「蛇行剣」「盾形銅鏡」「三角縁神獣鏡」などが次々と発見されている富雄丸山古墳
昨年から今年にかけて、国宝級の副葬品が次々と発見されている日本最大の円墳、富雄丸山古墳。そこには誰が眠っているのか? その謎に迫った!
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■最大の円墳、最長の剣、特殊な盾を持つ人物とは?奈良県の富雄丸山古墳で、国宝級の副葬品が相次いで発見されている。
昨年はヘビのようにクネクネと曲がった2m37㎝の「蛇行剣」と、防具の盾のような形をした鏡「だ龍文盾形銅鏡」が出土した。
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また、今年3月には〝卑弥呼の鏡〟といわれる「三角縁神獣鏡」と思われるものも見つかった。ここには誰が埋葬されているのか。そして、これらの副葬品は何を意味するのか。
富雄丸山古墳は奈良県北部、奈良駅から車で20分程度の場所にある。現在の発掘調査は5月頃まで続くという
まずは、富雄丸山古墳がどんな古墳なのかを発掘調査を行なっている奈良市埋蔵文化財調査センターの柴原聡一郎氏に解説してもらった。
「富雄丸山古墳が造られたのは4世紀の後半です。この時代、地域の有力者が埋葬される古墳は鍵穴のような前方後円墳が普通です。しかし、富雄丸山古墳は丸い形をした円墳です。ただし、その直径は109mと大きく日本最大の円墳になります。
この富雄丸山古墳は3段造りになっているのですが、その墳頂(頂上)ではなく、造り出しと呼ばれる裾野の出っ張り部分から蛇行剣と盾形銅鏡、三角縁神獣鏡と思われる鏡が見つかりました」