top_line

「エンタメウィーク」サービス終了のお知らせ

日本人アーティストの作品がラベルに。 アマローネ×日本の伝統工芸

ワイン王国

約2年の歳月を費やして西香を完成させた浅井氏。
「過去採用された作品はすべて2次元アートだったのですが、私が手掛けるものは立体作品です。オファーがあった時は“自分でいいのかな”と戸惑ったのですが、“ぜひやってみたい”という気持ちのほうが勝りました。

その時“コスタセラ”アマローネを初めて飲みましたが、とてもエレガントで、深みとコクのある味わいに感動しました。何より、陰干することで凝縮したブドウの香りを表現したいと考えて、その姿を香炉に表しました。実はつまみの部分は、ブドウの水滴をイメージしているのです」
この“ブドウ”には、漆芸にも通じる“武道” の精神も掛け合わせているそうだ。

アレッサンドラさんは、浅井氏と西香にどのような印象を抱いているのだろうか?
「とても素敵な方ですね。情熱的ですが、自然体。指が漆で真っ黒なのは伝統工芸の職人らしく、畑仕事に勤しむわれわれの手と重なるものを感じました。

 正直なところ漆についてはあまり知識がなく、今回初めて日本の伝統工芸の奥深さに触れることができたと思います。螺鈿のアートはイタリアにもあり、アコヤ貝の貝殻を用いるのですが、ホワイトが主流。西香はパープルやブルー、グリーンなどカラフルで驚きました。近年、ヨーロッパではオリエンタルな文化が人気で、お香をたくという習慣も広まっています。身近になりつつある香炉がラベルになるということに、喜びを感じています」

さらに、日本の伝統工芸を選んだ大きな要因として「私たちが掲げる“近代的かつ古来の心を持つ、高品質のワインを造り続ける”というミッションと、浅井氏の伝統工芸に真摯に取り組みながら新しいものを創り出す姿に通じるものを感じた」ことを挙げた。

広告の後にも続きます

息子のアレッサンドロさんは「今、アマローネは世界的に成功を収めつつあり、イタリアの若者にも浸透し始めています。このプロジェクトの趣旨や、結果できあがった香炉ラベルのボトルは、若者の共感を得ることにも貢献するのではないでしょうか」と語った。

“コスタセラ”アマローネ 2005年についても、アレッサンドロさんに尋ねた。
「アートラベルに使うワインは、ボスカイーニ家のプライベートセラーに眠る希少なオールドヴィンテージです。05年は8月の気温が高く、色濃く仕上がりました。そして昼夜の温度差がワインにフレッシュさをもたらしています。タンニン分もしっかりありますが、とても柔らかさを感じさせる味わいです。私たちのアマローネらしい生き生きとした酸があるので、長期熟成が可能なのです。今飲んでも美味しいですが、あと20年くらい育ててみたい気もしますね」

アートレベルは限定2400本で、ホスト国の日本で販売されるのは1200本。ぜひ入手して香炉と一体化したボトルから立ち昇るアロマを楽しんでほしい。

『“コスタセラ・コンテンポラリー・アート” アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ 2005 年』
(木箱入り。浅井氏の制作風景を収めたカタログ付き)
4万40000 円(税込)

問い合わせ先:日欧商事㈱ 0120-200105

text by Atsushi TOGAMI, photographs by Kentaro TAKIOKA

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(グルメ)

ジャンル