もちろん、プロの投手も日々研究し、持ち球に磨きをかけ、より有効な変化球の習得を目指している。そんな“変化球界”の現状を考察してみたい。
◎小さな変化で打たせて取る
このところの“変化球界”で幅を利かせているのが、カットボールに代表される打者の手元で小さく変化するボール。空振りを取るというよりは、バットの芯を外したり、詰まらせたりしてゴロを打たせるのが主な目的だ。
握りは、縫い目に人差し指と中指を垂直にかけるストレート(フォーシーム)から、ややずらすのが一般的。その縫い目にかかる指の角度やリリース時の力の入れ具合によって変化の幅が違ってくる。
昨季、鮮やかな復活を遂げた松坂大輔(中日)は、メジャー仕込みのカットボールをコーナーに投げ分け、打者を料理するシーンが目立った。
また、3年連続沢村賞で、いまや日本を代表する投手となった菅野智之(巨人)もカットボールを有効に使う。菅野は、ストレート、スライダー、カットボールが投球の大半を占める投手だが、その3種類を、球速と曲げ方に変化をつけながら打者を手玉に取っている。
ほかにも、カットボールを使う投手は多い。それだけ一般的になったということだろう。
◎昭和の変化球ではない!?
その一方で、見直されている変化球といえばカーブだろう。古くは江夏豊(元阪神ほか)や江川卓(元巨人)、工藤公康(元西武ほか)、桑田真澄(元巨人ほか)らが得意としていたように“昭和の変化球”といったイメージがあるが、最近では武田翔太や石川柊太(ともにソフトバンク)、岸孝之(楽天)などが効果的に使っている。
とくに石川のカーブは「パワーカーブ」と呼ばれ、人差し指と親指で挟むような握りから、回転をかけて投げる。変化が大きい割に球速は130キロ近く出ており、石川の場合は、そこに150キロのストレートがズドンとくる。苦しめられる打者が続出しているのもうなずける。
また、カーブの中でもやや特殊なパターンとなるのがナックルカーブだ。
このナックルカーブは、人差し指1本、または人差し指と中指の2本を起こして折り曲げるようにして握り、カーブのように回転をかけて投げるもの。曲げた指の先は、ツメをボールの縫い目に食い込ませる人もいれば、第一関節を手前に巻き込んで指の甲側をボールに押し当てるように握る人もいる。このあたりは投げる人のフィーリングによる。
通常のカーブよりもブレーキが効いた変化を見せるので、低めに決まれば空振りも奪えるウイニングショットとなる。
森唯斗、バンデンハーク、サファテ(ともにソフトバンク)、ディクソン(オリックス)、今季からヤクルトに復帰した五十嵐亮太らが持ち球としている。
◎タイミングを狂わす魔球!?
さらに、チェンジアップもかなり広まっている球種だ。
本来は、ストレートと同じように腕を振りながら、ボールを抜いて投げるのがチェンジアップ。打者は、ストレートと思って振りにいくと、想定したタイミングよりも遅れて球がくるため、泳がされてしまい、空振りや打ち損じとなってしまう。
ただ、握りと腕の振り方次第では、曲がりながら落ちるなどの変化を見せることもあって、「落ちるボール」という認識も定着しつつある。
一般的な投げ方は、ボールを5本の指でつかみ、中の3本の指は立てるようにして、そこから抜くような感じで腕を振る。チェンジアップの使い手として知られた杉内俊哉(元巨人ほか)は、人差し指と薬指で軽く挟むように握って、中指のところからボールを逃がすような投げ方だった。
さらに、親指と人差し指で挟みつつ抜いて投げるサークルチェンジ、中指と薬指の間から抜くバルカンチェンジなど、派生系も存在する。
◎変化球もボーダーレス時代
例えば山崎康晃(DeNA)が決め球として使うツーシーム。ボールの縫い目に沿って浅く挟む感じで投げるため、「あれはフォーク」という解説者も多い。
また、スライダーと一口に言っても、投手ごとに変化のパターンは様々で、タテスラ、真っスラ、スラーブ、高速スライダーなど、呼び方も多岐にわたる。厳密に線引きするのは難しい。
ファンとしては、「今のはスライダーかな?」「いや、カットボールじゃない?」などと思いを巡らしながら楽しむのがいいのかもしれない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)
【新しい球がなくなった“今”の変化球事情】松坂大輔の小さく動く球に石川柊太によるカーブの復権。そしてボーダーレス化…
更新日:2019年3月7日
TOPICS
-
井戸田潤、スピードワゴンの限界を告白
-
オリラジ藤森、独立後に驚いたギャラ事情
-
広瀬アリス「じゃないほう女優」の逆襲!
