さっそくメニューを見ると、見慣れない品々が並んでいる。少なくとも本家ルノアールとは、品揃えが全然違う。
お店の看板商品は、仏リムーザン地方の伝統菓子「クラフティ」。牛乳とたまごをベースにした生地にフルーツを入れてオーブンで焼き上げる素朴なスイーツなのだとか。ちなみにクラフティは、温かいものと冷たいもののいずれかを選べる。
食事メニューにはグラタンが4種用意されており、パングラタンかライスグラタンをチョイスできる。
モーニングもオシャレ、南仏がテーマなのでパンはトースト(食パン)ではなくクロワッサン。
注文はスタッフに口頭で伝えることもできるけど、近頃どこのお店でも導入しているスマホオーダーを採用している。利用客に割と年配の方が多いので、口頭で注文するお客さんも多そうだな。
・思っていたのと少し違った…
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私は「きのことベーコンのクリームグラタン(温たまのせ)」をパングラタンで頼んだ。単品ではなく食後にクラフティ(温かいチョコクラフティ)のつくセット(税込1880円)だ。ドリンクセットも3種類あり、注文できるドリンクによって値段が異なっている。それにミニサラダ(税込200円)も追加で注文している。
オーダーしてから提供までに結構時間がかかっている。グラタンという料理の性質上、提供に時間がかかるのは仕方がないかも。だいたい20分は待ったかな。そのグラタンには、パン・ベーコン・きのこ・かぼちゃが入っている。
今日は夏日で最高気温は25度。グラタンを食べるには適した気温とは言えないのだが、それでもチーズとホワイトソースをしっかり絡めたパンを頬張ると、心がほっこりと和む。家庭的だったといわれる、ルノワールの伴侶、アリーヌの人柄を想像できるような素朴な優しい味だ。
セットのクラフティを待っていたら、追加で頼んだ「ホワイトチーズテリーヌ」(税込800円)が先に来てしまった。クラフティも温めに時間がかかるんだろうなあ。
酸味が強くチーズのコクもしっかりと味わえる。とろけるような口当たりとこっくりとした甘さで、コーヒーの苦味との相性も良い。
スイーツはすべて手作り。このお店のためにオリジナルレシピを開発し、生地作りから焼き上げまで店舗で一貫して行っているそうだ。
テリーヌを食べ終わった頃にクラフティが出てきた。温かい「赤い果実のクラフティ」のチョコレート。トッピングにアイスを選んでいる。
「温かいチョコ」のクラフティだったので、私はてっきりフォンダンショコラやチョコレートブラウニーのような味を想像してしまっていた。だが、クラフティはそういう類のものではなく、あえていえばプリンに近い食感。生地は柔らかくトロリとしている。
思い描いたものとは違ってちょっと戸惑ってしまった。ようするにこれは温めたプリンと思って頂きたい。それにクランベリーとぶどうが入っている。温かいクラフティに冷たいアイスを乗っけると、溶けたアイスとの相乗効果で、さらに甘さが増して感じられる。
プリン好きの私としては、これは冷たいものを食べるべきだった。きっとその方が好みだったし、冷たい方がクラフティには合っている気がする。いかんせん初めて食べるものだから、味のイメージを見誤ってしまった……。
さてこのお店は、アリーヌの「1号店」と位置づけられている。ということは、今後お店が増える可能性もある。どちらかといえばルノアールは男性の利用客が多い印象なので、女性でも入りやすいブランドとしてアリーヌを作ったのかも。スイーツすべて手作りの挑戦的な店舗は、今後増えて行くのか? 展開が気になるところだ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 アリーヌ カフェ エ シュクルリ ぷらりと京王府中店
住所 東京都府中市府中町1-2-1 ぷらりと京王府中西1F
時間 7:00~22:00 日祝7:00~20:00