山田健太(立教大)
今年のドラフトは目玉選手の指名も話題になるが、指名漏れの選手についても話題となってしまう。その中でも話題性十分の立教大のスラッガー・山田 健太内野手(大阪桐蔭出身)の指名漏れも大きな話題となった。
山田健太(立教大)
【改めて山田の強みを考える】
183センチ、87キロの大型内野手。東京六大学では、通算9本塁打、通算打率.291、通算38打点と数字は高いレベルで、まとまっていて、大学日本代表にも選出された。野球以外の強みとしてもルックスレベルが高い。名門・大阪桐蔭で3度の甲子園出場を経験し、知名度も抜群。人気獲得面で高い貢献ができる。
【どこが抜かったのか?】
通算成績を見ると、よくいえば、どの数字も高水準であるが、悪く言えば、まとまっているものの、突き抜けていない。最高打率は1年春の打率.375で、4割どころか、1年秋以降、打率.350以上をマークしたシーズンがない。
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最高本塁打は2。最多打点はこの秋にマークした8だ。打撃で勝負するタイプは、巨人2位指名を受けた慶應義塾大のスラッガー・萩尾 匡也外野手(4年=文徳)のように1シーズンで5本塁打前後をマークするか、通算本塁打は変わらなくても、打率.350以上は常にマークし、三振はほとんどしない。10打点以上はしっかりと記録するほどの勝負強さがないと、「打撃型野手」としては弱すぎる。
山田の打撃を見ると決して技術は低いわけではなく、捉えた時の打球の飛距離は惚れ惚れするものがある。ただ、それが続かない。二塁手守備も際立つものではない。大学候補合宿での守備を見ると、やはり厳しいものを感じ、打撃型野手で勝負せざるを得ない。突き抜けた結果を残せなかった。そこがプロのスカウト側が二の足を踏んだ結果になったのではないか。
山田健太(立教大)
【社会人で求められる数字を考える】
社会人では二遊間レベルになるともっと上手い野手がいて、一塁ではさらに強打者がいる。大学時代でのパフォーマンス内容だと「中途半端」に見られ、ドラフト候補から脱落してしまうため、突き抜けたパフォーマンスを求められる。
では、どんな数字を残せばいいのか?参考にするのは過去の社会人表彰選手野手の成績だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国的に大会が中止となった20年は除かせてもらった。
2019年 首位打者 日本生命・廣本 拓也(浪速ー法政大) 20試合 打率.434
本塁打 トヨタ自動車・沓掛 祥和(慶應義塾ー慶應義塾大)20試合 6本塁打
打点 トヨタ自動車・沓掛 祥和(慶應義塾ー慶應義塾大)20試合 20打点