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04 Limited Sazabysがファンに送る最上級のエール “4”尽くしの『新生活応援GIG』

Real Sound

04 Limited Sazabys(撮影=ヤオタケシ)

 4月4日。4月1日が月曜日だった今年は、新生活から“04日目”でもあった。そんな日に、04 Limited Sazabysがファンクラブツアー『04 Limited Sazabys「YON TOWN tour 2024 ~新生活応援GIG~」』の東京公演を開催した。ツアーのサブタイトルは『新生活応援GIG』。その名の通り、通常のライブとは異なり、ファンを応援する企画も織り込まれたステージだ。

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 ファンクラブツアーとあって、フロアの熱量もいつも以上に高く感じられる。場内BGMのボリュームが上がり、開幕が近づく予感だけで大歓声が上がる。大きな期待に迎え入れられた4人は、KOUHEI(Dr/Cho)のドラムを合図に、「message」でこの日のライブをスタートさせた。一気に場内のテンションを引き上げると、さらに「fade」、「Alien」、「Utopia」とアグレッシブなナンバーを続けた。

 GEN(Ba/Vo)が「太客の皆さん、いつもありがとうございます。皆さんのおかげで飯が食えてると言っても過言じゃないです」と“町民”(ファンクラブ会員)への感謝を述べる。さらに新年度が始まっていることから、「ここにいるあいだは何者にもならなくていいんで、新生活一緒にみんなでグッと上げていきましょう。新学期になって新しい人が入ってきたり、好きだった人がいなくなったり、卒業したり、出たり入ったりしてると思いますけど、出たり入ったり……」と続けると、このくだりで次曲を予想したファンから歓声が上がる。この両思い感こそが、ファンクラブツアーだ。“出たり入ったり”な「in out」(2015年/メジャー1stシングル『TOY』収録)からは、「Any」(2012年/ライブ会場限定シングル『ANTENNA』収録)、「compact karma」(2013年/2ndミニアルバム『sonor』収録)、「midnight cruising」(2014年/3rdミニアルバム『monolith』収録)と、初期曲が連投され、町民は全身でレアな楽曲を楽しんでいた。

 するとここで、メンバーが「必勝」と書かれたハチマキを巻き、“新生活応援タイム”へ。さらに一緒に応援してくれる人として、「応援団だった人」や「部長だった人」をフロアから募る。その際、メンバーは町民に「いつも来てくれる人ですよね」と声をかけたり、愛のあるヤジに「うるせえ!」と笑いながら返したりと、まるで友達のような距離感で親密にコミュニケーションを取っていく。そして5人のファンをステージに上げると、事前に町民から募集した、応援してほしいことをピックアップ。4月から高校生になるという町民からの「友達を作ることを応援してほしい」とのメッセージを読み上げると、RYU-TA(Gt/Cho)が友達の作り方としてテンション高めの自己紹介を伝授する。

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 和やかな雰囲気が流れたところで、GENが「新生活、不安だと思いますけど、好きにやっちゃってくださいということで……」と告げてバンドは「Do it Do it」を贈った。4月から独立するという社会人の町民には「6年間もひとつの仕事を続けて頑張ってきたんで、独立してからもきっと大丈夫でしょう」と言葉を添えてMONGOL800の「DON’T WORRY BE HAPPY」のカバーを、初めて後輩ができるという会社員の町民には、HIROKAZ(Gt)が自身の後輩との接し方を振り返ったあと、GENの「自分が後輩だった時に『こういう先輩がいたらいいのにな』と思うような先輩に、自分がなればいいんじゃないかな」との言葉とともに「My HERO」を届ける。音楽だけでなく、言葉も添えて、さらには笑いや明るさも添えて応援する。これがフォーリミの応援だ。

 ライブ後半はGEN曰く“大人の時間”へ。「Night on」、「夕凪」、「kiki」と艶やかな楽曲群が続く。普段のライブではあまりセットリストには入ることのない曲も多くプレイされる『YON TOWN tour』。GENは「懐かしい曲をたくさんやるから、結構こちらは大変なんですけど」と言いつつも「皆さんに喜んでもらえたらなと思っています」と話していたが、その通り、ロート製薬「スキンアクア」CMソングとして起用されていた「Shine」をはじめ「imaginary」、「Sleepwalking」が続けられ、町民はレアな楽曲でありながらもイントロで気づき、そのたびに大喜びしていた。

 今年度の目標を聞かれたKOUHEIが「現状維持」と答えれば、GENも「年男だし、ここはどとんと……現状維持かな(笑)」と回答。笑いつつも、その意図を「本当に現状維持って難しいんですよね。ちょっとずつ進んでいるってことだからさ。本当に無理せず、みんなで一緒に進んでいきましょう」と自身の背中も押した。続けて「人生はまさに旅そのものだと思うんですけど、旅はね、別にはじめに決めた目的地にたどり着くことが旅自体の目的じゃない。荷物も重たいと疲れすぎちゃうから必要最低限でいいと思うし、はじめに思った場所に着かなくても、旅自体が人生の目的だと思うので、この旅を一緒にこれからも続けてください。よろしくお願いします」と町民への思いをあらためて告げた。

 そして「だって俺たちの旅はまだまだ続くしさ。だから、ただ、ただ……」と声を張り上げると、フロアから「先へ進め」と続けられる。そして〈あなたはあなたらしい/新しい夜明けを 夢にみてる〉と歌う「Feel」、〈足の向く方角へ/進め前に前に 観えてきたゴール〉とシンガロングが広がる「Keep going」を続けた。この日は『新生活応援GIG』と銘打たれてはいるけれど、フォーリミはいつだって日々を、人生を、応援してくれているのだ。

 アンコールでも引き続き本編で紹介できなかった便りをさらに読み上げると、そこには息子が大学生になるという40代からや、遠距離恋愛が始まる不安を抱えた人、初孫が生まれたという50代まで、幅広い年齢層からメッセージが届いていた。そんな現状をGENは「皆さんの人生にいろんな形で関われていることを誇りに思います」と噛みしめる。そして「新しくスタートするっていうことは、一度自分をリセットするっていうことなのかなと思うので、不安がつきまといますけど、今まであったものはすべて壊して一緒に進んでいけたらいいなと思います」と、あらためて新生活への応援を口にすると、バンドは“一度壊して進む”というメッセージを込めた「Buster call」を選曲。最後に「これからも一緒にこの街を作っていきましょう」と告げ「Give me」を愛情たっぷりに届けて、202“4”年のフォーリミの日のライブを締めくくった。

 この日、フロアとコミュニケーションを取ったり、応援してほしいことのメッセージを読んだりしながら、様々な年齢や職業の町民が集まっていることを実感していたフォーリミ。GENは「いろんな世代の方々に参加してもらってYON TOWNはすごくいい町になっています」と嬉しそうに話していた。さまざまな年代の人がいて、応援してほしい人もいれば、フォーリミと一緒に応援したい人もいて、初期の曲が好きな人もいれば、最新曲が好きな人もいて、“大人な曲”が好きな人もいれば、フレッシュな曲が好きな人もいる。身にまとっているグッズやライブの楽しみ方など、この日のフロアを見れば、さまざまな意味での幅広さは一目瞭然だった。彼らが旅をしながらゆっくり作り上げてきたYON TOWNは、誰にとっても居心地のいい街だった。

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