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環太平洋大vs国際武道大

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江川卓と対戦した名将、大学日本代表を経験した監督も絶賛。7回無安打に抑えた環太平洋大の147キロ左腕はどんな投手なのか?

環太平洋大先発・徳山 一翔(2年=鳴門渦潮)

 <第53回明治神宮野球大会:環太平洋大2-0国際武道大>◇18日◇大学の部・1回戦◇神宮

 環太平洋大(中国・四国三)vs国際武道大(関東五第2代表)の一戦。環太平洋大が1回裏に2点を先制した。

 先発の徳山 一翔投手(2年=鳴門渦潮)が最速147キロの速球を武器に7回無失点の好投。そして8回から2番手・蛭子 凌太郎投手(2年=佐伯鶴城)が1回無失点、9回は辻 祐希斗投手(4年=関大北陽)が抑えて、継投によるノーヒットノーランを達成した。

 徳山が大きな成長を見せていた。鳴門渦潮時代は最速144キロ右腕・仁木 登真投手(中部学院大2年)、140キロ右腕・鈴木 連投手(神戸医療未来大2年)と3枚看板を組んでいて、徳山はどちらかというと技巧派寄りだった。

 高校時代と比べても明らかに体が大きくなり、常時140キロ〜145キロ(最速147キロ)の直球は威力抜群。特に高めに決まる直球は打者が思わず手を出してしまい、横から見ると、殆どの打者が球の下を振っていた。

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 フォームのバランスもよく、右足を高々と上げても、左足はしっかりとバランスを保つことができている。右手のグラブを斜めに伸ばしていきながら、開きを抑え、鋭く腕を振っていく。千葉大学リーグ、横浜市長杯で猛攻を見せた国際武道大打線を7回まで無安打に抑える投球を披露した。降板した理由について「記録よりも、チームの勝利のためでしたので、次に投げる投手を信じていました」と語る。

 高校時代から10キロ以上スピードアップした理由に、大学に入ってから本格的にウエートトレーニングに励んだことを挙げた。また、投手出身の野村昭彦監督から指導を受け、突っ込み気味だった体の使い方、足の上げを修正し、軸足にしっかりと体重を乗せて、腕を振るフォームに矯正した。今年の1月に監督復帰した野村監督はキャッチボールを見て、「一目惚れしました。なんといっても球質が違いますからね。私も大学日本代表コーチをしていましたが、トラックマンで回転数が高かった投手のような球質を徳山は投げられる。1月の時に、徳山がモノになってくれと思いましたが、こうして全国の舞台で好投できているのは監督冥利に尽きますね」と語った。

 対戦した国際武道大の岩井監督も絶賛した。岩井監督は銚子商(千葉)出身で、現役時代は怪物と評された作新学院(栃木)時代の江川卓投手(元巨人)と対戦している。岩井監督は「横から見てもストレートの伸びが素晴らしいですね。本当に良い投手です」と語った。

 大学球界で実績のある岩井監督、野村監督が惚れ込んだ素質を持った投手が全国大会でも好投を見せたとなれば、評価はうなぎ上りだろう。

 野村監督は「とにかく直球を磨いていくのと、技に走ってスライダーになると腕が下がった投げ方になるので、縦のカーブなど今の投げ方に合った変化球を極めてほしいですね」と期待する。

 突如として現れた24年のドラフト候補。徳山がさらに大飛躍を遂げれば、ブレークのきっかけになった試合としてクローズアップされることは間違いない。

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