「二階議員は永田町でも名うての老獪さを持つ政治家です。世耕氏の離党に一枚かんでいてもおかしくない。鞍替え選挙で負ければ政治家生命がほぼ絶たれるだけに、立候補すらできないかもしれない、と読んだかもしれません。対して世耕議員は、即日の離党で潔さをアピールし、機先を制したつもりかもしれないが、現状では圧倒的に不利な立場にあると思います。なにせ和歌山2区は、〝二階王国〟と呼ばれるほど二階さんの影響力が大きい選挙区ですからね。何なら、2つの選挙区で長男と三男の兄弟W当選すら狙っている、と噂されるほど、地元を知り尽くしています」
前出・青山氏は、二階王国に付け入るスキはあると踏んで、世耕氏は背水の陣を敷くと見る。
「世耕議員は、勝算があると見ているはず。二階議員の長男は16年に地元・御坊市長選で落選して、ミソをつけています。もう1人の候補の三男は、裏金問題が発覚した事務所で秘書をしていました。『子供を応援する義理はない』と考える人も多いのが実情です。ミソギを済ませて、背水の陣で臨めば勝機もある。次が乾坤一擲の勝負だと腹をくくっているでしょう」
王の威光が勝つか、総理への執念が勝つか――。
(つづく)
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*世耕氏の画像は官邸HPより