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大阪桐蔭vsクラーク記念国際

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大阪桐蔭6回コールドで準決勝進出 スタメン抜擢の境 締めの一発を含む4安打の活躍

コールドを決める本塁打を放った7番境 亮陽外野手(1年)

<第53回明治神宮野球大会:大阪桐蔭12-2クラーク記念国際(6回コールド)>◇20日◇高校の部・2回戦◇神宮

 大阪桐蔭(近畿・大阪)とクラーク記念国際(北海道)の一戦は、優勝候補・大阪桐蔭に、横から投げたり上から投げたりと、変則の新岡 歩輝投手(2年)がエースであり、主将として引っ張るクラーク記念国際がどこまで食い下がることができるかが注目点であった。しかし大阪桐蔭の「圧」は、立ち上がりからクラーク記念国際全体にとって、かなりのプレッシャーになったようだ。

 1回表は大阪桐蔭の先発、背番号10の南 恒誠投手(2年)があっさり三者凡退で切り抜ける。その裏、大阪桐蔭は、1番・小川 大地内野手(2年)が右中間に二塁打を放ち、3番・德丸 快晴外野手(1年)の中前安打で還り1点を先制する。2回裏は、長澤 元外野手(2年)の負傷により中堅手で先発出場した背番号15の1年生・境 亮陽外野手が内野安打と失策で二塁に進む。さらに暴投で境は三塁に進む。続く8番・岸本 真生内野手(2年)の四球、1番・小川の三ゴロは失策となり境は生還する。加えて2番・山田 太成外野手(2年)の右前安打で岸本が生還し、3番・德丸の二塁打で小川と山田が生還し、この回4点が入る。

 3回裏は、境の右前安打などで作ったチャンスに、8番・岸本の右前適時打や、德丸の3イニング連続の打点となる右犠飛などで大阪桐蔭が5点を加える。なおクラーク記念国際の三塁手・山田 陽紫内野手(1年)はこの回2失策。前の回も含めると3失策となった。慣れない人工芝の固いグラウンド、大阪桐蔭の強い打球をもろに受ける三塁手というポジションゆえに、やむを得ない面もあるが、プレーに思い切りの良さが欠けた点は反省材料だろう。

 3回を終えて10対0。5回コールドの展開になったが、クラーク記念国際も意地を見せる。4回表この回先頭である途中出場の2番・安部 政信外野手(2年)、3番・新岡の連続安打に、「初球から思い切って打とうと思っていました」と言う5番の麻原 草太捕手(2年)が左翼線に二塁打を放って2点を返した。

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 4回裏に大阪桐蔭は代打・八瀬山 大悟外野手(2年)の左犠飛で1点を追加する。それでも、ここから新岡は本来の投球を発揮する。5回裏は多彩な変化球を駆使する投球で三者三振に仕留める。6回表も先頭打者を三振に仕留め4人連続で三振を奪う。しかし本来の投球を取り戻すのが遅かった。6回裏2死から、この試合3打数3安打と当たっている境が右翼席に本塁打を放ち、12対2。6回コールドが成立した。

 境は投手で登録されている二刀流。本人は「どちらもやりたいです」と意欲をみせる。中学生の時は陸上競技の選手でもあり、100メートルは11秒06という快足。岐阜県出身で勉強できるとなると、思い浮かぶのは中日の根尾 昂投手(大阪桐蔭出身)だ。身体能力が優れているだけに、どのような選手に成長するか、楽しみである。

 一方、敗れたクラーク記念国際の佐々木啓司監督は、「立ち上がりエラーが出ては、野球は勝てない」と語った。それでも中盤から徐々に力を発揮できるようになった。全国大会で大阪桐蔭と対戦できたことは、今後につながる貴重な経験になるはずだ。

 なお試合中、大阪桐蔭のベンチから相手投手が投球動作に入っても声が出ていることに、クラーク記念国際の佐々木監督が注意をする場面があった。投球動作に入ってからのいかなる声出し、音出しも球種を教える動作とみなされ、国際大会などでは厳しく規制されている。李下に冠を正さずで、悪意はなくても疑念を持たれる可能性のある行為は注意をした方がいい。

 勝った大阪桐蔭は準決勝で、仙台育英(東北・宮城)と対戦する。初戦を劇的な逆転サヨナラで勝利した夏の王者と大阪桐蔭の対戦は、この大会の優勝争いはもちろん、来年に続くこの代での戦いのドラマの第1章として熱戦を期待したい。

(取材=大島 裕史)

 
   

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