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なぜ世界の共通言語は英語なのか

日刊ホントの話

現在、最も世界で有効といえるリンガフランカ(異なる言語を使う人たちの間で意思伝達手段として使われる言語)は、英語です。 ではなぜ、英語はリンガフランカ=世界の共通言語となったのでしょうか。

それはずばり、「19世紀から現代に続く長期にわたる世界の覇権国の公用語および主となる母語が英語だから」といえます。

 ではさらに、公用語および主となる母語が英語で19世紀から現代に続く長期にわたる実質的な世界の覇権国とは、具体的にどの国を指すのでしょうか。それはずばり、イギリスとアメリカの二国を指します。

●共通言語として英語を広めた国・イギリス

 世界の共通言語として英語を広めた国は、イギリスです。イギリスの漢字表記は「英国」であるように、英語はイギリス発祥の言語です。

 17世紀以降、世界各地に植民地を建設したイギリスは、1815年のワーテルローの戦いに勝利し覇権国となります。最盛期には全世界の4分の1を領土とし大英帝国と称されるほど繁栄したイギリスの植民地や関係国では、英語が共通言語として広まっていきました。

 ただし、最初の頃は、英語はエリートや教養や教育に手の届く富裕層が話す言語でした。しかし、時代が下がるにつれ、自国の現地語を有しながらも、英語は経済・政治・宗教などの共通言語として広く現地の人々にも学ばれ、使われるようになっていきます。この傾向は、イギリスからの独立後も今にいたるまで続いています。

●共通言語としての英語を強化した国・アメリカ

 さらに英語話者は北米へも渡り、アメリカ合衆国を建国します。ちなみに、アメリカへの入植者は英語話者だけではありませんでした。しかし、アメリカ合衆国の建国者たちは英語の重要性を把握し、公用語として英語を採用しました。これにより、世界の共通言語としての英語の立場は強固となりました。

 そして、1945年の第二次大戦後、アメリカが覇権国となりました。現在にいたるまで一貫して、アメリカは世界第一位の経済大国として繁栄し、経済・政治・軍事などあらゆる面において圧倒的な影響力をもっています。そのため、世界の共通言語としての英語の価値はますます高まり、日々強化されています。

 以上のように英語は、①イギリスの世界規模の領土拡大ととも経済・政治・宗教などの共通言語として世界へと広まり、②アメリカの圧倒的な影響力で世界の共通言語としての認識が強化された――といえます。

 なお、よくいわれる「英語は習得が簡単な言語だから世界の共通言語として広まった」という説は、間違いです。なぜなら、英語は比較的に習得が難しい言語だからです。その理由としては、膨大なボキャブラリー(語彙)、古ノルド語やフランス語など多言語からの大量の借用、一貫性のない文法などが挙げられます。

 しかし、すでに英語は世界の共通語として浸透しているため、近未来において他の言語にその位置を奪われることはあまり考えられません。そのため、比較的に習得が難しい言語であっても、英語を習得する価値は十分にあると考えられます。

<参考文献・参考サイト>
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
・『世界大百科事典』(平凡社)
・英語が共通語になった3つの理由とは!?なぜ世界共通語になったのか?
https://www.word-connection.jp/how-did-english-become-a-global-language/
・英語はいかにして世界の共通語になったのか│IIBC
https://www.iibc-global.org/iibc/activity/iibc_newsletter/nl144_feature_03.html
・世界の歴史に見る覇権争いとその結末 | 島田晴雄
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2403

 
   

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