『不死身ラヴァーズ』©2024「不死身ラヴァーズ」製作委員会 ©高木ユーナ／講談社5月10日に公開される松居大悟監督最新作『不死身ラヴァーズ』の新場面写真が公開された。
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本作は、高木ユーナの同名漫画を松居監督が構想10年をかけて実写映画化したラブストーリー。主人公・長谷部りのを本作が初の映画単独主演となる見上愛が演じ、りのの運命の相手役の甲野じゅん役を佐藤寛太が担当する。
公開された場面写真は、溌剌とした印象とはかけ離れた主人公・りの（見上愛）の姿を捉えたもの。物語の前半では「好き」を爆発させ、じゅんへの想いを伝えていくりのの、若さゆえの勢いや輝きが描かれているが、大学を迎えるとその心境に変化が訪れる。松居監督は「どこかで『好き好き』言いすぎる自分を俯瞰して、自分を嘲ってしまうようなところを作りたかった」と語るように、大学生のりのは、「好き」と想いを伝えながらも、どこか冷めて俯瞰してみたり、立ち止まっては進んでいくさまが描かれている。
一般試写会のトークショーのゲストで登場した奥浜レイラは「いくらでも噛めるガムのような作品。世代によって見え方や感想違うかも」と述べており、前田敦子演じる花森がりのと語るシーンについては「人生経験を積むと染みる」と感想を語った。
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さらにじゅんを演じた佐藤は「りのは、『私、無敵！』『恋って素敵！』みたいなキラキラとした最強の主人公キャラではなくて、悩んでいて、みっともなくて、だらしない。そういう暗い部分も持ち合わせているからこそ、彼女が笑うと胸がすごくキュンとするし、それは松居さんが描くヒロインたちに共通するもののようにも感じます」と分析し、「松居さんが描くと、他の作品ではすくい取れないような人間のダメで、みっともなくて、だらしなくて、うじうじしていて、情けなくてというような感情にもちゃんと、というか無理やりにでもスポットを当ててくる。目を背けたくなるような感情を対話の中で見せてくる」といい、それこそが「松居大悟の色」なのではないかと語っている。
一般試写会後のティーチインでは、前半のキラキラしたファンタジーからリアルに寄せていった意図について質問が飛んだ。松居監督は、前半のじゅんが「消える」シーンでは、ファンタジーのようなホラーのような演出を入れたことを述べつつ、後半ではキャラクターが画の中でフレームアウトするなど、意識的に「消える」画を撮影し、演出にもリアルを取り入れていったことを明かしている。
（文＝リアルサウンド編集部）
