「こんな時には笑おうよ」突然起きた不幸に母の言葉で立ち向かう、家族の再生物語 妻夫木聡主演映画『ぼくたちの家族』
「こんな時には笑おうよ」突然起きた不幸に母の言葉で立ち向かう、家族の再生物語 妻夫木聡主演映画『ぼくたちの家族』
「舟を編む」で数々の映画賞を受賞した石井裕也監督が描く、家族の物語。お母さんが突然の余命宣告を受け、これをきっかけに家族のボロが出るわ、出るわの崖っぷち展開に! 行き詰まった家族に残されたものは……家族の絆! そこから起死回生の家族の再生が始まります。普通の家庭に起きた怒涛の1週間を、リアルな現実を盛り込みつつ、明日に向かって歩んでいく家族の姿が描かれ、親の気持ちも、子の気持ちも、丁寧に汲み上げた感動作品です。

本作の中心となる若菜家は、どこの町にもいそうなごくごく普通の4人家族。長塚京三、原田美枝子、妻夫木聡、池松壮亮が若菜家の家族を演じます。いざという時に頼りにならないお父さん、2人の息子の兄弟関係には微妙な距離があり、はっきり言ってこの家の男たちはダメダメ感に満ちていますが、救いは「こんな時には笑おうよ」が口癖のお母さん! そんな妻=母のために、家族が思いを1つにして奮闘します!

あらすじ紹介

小さな会社を経営している若菜克明(長塚京三)と妻の若菜玲子(原田美枝子)は、子育てもひと段落し、郊外の一軒家に2人で暮らしています。長男の若菜浩介(妻夫木聡)は結婚し、嫁の若菜深雪(黒川芽以)は妊娠3ヶ月に入ったばかり。次男の若菜俊平(池松壮亮)は都内で1人暮らしをしている大学生です。明るく朗らかな玲子は、最近物忘れが激しく、言動もおかしい…。克明と浩介に付き添われ病院に検査に行くと、脳腫瘍が7つも見つかり、医者から1週間の余命宣告を受けてしまいます。

克明は「1週間ってなんの単位だ!」と取り乱し、夫として、父として、まったく頼りにならないどころか、会社の負債が6500万円、自宅のローンが1200万円も残っていて、さらに玲子がサラ金から300万円を借りていることが発覚します。玲子の入院費すら捻出するのが難しい経済状況。自己破産すればいい、と俊平が提案しますが、家のローンは浩介が連帯保証人になっているというシビアな現実に直面します。

そんな中、俊平が玲子のカルテを持って次の受け入れ先の病院探しに奔走すると、玲子の病気が脳腫瘍ではなく、治療の余地があるリンパ腫だということがわかり…。

普通に見えた若菜家…現実を知らされた息子達の気持ちを思うと、キツイ…

会社の経営状況は悪化しているのに、バブル期の生活を続けていた克明。中学の時に引きこもり経験があり、いまだに家族に気を使わせている浩介。家の経済状況も知らず、留年している身で小遣いを無心する俊平。玲子は生活費のために、サラ金からお金を借りていたという現実。この家族関係はとっくにバラバラだったという残酷な一面が描かれ、だからこそ、この家族を襲った不幸は、誰にでも起こりうることだし、いや、もうすでに起きていることに気付いていないだけなのかも…と、観ている方は非常に居心地の悪さを感じます。

「こんな時には笑おうよ」。母の言葉は、家族に伝わるのか!?

結果、治療ができる病気だということがわかり、ほっとしたのもつかの間。この先、この家族はどう生きていくのか、という次なる試練が待っています。克明は自宅を処分することにし、浩介は実家のローンを背負うこと決心します。そして俊平は、大学を辞めて克明の会社に入って経営を手伝うことをことを決意し…。昨日までの生活が一転、でも、悲壮感がない! それは玲子の口癖である「こんな時には笑おうよ」というセリフに集約されるように、家族それぞれが後ろを向かずに、苦難を乗り越えようと奮闘する姿が描かれているから。

突然起きてしまう不幸、積み重なった負の連鎖を目の前にした時、泣いても嘆いても状況は何も変わらない。ならば、こういう時こそ笑って乗り越えようよ、というメッセージが心に響きます!

完璧な家族なんていない、普通に見えてもいろいろあるのが家族だと痛感し、自分の家族との間には、若菜家のようなしっかりした絆があるのかと、再確認したくなる映画なのです。

⇒映画「ぼくたちの家族」作品ページへ

(更新日:2017年4月14日)

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