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「地元めっちゃ温かい」「朝から泣きそう」 廃線懸念のローカル線から卒業生へ――贈られた言葉に8万人感動

Jタウンネット

島根県雲南市の木次(きすき)駅に設置されているメッセージボードが、多くの人々の胸を打っている。

そこに書かれているのは、この春、新しい世界に飛び出す若者たちに向けた、駅員たちからのはなむけの言葉だ。

その内容は、以下の通り。

この春、ご卒業される皆様へ
3年間、木次線で通学していただきありがとうございました。
木次線は列車本数も少ない上に、梅雨は大雨で、夏はレール温度上昇で、秋は台風・倒木で、冬は大雪でさらには猪の出没で…たびたび列車が運休となりました。
まともに木次駅に着いても、待合室にエアコンはなく、コンビニはあるわけがなく、「みどりの券売機プラス」になって、窓口でイケメン駅員を見る時間を少なくなり、寂しい、寒い、(時には)暑い思いをされた事と思います。
色々とご不便をおかけしました。心よりお詫び申し上げます。
時代はIT化が進み、AI技術がますます進歩している中で、まるでガラパゴスのような木次線(ガラ線区!!)です。
通学の思い出を他の人と話しても、かみ合わない事が多いと思います。ご了承ください。
皆様はこれから新しい道を進んで行く事になりますが、夢や目標に向かって充実した日々を送られることを心よりお祈りしています。
明るい未来に向かって出発進行!!
木次駅社員一同

様々な要因で運休になる上に、都心の駅であれば当然のようにある設備が存在しない。駅員が対面で対応していた「みどりの窓口」は、オペレーターがモニターから対応する「みどりの券売機プラス」になって機械化が進んだが、そのせいで「イケメン駅員」は遠い存在に……。

ユーモラスな謝罪と共に、木次線ならではの通学を経験してきた学生たちを応援する、温かなメッセージ。思わずホロリと泣けてきそうなこのボードは、2024年2月21日に名古屋在住のmumin papa(@OxcH2OsSotFyC1)さんが紹介したことで話題に。投稿を見た人からは、8万をこえるいいねのほか、こんな声が寄せられている。

「心のこもった温かい言葉で、感動しました」
「朝から泣きそうになりました」
「イケメンアピールは欠かさないところも素敵」
「高校3年間木次線に乗って通学して、今社会人になって車ばっかりだけどこのメッセージはさすがに地元めっちゃ温かいなぁって感じる」

「木次線を覚えていて」の気持ちを込めて

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木次駅はJR西日本・木次線の駅。木次線は島根県の宍道駅~広島県の備後落合を繋ぐローカル線で、同社が公開している資料によると、2022年度の1日の平均通過人員は171人。これはJR西の全路線で2番目に少なく、収支率も低い。厳しい状況にあり、廃線が懸念されている。

沿線にはヤマタノオロチ神話ゆかりの場所が点在しており、かつては観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」が運航していたが、23年11月23日に終了してしまった。

そんな状況を知り、少しでも力になりたいと木次線の列車に乗車した投稿者・mumin papaさんは、「卒業生にこんな素敵なメッセージをくれる木次線の社員さん…。なくなって欲しくないです」という呟きと共に話題の写真を投稿。

27日、Jタウンネット記者が取材したところ、メッセージボードを見つけた時のことを、次のように振り返った。

「こんなに心の温かい方が働いてらっしゃる木次線を少しでも応援したいと思いました。沿線に住んでらっしゃる方々もとても心温かい方ばかりでした。そしてこの投稿で地方のローカル線の状況が皆さんに伝わればと思います」

29日、記者の取材に応じたJR西日本中国統括本部の広報担当者によると、メッセージボードは木次駅の駅員が書いたもの。

木次線を利用して高校に通い、この春に卒業する生徒たちへの「木次線を覚えていてほしい。またいつか利用してくれたら」という気持ちが込められている。

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