味が濃くなってやがる……!
いや、実際タレの味は変わっていないのだが、そう感じたのはご飯が減ったせいかと思われる。小さいお茶碗に盛り盛りのご飯にタレをかけた時、タレは万有引力の法則にしたがい下に溜まる。ゆえに、一杯目を食べている時はタレが特に染みている部分は食べられない。表面を食べているような感じだな。
それが2杯目になるとちょうど良いポイントまで届く。さらに、ご飯が少なくなったことにより、肉が乗せやすくなり自由度が増す。それにより、半熟塩ゆでたまごの卵黄もよりご飯と一緒に楽しめるし、煮込み焼豚皿に付属する「赤い秘伝の粉」で味変してもOK。
・ラーメシの深淵
食べれば食べるほどに進化するその味は、手順のシンプルさとは裏腹の奥行がある。「最高! 全員やった方がいい!!」と大声で言うほどのものではないだけに、一蘭ファンがこそこそと楽しんで「ふふふ」とほくそ笑む気持ちも分かった。
人にオススメするほどではないが、なんとなくまたこっそり食べたくなる一蘭丼。まさしく裏メニューな味と言えるだろう。ラーメン屋の券売機に眠るメシ、略して「ラーメシ」。そこには券売機にないものもある。
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また1つ、ラーメシの可能性について教えられた。さすが一蘭。その奥行は深淵のようであった。ラーメシをのぞく時、ラーメシもまたこちらを覗いているのかもしれない。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.