4月10日〜13日にわたり開催されたJPSAロングボードツアー開幕戦「さわかみ種子島プロ」。メンズクラスで西慶司郎(にし・けいじろう)、ウィメンズクラスで野中美波(のなか・みなみ)が大会を制した。
残り20秒でつかんだ優勝杯
大会会場は種子島・竹崎海岸。ハラ前後のスモールコンディションのなか、メンズの決勝ラウンドがスタートした。
白ゼッケンを着るは、近年ますます勢いを増す西 慶司郎。昨年のトレードマークだった明るい髪色を黒に戻し、初心に返っての参戦だ。対して、開幕戦のファイナルに駒を進めたのは加藤翔平。2004年生まれ、千葉北・志田下をホームポイントとする若手プロだ。
序盤、粘りのあるサーフィンで5点台を2本そろえた西。小さい波を余す所なく使い、ダイナミックなラインを見せた。対する加藤もエアリバースを成功させ、5.20ptをスコア。ベテランに負けじと張り合うが波運に恵まれず、しばらく低空飛行を余儀なくされる。
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動きがあったのはヒート終盤。ライト方向にテイクオフした加藤がキレのあるライディングを決め、6点をスコア。西を一気に突き放した。
しかしここで終わらないのが西慶司郎という男。残り時間20秒で波をつかむと、バックサイドにえぐるようなターンを2発。6.50ptをマークし、合計12点で逆転勝利を手にした。
試合後のインタビューで「(疲れで)足がブルブルです」とおどけて見せた西だが、計算高い一面ものぞかせた。
「加藤くんにも勢いがありました。一本乗られて順位を下げたときもありましたが、終盤に動き続けたことで波を拾えました。試合残り20秒で沖のセットを見つけたときに勝利を確信しました」(西)。
開幕戦で幸先のいいスタートを切ったことで、ますます弾みをつけるのではないだろうか。期待したい。
今回は2位に甘んじたが、お手本のような綺麗なラインを見せる加藤。彼のサーフィンにも注目したい。