レアな日本酒をいろいろ飲めるのに、全然ハードルが高くないお店【ヒョイ飲み】
レアな日本酒をいろいろ飲めるのに、全然ハードルが高くないお店【ヒョイ飲み】
日本酒はハードルが高い。
どうもそういうイメージが拭えないんですよね。飲んでみると、いろいろ味が違うのはわかる。はっきりわかる。濃いのやら、酸味が強いのやら、甘みがあるのやら、それぞれに個性があるのだな、ということはわかります。どれも同じだとは思わない。

日本酒はハードルが高い。

どうもそういうイメージが拭えないんですよね。飲んでみると、いろいろ味が違うのはわかる。はっきりわかる。濃いのやら、酸味が強いのやら、甘みがあるのやら、それぞれに個性があるのだな、ということはわかります。どれも同じだとは思わない。

でも、どれがおいしいのかと言われるとよくわからない。

ちょっと品ぞろえのいいお店で日本酒でも飲むかって時も、つい聞いたことのある銘柄を頼んでしまったりするわけです。
じゃあ、実際にいろいろ飲んで、自分に合うのを探してみればいいとも思うのですが、「日本酒に力入れてます」ってお店って、生半可な知識で行くと、恥ずかしい思いをしそうで足がすくんでしまいます。

ところが、レアな日本酒をいろいろ飲めるのに、全然ハードルが高くないというお店があったんですよ。

それも、僕の仕事場のすぐ近所に。


そもそも、このお店との出合いは、昼ごはん何食べようかなとウロウロしていた時でした。いつもはにぎやかな駅の方に行くんですが、その日はいつもと違う方面で探してみました。大久保方面にちょと行ったところに都営の団地がありまして、その一階に飲食店がいくつか並んでいるんですね。

その中に、オレンジ色の看板が目を引くお店がありました。ホワイトボードや窓ガラスにいろいろ書かれていたり、ランチメニューがたくさんあったりで、まぁ、ずいぶんカジュアルなムードなわけです。

おそば屋さんのようですが、ランチメニューを見ると「マヨカラ丼セット」とか「角煮丼セット」とか「天丼セット」とか「カツカレーセット」とか、そういう感じのセットがいっぱい。

うん、これはおれの好きなタイプのお店だと思いまして、その日は、「天丼 + そばセット」(850円・税込)をいただいたわけです。そばもコシがあっておいしいし、天ぷらもボリュームがあって、満足満足。店内もシンプルなテーブルとパイプ椅子の、まぁ、大変カジュアルな内装なわけですね。あれですよ、学食っぽいというか屋台っぽいというか。

しかし、店内に貼られているはり紙やテーブルの上のメニュー表を見ると、やたらといろんな日本酒のことが書いてあるのです。

あれ、そういえば、「そば居酒屋」って書いてあったな。え、ここ、日本酒に力入れてるお店なの?

失礼ながら、ちょっとそういうムードじゃないんですよね。「山盛りカレーでお腹いっぱい!」「ビール 200円(税別)! いや、本当はビールじゃなくて発泡酒なんだけどね」みたいな感じ。ハードルが大変低いお店なわけですよ。

え、それなのに日本酒がいっぱい? これなら気負わずに日本酒をいろいろ試せるんじゃないの? と、思ったわけです。

はい、前置きが長くてすいません。そんなわけで行ってきました、高田馬場「そば居酒屋 太閤」。友人のカメラマン・ねじ君と一緒に。

日本酒好きにとって天国みたいなお店

昼ごはんを食べに来た時は気づかなかったんですが、二階にテーブル席もあるんですね、ちょっとロフト風の。よし、今日はちょっと腰を落ち着けて飲みたいので、テーブル席を陣取っちゃいますよ。

(※写真内の価格は税別表示です)

さぁ、何を飲もうかな。日本酒メニューを見ると、まぁ、びっしりとリストになっているんですが、知った銘柄が全然ない。さぁ、どうしよう。と、言うか、個人的にはいきなり日本酒よりも、ビールで喉を潤しておきたいんだよね。でも日本酒のお店で、それは怒られちゃうかな……。

▲いろいろ親切に教えてくださった、店主の國井勇司さん。名刺には「繁忙長官」という肩書が……

なんて、思ってたら、店主の國井さんが「最初はこれから行くお客さん、多いんですよ」と教えてくれたのが、「太閤☆晩酌セット」。生ビールかハイボール、酎ハイなどのサワー類一杯に、つまみ二品を選べて980円(税別)。

