シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Hさん(茨城県・40代男性)
二十数年前、Hさんは勤めていた会社を退職し、放浪していた。
まだ電車も走っていない時間。駅前のベンチに座っていると、3人の若者を連れた老人が話しかけてきて……。
<Hさんの体験談>
今から二十数年前、人間関係が原因で、働いていた会社を飛び出す形で退職しました。
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行くあてもない私は、茨城県内のターミナル駅付近をフラフラ。
9月に入って10日ほど経っていて、夜になると肌寒く、野宿をしながらの放浪が骨身にこたえる季節になっていました。
若いやつがダメになる姿は見たくない」
その時、当てのない放浪に疲れ果てた私は、まだ開いていない駅の外にあるベンチに腰掛けていました。
人通りもまばらでしたが、そこに1人のご老人(70歳は超えているように見えました)が「こんな時間になにしてるの?」と話しかけてきました。
肌寒さを感じる時期には不釣り合いな軽装をしていた私を見かねたのかもしれません。
その人は20代くらいの男性を3人連れていて、私が今までの経緯を吐き出すように話すと、そのうちの1人に「これでコーヒー買ってこい」と指示。