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オタゴの多彩さを表現する「ヴァリ・ヴィンヤーズ」

ワイン王国

『ギブストン ピノ・ノワール 2020年』品種:ピノ・ノワール100% 希望小売価格:7920円(税込)

『ギブストン ピノ・ノワール 2016年』品種:ピノ・ノワール100% 希望小売価格:7920円(税込)

まずは、セントラル・オタゴの中で最も冷涼なギブストン。川が近くを流れる砂利の多い土壌で、果皮の薄いピノ・ノワールからタンニンの控えめなライトなワインが生まれるという。
『ギブストン ピノ・ノワール 2020年』は若々しい赤系果実の香り。果実味は中程度で酸は穏やか、余韻にかけて渋味がやさしく広がるピュアなワインだ。同じく2016年は、イチゴの香りに、ややヨーグルトのニュアンスやクミンなどのスパイス。熟した果実味と穏やかな酸を感じ、控えめなタンニンや苦味がいいアクセントになっている。

『バノックバーン ピノ・ノワール 2020年』品種:ピノ・ノワール100% 希望小売価格:7920円(税込)

続いて、より温暖で乾燥したバノックバーン。
「私たちはバノックバーンの中でも標高の高いエリアに畑を所有しており、フレッシュでフルーティーなブドウが得られる。ピノ・ノワールはシルキーなテクスチャーになります」とパーさん。
『バノックバーン ピノ・ノワール 2020年』は、香りは熟したブルーベリーに土っぽさも。やや凝縮した果実味と中程度の酸が調和し、穏やかながら骨格のあるタンニンが味わいを引き締める。

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『ベンディゴ ピノ・ノワール 2020年』品種:ピノ・ノワール100% 希望小売価格:7920円(税込)

ベンディゴはセントラル・オタゴで最も温暖なエリアだ。ヴァリ・ヴィンヤーズでは、ベンディゴで標高が高い畑を所有しているが、それでもバノックバーンよりも気温が高いという。
「さまざまな要素のパワーが強くも、そのバランスが取れたブドウが収穫できるエリアです」とパーさんは話す。
『ベンディゴ ピノ・ノワール 2020年』は、赤系果実の豊潤な香りに、黒系果実や鉄の印象が重なる。よく熟した果実味にシャープな酸がバランスを保ち、ほんのりと旨味も感じられる。

『ワイタキ ピノ・ノワール 2020年』品種:ピノ・ノワール100% 希望小売価格:9020円(税込)

ほかのサブリージョンから離れたノース・オタゴに位置し、オタゴで唯一の海洋性気候であるワイタキでできるワインは豊かなミネラルを特徴とする。石灰質土壌の広がる冷涼な地から、穏やかかつ滑らかなタンニンと野性味を併せ持つピノ・ノワールが生まれる。
『ワイタキ ピノ・ノワール 2020年』はフレッシュな野イチゴにジビエやキノコ、白コショウなど、ふくよかで複複雑な香り。タンニンは滑らかで、穏やかな酸と、余韻にはミネラルを伴った心地いい苦味が感じられる。

『“ザ・リアル・マッコイ” ピノ・グリ オレンジワイン 2022年』品種:ピノ・グリ100% 希望小売価格:5170円(税込)

今回のセミナーでは、ピノ・グリを使ったオレンジワインも登場した。『“ザ・リアル・マッコイ” ピノ・グリ オレンジワイン 2022年』は、柑橘類のジューシーな香りにトーストのニュアンスも。香りに共通する柑橘類の果実味はやや厚みがあり、タンニンから来る若干の苦味も感じる。シャープな酸は、口中で解けて横に伸びていく。
「フードフレンドリーで香り高いワインです。ピノ・ノワールやシャルドネより熟成のスピードが遅く、長期熟成のポテンシャルもあります」とパーさん。

各サブリージョンの2020年ヴィンテージのピノ・ノワールを試飲したが、2020年は非常に冷涼で困難なヴィンテージだったという。バノックバーンやベンディゴなどの温暖な地域でも気温が低く、生産量は通常の半分にまで落ち込んだ。ギブストンではボトリングしない生産者もいたというが、ヴァリ・ヴィンヤーズでは長い生育期間を経て成熟したブドウを通常通りの収量で確保し、問題なくワインを造ることができた。

「各サブリージョンの個性に加え、困難なヴィンテージでもその個性をも生かしたワインを造っています。そして、果実味だけではなく、スパイシーさ、滑らかなテクスチャーが発揮されているかを常に意識しています」とパーさん。彼女が醸造に携わって、よりエレガントになったヴァリ・ヴィンヤーズ。各産地、各ヴィンテージに向き合って味わいたい。

2024年2月8日

提供元: ワイン王国

 
   

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