温泉宿でゆっくり過ごした翌朝、玄関で犬が見送ってくれる――。
X(旧ツイッター)の犬好きユーザーの注目を集める民宿を、読者はご存じだろうか。
その宿の名は「南部屋」。青森県十和田市にある、温泉民宿だ。
濃い茶色とクリーム色の2匹の犬の寂しさを漂う背中と共に「あぁーぁ…… お客さん帰っちゃった。。。」と残念そうにつぶやくのが、この宿の公式アカウントの”お決まり”の投稿。
「今度、遊びに行くからね!」「いっぱい遊んであげるからね!」と全力で構い倒したくなる切ない後ろ姿や、2匹が仲良く眠ったり遊んだりしているひたすら可愛い姿が人気を集め、犬好きXユーザーを中心に、フォロワーを増やし続けている。
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寄せられているのは、こんな声だ。
「並んでお見送りが素晴らしい」
「可愛すぎます」
「行ってわしゃわしゃ撫でてあげたい」
「いつか行ってみたいお宿です」
2匹の看板犬がお見送りしてくれる宿では、どんな体験ができるんだろう? Jタウンネット記者は「南部屋」のご主人に電話で詳しい話を聞いてみた。
犬たちに会いたい人は事前に連絡を
温泉民宿「南部屋」のご主人は田村暁(さとる)さん。
大学時代にバックパッカーとして世界各地を旅行し、卒業後、海外秘境系旅行会社に就職した。そこで秘境ツアーの企画・添乗員として活躍していたというが、あるとき温泉宿を経営しようと決意。温泉付きの物件を探して、2016年に温泉付き民宿を前オーナーから譲り受けた。
母屋は、大正期に建てられた古民家。築100年を超える建物を、居抜きでそっくり引き継いだ。「古いものをそのまま残したい」と、浴室を青森県産ヒバで改修した以外は、ほとんど以前のままだという。
「テレビもない、Wi-Fiもつながらない、便利なものは何もない。料金が安い代わりに、不便ですよ」と、利用者には事前に断っていると、田村さんは笑う。