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新日本プロレスVS全日本プロレス<仁義なき50年闘争史>「メガネスーパーが新日本に引き抜きの魔手!」

アサ芸プラス

 武藤は3月17日に凱旋帰国。3月23日、坂口の引退試合が行われた後楽園ホールのリングで帰国の挨拶をしたが、この日の昼に新日本の事務所に花束を持って訪れている。

 坂口が「そんなに気を遣わなくていいよ」と言うと武藤は「そうではなくて、新日本を辞める挨拶に来ました」と返答。武藤は帰国直後に田中社長の自宅に招かれ、高額のギャラを提示されると同時にマンションの鍵まで渡されていた。

 坂口は武藤を説得、その場で田中社長に直接電話を入れて、武藤が新日本を辞めることはないと通達。事なきを得た。

 メガネスーパーは武藤だけでなく、藤波にも接触していた。当時の藤波は腰痛による長期欠場からカムバックに向けて静岡県清水市の日本平でキャンプを張っていたが、その前に荒川の仲介によって東京駅前のホテルで田中社長と会い、億単位の契約金を提示されたという。

「田中さんはすごく真剣にプロレスのことを考えていて、好感を持てる人物でしたよ。評価という意味では嬉しい半面で、まだカムバック前で〝これで契約して、俺が試合できなかったら、どうなるのか〟という懸念もあったし、決断できなかったね」と藤波は言う。

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 武藤、藤波の獲得に失敗したメガネスーパーが次に狙いをつけたのは、全日本の大物選手だった─。

小佐野景浩(おさの・かげひろ)元「週刊ゴング編集長」として数多くの団体・選手を取材・執筆。テレビなどコメンテーターとしても活躍。著書に「プロレス秘史」(徳間書店)がある。

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