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目黒蓮は“喪失”とどう向き合う? 『silent』経て初の父親役に挑む『海のはじまり』への期待

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Snow Man

 2022年に“社会現象”まで巻き起こしたドラマ『silent』(フジテレビ系)のチームが2024年7月期の「月9」にて再集結するという。しかも主演は同作での演技が好評を博した目黒蓮。タイトルは『海のはじまり』である。

参考:Snow Man 目黒蓮、フジ月9ドラマ初主演で初の父親役に 『silent』チームと再タッグ

 脚本・生方美久、演出・風間太樹、プロデュース・村瀬健の三者が揃い、目黒が看板を背負う本作。ドラマファンの誰もが期待せずにはいられぬ作品なのは間違いないが、具体的にそれはどういったところだろうか。

 『海のはじまり』が描くのは、“親子の愛”を通して見えてくる家族の物語。7年前に恋人の南雲水季から一方的に別れを告げられた主人公・月岡夏(目黒蓮)は、友人からの連絡で彼女が亡くなったことを知り、その葬式での場で水季の娘と出会うことに。やがて彼は、「海」という名の幼い女の子の父親は自分なのだと知る。“喪失”からはじまるドラマは、どこへ向かうのだろうか。なぜ、水季は夏との子を身ごもっていながら一方的に別れを告げたのか。なぜ彼女はひとりで娘の海を育ててきたのか。そしてなぜ、水季は亡くなったのか。いくつもの「why(なぜ)」が生じる作品だ。

 物語に深く言及するのはここでは控えておきたい。やはり、はじまってみないことには分からないのだから。それにしても、設定からしてかなり切ないものとなりそうだ。2024年の夏に、いったいどんなストーリーが展開していくのだろうか。

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 脚本を手がける生方とプロデューサーの村瀬は、2023年10月期に放送された木曜劇場『いちばんすきな花』(フジテレビ系)でもタッグを組んでいた。川口春奈が主演を務めた『silent』はラブストーリーを軸としながら人間同士の心の結びつきを描いたものだったが、同作はさらにその先へ。多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠の4名が主演を務め、それぞれのキャラクターの心の動きがユニークな会話劇を生み出していた。

 今作『海のはじまり』は“喪失”を起点とした物語が展開するのだと先述したが、思い返せば『silent』も『いちばんすきな花』も、ある種の“喪失”が物語の根幹をなしている作品だった。前者は主人公・青羽紬(川口春奈)が恋人の佐倉想(目黒蓮)から別れを告げられるところからスタートし、別れの理由が佐倉の聴力の喪失であったことが分かった。一方の後者は、さまざまな喪失を経験した者たちが織り成すドラマだったといえる。 

 “喪失”というものにどう向き合うかーー。『海のはじまり』で描かれるのもこれなのではないだろうか。

 さて、注目すべきは物語だけでなく、やはり主演の目黒の存在もだろう。彼が演じる夏は、かなり複雑な環境下に置かれた人物である。愛する人が自分の元から去っていき、7年の時を経て彼女との“特別な関係”がはじまるのだ。繊細さが求められる役どころであるのはいうまでもないが、『silent』を経験した彼ならあらゆる期待に応えてくれるはず。映画『月の満ち欠け』(2022年)ではいつまでもひとりの女性を想い続ける男性を好演し、ヒットに貢献していたことが記憶に新しい。初の“父親役”ということだが、夏は一般的な父親とはやはり違う。戸惑いながらも少しずつ父親の顔になっていく過程を目黒は見せてくれるのではないか。

 目黒は本作の台本や夏という役について「やはり制作チームが僕のことを熟知していただいているということもあって、僕自身、自然と共感できる役柄だなと感じました。脚本を作る段階からたくさん話し合いもしました。ただ、やはり自分とは違う感性や言動ももちろんあるのでどれだけ、夏という1人の人間を新しく生み出せるか」と述べている。(※)密なクリエイションにより誕生する作品が、早くも待ち遠しいものである。

参照
※ https://realsound.jp/movie/2024/05/post-1654368.html
(文=折田侑駿)

 
   

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