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永江朗「ベストセラーを読み解く」「背広組」VS「制服組」防衛省内部の確執を描く!

アサ芸Biz

 近年、日本政府は安保政策を大きく変えている。典型的なのは、敵基地に対する攻撃能力を有するかどうかという問題だろう。仮に敵国が攻撃してきた場合、日本領土内だけで応戦するのか、それとも敵国まで攻めるのか。従来の日本政府は、敵国内の基地まで攻撃するのは、やりすぎだと考えてきた。それを近年は変えている。ひと言でいえば、アメリカの意向を受けて日本を戦争ができる国にしようというわけだ。

 本書で面白いのは、背広組は安保政策の変更に消極的なのに対し、制服組は積極的に描かれているところ。主人公と敵対する背広組のほうが、筆者には真っ当に見える。

【「防衛のインテリジェンス ある防衛省情報課長の物語本郷矢吹・著/1760円(ART NEXT)】

永江朗(ながえ・あきら):書評家・コラムニスト 58年、北海道生まれ。洋書輸入販売会社に勤務したのち、「宝島」などの編集者・ライターを経て93年よりライターに専念。「ダ・ヴィンチ」をはじめ、多くのメディアで連載中。

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