ』
(にしのあきひろ/幻冬舎)
どうして星は流れるの?どうして人は夢を見るの?丘の天文台にひとりで暮らすおじいさん、時代遅れのハシゴ屋さん、村人から恐れられているバケモノ、世界中のみんなのために“夢の脚本”を書き続ける人―。それぞれの思いで毎日星空を見上げる孤独な人たちが、小さな幸せを見つける感動のファンタジー。星空を見ることを忘れてしまったあなたへ―。大人が泣く。子供が微笑む。優しさが心に沁みる物語。

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(更新日:2017年4月19日)

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