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イタリア・リグーリア州のワイナリー「ルナエ」。最も洗練されたヴェルメンティーノがここに生まれる

ワイン王国

平野部にある畑は砂が堆積した土壌で、温暖な気候と豊かな水に恵まれている。チャーミングな果実味を持ち、すぐに楽しめるワインが生まれるテロワールなので、IGT(地域特性表示ワイン)『ラビアンカ』(ヴェルメンティーノにマルヴァジアをブレンド)を造っている。フルーティーで、喜ばしい白ワインだ。

丘のふもとの畑は標高20~100mほどで、平野部に比べ砂に粘土や小石が混ざり始める。畝間にソラマメなどを植えている

丘のふもとの畑は砂に粘土と小石が少し混ざり、より優美なワインができる。果実のニュアンスが控えめになり、コッリ・ディ・ルーニの特徴である地中海ハーブ(サルヴィア、バジリコ、タイムなど)が感じられる。ここからは旗頭ワインの『エチケッタ・グリージャ』が造られる。

丘陵地帯の畑の一つ「サルティーコラ」。標高300mで、小石が多い。背後にある山脈の影響で昼夜の温度差が激しい

丘陵にある畑は森の中に散在する。空積みの石塀の細い道が続き、海岸松が並ぶ風景はまさにリヴィエラだ。小石が多い水はけの良い土壌で、気候はやや冷涼、昼夜の温度差が激しい。ワインはさらに洗練され、ハーブやミントのニュアンスが強くなる。ここからはほぼ毎年トレ・ビッキエーリ(*1)を獲得するなど評価の高い『エチケッタ・ネーラ』が造られる。畑はすべて自社畑で、15の区画(1~5ヘクタールと小さい)から選ばれる。標高250~300メートルで海から5キロ、アプアーネ山脈から15キロしか離れていない。それぞれの区画の特徴はかなり似ているが、微妙な違いを生かすために、別々に醸造、熟成(ステンレスタンクだけを使用)して、翌年2月にブレンドを行う。凝縮感があるが、フレッシュで、上品なアロマがいつまでも持続する。まさにコッリ・ディ・ルーニの神髄を伝えるワインである。

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さらに上のクラスのワインとして単一畑のヴェルメンティーノ『カヴァジーノ』があるが、こちらは少し遅摘みをして、40パーセントをバリック発酵(残りはステンレスタンク)、ステンレスタンクで熟成させる。熟れた果実のトーンと後口の強い塩味のコントラストがとても魅力的だ。良年のみに造られる『ヌメロ・キウーゾ』は古木から最良のブドウを選び、ステンレスタンク発酵、1年半大樽熟成をする。こちらは遅摘みではないのでフレッシュで、熟成から来るペトロール香(*2)がリースリングを想起させる。破格の持続性を誇り、引き締まったワインである。タイプは全く異なるが、ともにコッリ・ディ・ルーニのヴェルメンティーノの頂点を示す。 
DOCの畑はすべて有機栽培になり、新しい醸造所も完成した。
「生産量をまだまだ増やしたい」とパオロ氏は意欲的だ。

左から『“ラビアンカ” リグーリア・ディ・レヴァンテ 2022年』(3700円)、『“エチケッタ・グリージャ” コッリ・ディ・ルーニ・ヴェルメンティーノ 2022年』(3700円)、『“エチケッタ・ネーラ” コッリ・ディ・ルーニ・ヴェルメンティーノ 2022年』( 5533円) ※価格は税込参考価格

レストランも併設され、ワインとのマリアージュを楽しむことができる。ヴェルメンティーノと魚介類料理の相性は抜群だ

代々伝わるレシピに基づき、地元のハーブや果物を使って職人的に造られるさまざまなリキュールも人気だ

地元のワイン醸造にまつわる品々を展示しているミュージアムもあり、貴重な昔の写真などを見ることができる

*1 イタリアのワイン評価本『ヴィーニ・ディタリア』(通称『ガンベロ・ロッソ』)における最高評価
*2 揮発性油

ワインの問い合わせ先:モンテ物産㈱ 0120-348566(フリーダイヤル)

text by Isao MIYAJIMA, photographs by Hiromichi KATAOKA

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