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『青い魚』で映画監督デビュー。ベルリン国際映画祭の常連だった中川陽介監督が、沖縄に移住。『真昼ノ星空』以来14年ぶりの長編作品『コザママ♪うたって!コザのママさん!!』でスクリーンに帰ってきた。その心境とは?

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「沖縄にはいろんな音楽が根付いていて、島唄もハードロックもR&Bも深い歴史があります。その背景が、それぞれの楽曲を通して滲んでくる映画にしたかった。高所から啓蒙するような作り方は苦手なので。『燃える街』という曲は沖縄の年配の方々の、『本土のヤマトンチューとアメリカ人との戦争になぜ巻き込まれ、あんなにも酷い目に遭ったのか』との強い思いを歌詞に込めました。銀天街が“黒人街”と呼ばれR&Bが盛んだった日々、民衆蜂起のコザ暴動を身を以って知る方々の気持ちですよね。僕もヤマトンチューですけど、皆さんが受け入れてくれたから、ようやく書けるようになった。前は恐れ多くて出来なかったですよ」

もともと、人の営みと自然の風景、街並みがセットのアジア映画への憧憬があった。今回それに近づく、予期せぬ体験をしたという。

「普段は誰もいない寂しい路地で子供たちがダンスを踊るシーンを撮影した時のこと。彼ら彼女らの何気ない会話や笑い声が聞こえた瞬間、路地がフワーっと華やかに生き返ったんですよね。街って本来そういうものであって、子供が風景に入った途端、未来へのイメージも見えてきた。これは“映画のマジック”だなあと感じましたね」
(インタビュー・構成:轟夕起夫)

中川陽介監督

■中川陽介監督プロフィール
武蔵大学経済学部を卒業後、1984年出版社入社。若者向けの雑誌編集部でデスク、FM番組やビデオ監督、プロデュース。95年退社後、97年『青い魚』で映画監督デビュー。98年ベルリン映画祭ヤングフィルムフォーラム正式招待作品選出のほか、数々の映画祭に招待、上映された。続く『Departure』では、サンダンス・NHK国際映像作家賞優秀賞、ベルリン映画祭ヤングフィルムフォーラム正式招待。05年『真昼ノ星空』(主演:鈴木京香)がベルリン国際映画祭のヤングフォーラム部門に正式出品。09年『群青 愛が沈んだ海の色』(主演:長澤まさみ)後、沖縄・糸満市に移住し、農家になる。18年に小説『唐船ドーイ』で新沖縄文学賞受賞。19年に10年ぶりにメガフォンをとり、短編映画『コザンチュ探偵新垣ジョージ』を総監督・脚本。以後、コンスタントに短編映画を制作し、23年、14ぶりとなる長編映画『コザママ♪うたって!コザのママさん!!』で劇場に復帰した。デビュー以来全ての作品を沖縄で撮影。また、音楽監督・沢田穣治は、3作目『FIRE!』(02年)以来全ての作品の音楽を手がけている。

STORY
高校時代に大人気を博したR&Bバンド『銀天ガールズ』。
20年を経て、それぞれ家庭をもつアラフォー世代となったメンバー4人が、地元の沖縄・コザの商店街「銀天街」の街おこしを目指して再結成!街の不況や子供たちの貧困など、さまざまな事情を抱えながらも、青春と人生を取り戻し、コザの街を再び輝かせるべく、バンド活動で再起をかけることになるが…

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上門みき 畠山尚子 新垣美竹jimama
芳野友美 田島龍 ジョーイ大鵞 ナオキ屋 ゆっきー(キャン×キャン) 謝花喜司・石川 賢・喜瀬 剛(さんさんず)K ジャージ 仲座健太 山内千草 玉城満 ジョニー宜野湾

原案・監督・脚本:中川陽介
脚本:山田優樹 音楽:沢田穣治 撮影・編集:砂川 幸太 録音:横澤匡弘
ゼネラルプロデューサー:森 寛和 プロデューサー:上里忠司 音楽プロデューサー:森脇将太
配 給:ミカタ・エンタテインメント 宣伝:MAP
2022/日本/カラー/116分
©︎YOSUKE NAKAGAWA / SOUTHEND PICURES

<X(Twitter)>:https://twitter.com/koza_mama

4/12よりアップリンク吉祥寺ほか全国公開

映画『コザママ♪ うたって! コザのママさん!!』公式 – わたしたちの夢、わたしたちの人生

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