(※写真内の価格は税別表示です)

いいじゃないですか。これで行きましょう。

これまたカジュアルなセットだなー。かつおのたたきポン酢と、珍しいさきいかの天ぷら、とり皮串に枝豆と行きましょうか。二人だと四品も頼めて、もうこれだけで十分な感じじゃないですか。

▲かんぱーい

てなわけで、乾杯です。あー、なんだかんだ言っても、ビールうめぇ。一杯目はやっぱりビールだなー。

▲グビグビグビ

▲あー、キショーメ! とか意味のない叫びを上げたくなります

あと、このさきいかの天ぷら、初めて食べたけど面白い味ですね。イカ天のようで、やっぱりさきいかという。これは酒が進んじゃういけないつまみだ。

ビールを飲みつつ、次に飲むべき日本酒を検討します。んー、どれがいいんだか、さっぱりわかんないな。何しろ約70種類もあるというんですから。

(※写真内の価格は税別表示です)

「じゃあ、まずこの日替わりのサービスから選ぶといいと思いますよ」と、國井さんが、また助け舟。なんと五種類を一杯 250円(税別)で提供してると言うんですね。

「それじゃあ、春らしく、『大人のピーチジュース』というたかちよ行ってみるかな」
「じゃあ、僕は『お花見ロマン』というロ万で」

このお店の日本酒は一杯が70mlと少なめなんですね。少なめで安価で提供しているので、その分、何種類も飲んで欲しいということらしいです。了解です。じゃあ、何種類も飲んでやろうじゃないですか。

まずは、たかちよ(生原酒・新潟県)から。

お、これは濃厚ですね。

生原酒だからか。喉にグイっと来る感じです。

「ロ万は、爽やかな口当たりですね。これはいくらでも飲める感じ。やばいわー」と、ねじ君。

両方飲み比べます。二人だと、二倍飲み比べが出来るってことですよ。

さて、何種類飲めるかな。

しかし、やっぱり日本酒飲むと、魚が食べたくなってきますね。さっきのかつおのたたきポン酢が大変おいしかったから、この「完全ワラ焼き竜馬タタキ」(800円・税別)っての行ってみましょうかね。お店のオススメっぽいし。

おお、分厚い。んー、カツオうめぇ。

そして口の中にカツオの風味が残ってるところに追っかけて飲む日本酒、最高。

▲痛がってるのではなくて、うまくてうなっているのです

次はどうしようかな。こういう時はセットに頼るのがいいんですよね。

オススメでもあるわけだから。

(※写真内の価格は税別表示です)

「これ、いいんじゃない? 『』利き酒セット 1,130円(税別)。同じ酒だけど、元になってる酒米が違うという奴」

備前雄町きたしずく山田錦っていうのが、酒米の種類なんですかね。山田錦しか聞いたことないなぁ」

ドーンと来ました「」三種。

ラベルが色違いデザインというのがオシャレですね。さて僕らに味の違いがわかるでしょうか。

▲なみなみと注がれるので、口からお迎えは必須です

「あ、全然違うんだ。濃さというか厚みというか」

「けっこうフルーティですね」

濃さで言うと、山田錦・備前雄町・きたしずく、の順ですかね。個人的には、きたしずくのが、飲みやすくておいしかった。

「あー、なるほど、こう飲み比べてみると、違いがあるのがちゃんとわかるなぁ」

「しかし、あれですね。僕と安田さんって、酒を飲むといつもゲスい話ばっかりしてるじゃないですか」

「そうだねぇ。ねじ君とは下品な話しかしないよねぇ」

「でも、いい酒飲んでると、そういう話にならないですねぇ」

「いい酒、恐るべし」

「恐るべし」

▲メニューを見ながら悩むのも楽しいんですよね

もうどんどん行っちゃいましょう。さて、どれにしようかな。ちょっと変わったの行ってみたいですね。

「この鍋島っていうの、確か激レアなんですよ。前に飲み屋さんでそう聞きました。飲みましょう、飲みましょう」

実は意外に日本酒通なねじ君。確かにメニューにも「超限定!!」と書かれています。そういうのに弱いんです。激レアでも 580円(税別)となると、試してみようと思うじゃないですか。