-
ローランド、弟の極貧生活知りまさかの発言
-
前田敦子が目指す離婚成立後の“女優活動”
-
【2020最新版】Amazonプライムビデオで見放題のおすすめ映画
-
初心者でも「シン・エヴァ」が100倍楽しめる!復習すべき映画を解説エンタメウィーク(映画)
-
石原さとみの色気ムンムンな出演映画4選エンタメウィーク(映画)
-
【2021年公開映画】ヒット間違いなし!これから上映予定の注目映画まとめエンタメウィーク(映画)
-
長澤まさみの色気ダダ漏れ!大人の魅力あふれる出演映画6選エンタメウィーク(映画)
-
【名作映画】歴代「日本アカデミー賞」最優秀作品賞まとめエンタメウィーク(映画)
-
土屋太鳳と竹内涼真がW主演する青春映画「青空エール」(2016)エンタメウィーク(映画)
-
広瀬すずのダンスにうっとり!「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」(2017)エンタメウィーク(映画)
-
規格外の強さが魅力の異世界ファンタジー!『賢者の孫~究極魔法伝説~』エンタメウィーク編集部
-
【映画ランキング】菅田将暉と有村架純が紡ぐ不滅のラブストーリー「花束みたいな恋をした」が超ヒット!注目作品TOP10はコチラエンタメウィーク(映画)
-
小池栄子、ウーバーイーツ代表の前で堂々と苦言!「よく言ってくれた!」エンタメウィーク(芸能)
-
パンサー尾形の妻、悲しみのあまり立ち尽くす「突然なくなるなんて…」エンタメウィーク(芸能)
-
パンサー尾形の妻「突然、激しい目眩と吐き気」 診断結果明かし心配の声続々エンタメウィーク(芸能)
-
東野幸治、視聴者から「二度と関西に来るな」 叩かれすぎて番組終了も視野にエンタメウィーク(芸能)
-
陣内智則に陰湿なイジメ!?番組スタッフの悪ノリに千原ジュニア「退治せなアカン鬼がいる」エンタメウィーク(芸能)
-
上白石萌音、「恋つづ」で共演した佐藤健と結婚!?「匂わせに、ほっこりしちゃう」エンタメウィーク(芸能)
-
上白石萌音の主演ドラマ、視聴率がダウン!原因は主人公の仕事ぶりにあり!?エンタメウィーク(芸能)
-
重盛さと美「コロナじゃなかったらデートしてた」 そのお相手は…!?エンタメウィーク(芸能)
-
里田まい、夫・田中将大の影響でインスタのフォロワー数激増!!Paboの勝ち組に!?エンタメウィーク(芸能)
-
吉岡里帆がセクシー写真を公開!ファン「胸の谷間が……」エンタメウィーク(芸能)
-
小林礼奈が再婚!?離婚後4か月のぶっ飛んだ行動に「理解に苦しむ」の声エンタメウィーク(芸能)
-
アンガ田中が激怒!?インテリ美女の「気持ち悪い」発言に批判殺到したワケエンタメウィーク(芸能)
-
小柳ルミ子の元夫・大澄賢也は今もバリバリ現役!社長としても活躍中!!エンタメウィーク(芸能)
-
高橋みなみ、「わからない」を連発して不興を買う!「この人がいる意味が一番わからない」エンタメウィーク(芸能)
-
石原さとみ、コロナ感染発表の時期に批判噴出!未発表だったドラマの情報も漏れて散々!?エンタメウィーク(芸能)
-
白石麻衣、まさかの占い結果にファン悲鳴!「17歳が初体験かよ~」エンタメウィーク(芸能)
-
島田秀平、交通事故の夢が現実に!?「公衆トイレで血だらけに…」エンタメウィーク(芸能)
-
EXIT兼近、『お母さん食堂』批判にバッサリ「文句を言うのはお門違い」エンタメウィーク(芸能)
-
近藤春菜、「はるな界」の存在明かす!メンバーは川口春奈のほかに…!?エンタメウィーク(芸能)
-
ピース綾部、NY生活明かし…又吉に「8万円仕送りお願いします」エンタメウィーク(芸能)
-
【ついに登場】エンタメウィークがアプリで読みやすくなりました!エンタメウィーク編集部
-
ニュースを読んで毎日dポイントをGET!
-
【見せるだけ】簡単おトクな割引クーポンをGET★お近くのお店で今すぐ使える