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『VIVANT』最終回前に必読? 第1話から第9話までのポイントを飯田和孝Pが解説

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第2話
●随所に散りばめられた日本文化
野崎が乃木や薫に赤飯を振る舞うシーンがありますが、ドラムが食べるところてんやお餅(5話)、日本大使館で出される料理など、全体的に日本特有のものを数多く使用しています。食べ物に限らず、乃木が住む日本家屋も、ベキ(役所広司)の刀もそうです。福澤監督には、日本の人々はもちろん、やがては世界中の人に『VIVANT』を楽しんでほしいという思いがあり、日本の文化や風情をドラマ内にたくさん散りばめました。乃木と薫が抱き合うシーンの背景を桜にしたり、ベキの故郷が奥出雲で、古くからたたら製鉄や稲作が栄えた地域だったり。世界に発信しているものが、日本の人も改めて日本の良さに気づかされるきっかけになるのではないかと思っています。

●伏線が回収されていないシーン
第2話は最終回に繋がる部分があります。第1話で壮絶な戦いを繰り広げたチンギスは、それがあったからこそお互いを認め、第5話で野崎はチンギスと手を組みます。また、第2話で野崎が「ちょっと用事ができた」とナジュム(Bruce Taylor)を連れて行ったシーンの真意もまだ回収されていません。そして、英子(檀れい)とワニズ(河内大和)の会話も、改めて見返すと、最終回を観るときにさらにドキドキできると思います。

第3話
●数多くのセットに隠された工夫
データセンターに忍び込む撮影は本当に大変でした。実は、コンビュータがいくつも設置された部屋はセットで、警備室前はロケで撮影しています。野崎や東条(濱田岳)がいる車もセットです。
今回はセットを50以上も制作していますが、実はいろいろと使い回しをしています。例えば、データセンターの壁を公安の会議室の壁に使ったり、病院の壁を部屋に使ったり、台本が揃っている状態で撮影をスタートさせたことで、「このセットは次ここに活用しましょう」というプランを美術さんが立て、それに則った撮影スケジュールを組むことができました。ただ、使い回していることが分からないように、第1話で使用したものをラストに回すなど、工夫を凝らしています。

第4話
●新庄(竜星涼)を責めないで!
新庄が山本(迫田孝也)を見失うシーンも、いろいろと考察がなされていましたが、いちおう追われている側も相当に訓練された人物ですからね。山本も別班の黒須(松坂桃李)が助けていますし、たぬきの置物を見ている隙に乃木を見失ったのも、そもそも乃木は別班ですから。なので皆さん、新庄ばかり責めないであげてください(笑)。

第5話
●別班特有の連絡手段と、謎の登場人物
乃木が神田明神で祠をチラっと見るシーンは、後で別班の連絡方法に関係していることが分かります。饅頭が供えてあり、それを確認してお茶屋に行くという流れもスパイ映画のようなシーンですよね。あまり触れられていませんが、あのお茶屋の店主(小林勝也)はもしかしたら、二人が別班だと分かっているのではないでしょうか……。

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●マスコットキャラクターのヴィヴァンちゃんが本編に登場!
もともと、日曜劇場には重厚なイメージがあるのと、今回は放送前に作品に関する情報をほぼ出さなかったこともありあえてイメージとは真逆の可愛らしいキャラクターを立ててPRをしようと考えました。実はこのヴィヴァンちゃん、5話に出演しているんです。どこかに登場しているので、ぜひチェックしてみてください。割と画面のど真ん中に、こっちを向いて微笑んでいます(笑)。

第6話
●薫の意味深な発言
薫が乃木に「私のこと好きなんですか?」という縁側のシーンがありますが、その前の会話、薫さんの表情がとても意味深なんです。実は僕の知らないストーリーがあるのではないかと疑ったぐらい(笑)。もしかしたら監督が教えてくれていないストーリーがあるかもしれません。バナナナイフのシーンは、男の子の憧れが詰まったようなカットでした。宮崎(陽平)監督にとってもこだわりのシーンだったようで、現場では入念な打ち合わせがなされていたようです。実は、10日19時から放送した生放送のセットにも、バナナナイフがあったのをお気づきでしょうか???(笑) セットに入るなり、宮崎監督が「見てください見てください」と無邪気に寄ってきたのを覚えています(笑)。

●ドラムボイス誕生秘話
ジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)の手術の無事を祈るドラムの姿は印象的ですよね。ちなみにドラムの声については、最初から女性の声にすることは決まっていました。普通の声にするか、色っぽい声にするか、いろいろとアイデアが出る中、では実際に誰にお願いしようという話になった時、様々な役を演じ分けていらっしゃる声優、林原めぐみさんにオファーをしてみたんです。監督には、「このドラマを世界に発信するなら、世界的アニメである『エヴァンゲリオン』や『カウボーイビーバップ』の声を担当している林原さんの声が必要です!」とプレゼンしました。ご本人も、ドラムのキャラクターや、何よりこの『VIVANT』を面白がってくださり、お引き受けいただきました。本当に感謝しています。今でも、誰の声と言わず、現場で林原さんの声を出した、最初のドラムのシーンのリハーサルは、鮮明に覚えています。「この声って……ですよね」というスタッフの列が(笑)。

第7話
●乃木と野崎の2人だけがわかる会話
バルカ共和国へ向かう飛行機の中での乃木と野崎の会話は、乃木が別班だということが分かっていながら交わされる高度なやりとりです。そして乃木の「あなたは鵜群の一鶴、眼光紙背に徹す」というメッセージも、野崎にしか分からない。さらに、空港で乃木は野崎に「僕は○○○○社との商談があります」と言って去りますが、わざわざ伝えた“○○○○社”の意味とは……。

●野崎のスマホに送られたメッセージとは
別班がノコル(二宮和也)と接触するため、ロシアの反政府組織を道中で襲い、その遺体を隠した小屋があります。そこに野崎とチンギスも辿り着くわけですが、ここで発信機の付いた薫たちの写真を見た野崎が、スマホを見るんですよね。そこにはいったい何が書いてあったのでしょうか。

第8話
●乃木の特技がカギ!
手で重さ量ることができる乃木の特技は、第1話でジャミーンがパンを作るシーンで披露され、第8話ではヤスダ(音尾琢真)の悪事を暴きました。この特技を第1話のジャミーンとの何気ないシーンでやっていたことで、“後付けではない”ということが分かっていただけたのではないでしょうか。

第9話
●善悪を判断できるジャミーンの存在
ベキの告白で、乃木がジャミーンに助けられた家が、実は自分が生まれた家だったと分かるところは、僕はこのドラマで一番好きなシーンかもしれません。この運命が繋がった瞬間は、事前に知っていながらも、映像を見て鳥肌が立ちました。ジャミーンの存在にも、いろいろな考察が出ていますが、“人の善悪を判断できる”彼女の存在は、最終回に生きてきます。

●山本以外の日本のモニター
第9話のラストで、乃木に撃たれて死んだはずの別班員たちが生きていたという事実が判明しました。あの証拠映像を送ったのは“日本のモニター”とされていますが、これは果たして誰なのでしょうか。最終回で明かされますので、皆さんぜひ予想してください。第1話から第9話をよく見れば、この人物だというのは分かるはずです。むしろ、この人物がテントのモニターだと仮定すると、「なるほど確かに!!」となると思います!

(文=リアルサウンド編集部)

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