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読むと友達に連絡したくなる絵本3選。絵本作家ひろたあきらが選ぶ“大人に読んでほしい絵本”

ダ・ヴィンチWeb

初めまして。絵本作家のひろたあきらです。友達って曖昧な存在ですよね。一回会って、インスタだけ繋がってて、お互いなんとなく生活を覗き合ってるだけの関係も、友達なのでしょうか?はたまた、小中学生の頃にいつも一緒に遊んでいて、卒業以来20年以上会ってない人は、もう友達じゃないのでしょうか?

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大人になると、新しい友達ってなかなか増えないものですね。私も、いつも同じ友達とばかり遊んでいます。私には、安田という15年以上の付き合いになる、非常に親しい友達がいます。家も近所に住んでいて、私にとっての友達の役割を、安田がほぼ一人で担っていると言っても過言ではありません。安田がいないと思うとゾッとします。

あなたにはどんな友達がいますか?今回は『友達』をテーマに、3冊の絵本を紹介します。

『ぼくのともだちカニやまさん』

『ぼくのともだちカニやまさん』(ニシワキ タダシ/PHP研究所)

友達の定義って、何でしょうか?大人でも、即答できる人は少ないと思います。そんな難しい問いに、とても納得できるシンプルな答えを教えてくれる絵本があります。それが『ぼくのともだちカニやまさん』です。

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misoshiruと書かれたロンTを着ている少年『みそお』の前に、ある日突然、カニのような人『カニやまさん』が現れます。カニヤマさんは、みそおの目の前に現れるやいなや
「ともだちに なってください」
と、ほぼ蟹のハサミの手を差し出します。この状況が、実際に起こったらどうしますか?私は正直、キャパオーバーで引いてしまうと思います。みそおはというと、割と冷静に
「きゅうには ムリだよ」
と言って、手を挟まれないように後ろに隠します。みそおはしっかりした子ですね。それを聞いたカニやまさんは
「じゃあ、こうしましょう。こまったことがあったら いってください」
と言います。それに対してみそおは、何か食べたいと答えます。するとカニやまさんが突然、手からギラギラしたビームのようなものを、落ちてる葉っぱに向かって出したのです。

さすがのみそおも、カニやまさんの行動にかなり驚いています。そして、ビームをくらった葉っぱは、味付け海苔に変わりました。お腹が空いて困っているみそおのために、カニやまさんは葉っぱを味付け海苔に変えたのです。みそおのお腹は決して満たされませんが、カニやまさんの優しさに心は満たされたはずです。

みそおは「やるな!」と思いながら、その味付けのりを食べました。この凸凹な二人が助け合いながら、少しずつ友達へと近づいていきます。そして、絵本を読み終わる頃には、友達とは?という大きな問いに、一つの答え教えてくれるのです。

私も、安田に助けられっぱなしの毎日です。安田にとって、カニやまさんの様な頼れる存在でありたいものです。

『むねがちくちく』

『むねがちくちく』(長谷川 集平/童心社)

親しい友達でも、距離が近いからこそ、すごく小さなことで腹が立ったりもします。

私も、安田と一緒に出かけると、いつも交通系ICカードのチャージが足りないことに腹が立ちます。自分も気づかないところで、安田に対して小さなイライラを与えているはずです。親しき中にも礼儀ありだと分かっているつもりでも、意外と無礼な発言をしてしまってたりします。

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