「あと変わったのというと、ミッシェル死神ですかね」

また國井さんが助け舟。はい、じゃあ、それもお願いします。ミッシェル 430円(税別)、死神 400円(税別)。こちらもリーズナブルですね。どっちも名前からして変わってます。

▲個性的な3つの一升瓶が並びます

まずは鍋島。佐賀のお酒ですね。実はこれも山田穂短稈渡船きたしずくと三種類の酒米のバージョンがあるのですが、とりあえず短稈渡船のにしてみました。

特に理由はありませんが。

「あー、純米大吟醸だけあってフルーティでふくよかな味わいだねぇ」とか、ちょっとわかったような事をつぶやいてみましたが、すいません、本当はうめぇ、うめぇと一気に飲み干しちゃいました。

そして死神。物騒な名前のお酒ですが、これはさらに別バージョンの「裏死神」なんだそうです。ああ、たしかにラベルの文字が裏返しになってるわ。シャープな辛口で、かつ濃厚という感じでしょうか。これもうめぇ、うめぇと一気飲み。

最後はミッシェル。名前も日本酒っぽくないけど、ボトルも完全にワイン。そして飲んでみると……。

「これ、ワインだよね」

「完全にワインですね」

「間違えて白ワイン出してきたんじゃないの?」

「でも、ちゃんと原材料:米、米こうじって書いてありますよ」

「日本酒なんだ……」

本当にびっくりするくらいワインのような味わいでした。

いやー、いろいろあって楽しいなぁ。

しかし、さすがにいい加減に酔いが回ってきました。少量づつと言っても、これだけ代わる代わる飲んでると、効いてきますね。

日本酒飲んだ後の締めといったら、やっぱり日本そばですよね。日本そばで締めるというのがやりたくて、おそば屋さんで酒を飲んだりするくらいですから。

太閤は、「そば居酒屋」というわけですから、もちろんそばもあります。

普通のもりそばと、さくらそばを頼みました。どちらも450円(税込)。

「そばをつまみに日本酒ってのもいいんだよね」

「え、まだ飲むんですか?」

「飲まないの?」

「飲みましょうか」

とどめに山形の秀鳳(360円・税別)と神奈川の相模灘(350円・税別)も行っちゃいましたよ。

もうこうなると止まらないんですよ。

普通は日本酒って、どんなにおいしくても飲み続けてると飽きてくるんですが、こうやってちょっとずつで、しかもそれぞれ味が全然違うので、いくらでも飲んでいられるんですよね。それはそれで危険という気もしますが(笑)。

秀鳳は、ふうわりとした甘さがあり、相模灘はお米のうま味がしっかり伝わってくる感じ。そんな日本酒を喉に通した後に、そばを一気にすするのです。口の中いっぱいに広がるそばの香りとつゆのしょっぱさ、そして冷たい喉越しがなんとも心地よい。そこに、また日本酒。そして、そば。そうやって繰り返していくと、もう止まらない。

あっという間に、酒もそばも空になりました。

▲そばを食って……

▲酒を飲む。最高

▲もちろん、最後はそば湯で締める。超最高

しかし、なんでしょうか、この多幸感。

他の酒の酔い方とは、また違って、なんか温かいというか、ほんわかするというか、そういう気持ちになるんですよね、日本酒。

今回はセットを頼んだり、店長さんにおすすめを聞いちゃったりして選んでいったわけですが、それなら知識がなくてもちゃんとおいしい酒を飲めるんですよね。

変に知ったかぶりせずに、素直にお店に任せちゃった方が正解ということでしょう。

いやー、しかし気持ちがいいな。あんまり気持ちがよかったので、この後もさらに二軒ハシゴして、延々と飲み続けてしまいました。

もう全然「ヒョイ飲み」じゃないですね。ズブズブ飲みですね。

すいません。

お店情報

そば居酒屋 太閤

住所:東京都新宿区大久保3-9-5 西大久保アパート5号棟116
電話番号:03-3207-6868
営業時間:11:00~14:30 17:00〜24:00(LO 23:00)、日曜日・祝日17:00〜23:00(LO 22:00)
定休日:土曜日
Facebook:https://www.facebook.com/taiko8771/

※この記事は2017年3月の情報です。

書いた人:安田理央

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

Twitter:@rioysd


(更新日:2017年4月16日)

Series シリーズ

Ranking/人気の記事(グルメ)

dマーケットの「話題のドラマ・映画特集」

Pick up ピックアップ

人気キーワード

Category カテゴリー

HOME