鳥谷敬が1年遅れで超変革! 9試合連続安打、打率.441で阪神を引っ張る!!
鳥谷敬が1年遅れで超変革! 9試合連続安打、打率.441で阪神を引っ張る!!
 鳥谷敬が打つと、なぜか「ホッ」とするという阪神ファンが多いのではないだろうか。 昨年は鳥谷にとって最悪のシーズンとなった。打率はプロ13年間で最低の.236。連続試合フルイニング出場も途切れ、チームの不調の原因は鳥谷の不振にあると、キャプテンとしての責任も問われた1年だった。

 しかし、今シーズンは開幕から9試合連続安打をマーク。打率は.441とセ・リーグトップを走り、絶好調でチームを引っ張る。

 キャプテンマークは福留孝介に譲った。遊撃から三塁にコンバートされ、打順もクリーンアップからはずれ6番に座る。

 昨シーズンの金本知憲監督は、「鳥谷が変わらなければ」と鳥谷の名を真っ先に挙げてチームの超変革を始めたが、今シーズンは鳥谷に言及することが少なくなった。

 首脳陣もファンも、そっと鳥谷を見つめている。果たして、鳥谷はこの調子を維持しながらシーズンを突っ走れるのだろうか。

(※成績は4月12日現在)

◎鳥谷は鳥谷らしく

「俺たちは今シーズンが勝負の年」

 開幕前、鳥谷が早稲田大の後輩にあたるチームメイトの上本博紀にかけた言葉だ。その言葉を胸に上本もオープン戦から絶好調をキープ。ペナントレースに入っても二塁のレギュラーに定着し、打率.343と2番打者としての働きを十二分に果たしている。

 鳥谷が声をかけるのは、上本だけではない。昨シーズンもベンチで、ノックアウトされた藤浪晋太郎をはじめ、投手陣に声をかけるシーンを何度も目にした。

 派手なパフォーマンスでチームを引っ張るリーダーもいれば、鳥谷のように静かに声をかけ勇気づけるリーダーがいてもいい。

 「鳥谷は鳥谷らしく」でいいのだ。

◎14年目にして覚醒した感がある

 昨シーズンは、キャンプから右方向への強い打球を意識し、引っ張る打撃にこだわった。そのためリズムを崩し、元の姿に戻ることはなかった。

 しかし今シーズンは、開幕から広角にうまく打ち分ける打撃が目立つ。

 鳥谷は元々、左利きの選手だ。プロ野球では「右投左打」の選手が多いが、元々右利きだった選手が少年野球時代に左打ちに変更したケースがほとんど。しかし、鳥谷は生まれながらの「右投左打」という珍しいタイプなのだ。

 よって、右利きの選手が右手で引っ張るのとは違い、鳥谷は左手の押し込みが強い。打球が左中間深くに強く飛ぶことが、鳥谷の調子のバロメーターと言われているように、元来、左手で押し込む形の方が性に合っているのかもしれない。

 その鳥谷が今シーズンは、体を開き気味に構え、投手と正対。ポイントを前に置いて、インコースのボールを右方向に強烈に引っ張る打球が増えた。鳥谷らしい糸を引いたようなライナー性の打球を目にすることが多くなった。

 昨シーズンの不振が鳥谷を14年目にして初めて覚醒させたのだろうか。


◎いい意味で変わって欲しい今シーズン

 今シーズンに限っては鳥谷の復活は新戦力に等しい効果があり、チーム力を限りなく押し上げている。

 遊撃のポジションは、キャンプで競り合った北條史也に譲り渡したが、これも「チームの将来ため」と考えれば、鳥谷としては納得のいくコンバートだったのかもしれない。

 それよりも、「どのポジションでも任せられたところをやるだけ」と鳥谷自身が発しているように、フォア・ザ・チームの精神で慣れない三塁を懸命にこなす姿には胸を打たれる。

 チームにとっては数少ない生え抜きのベテラン選手で、将来の幹部候補生でもある。

 1年遅れたが、鳥谷にとって今年が、いい意味で「変われた」シーズンとなって欲しい。


 文=まろ麻呂
企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。

(更新日:2017年4月17日)

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