「好きなものは深堀りしたくなってしまうタイプなんです。ひとつにのめりこんじゃう変態的な面があります(笑)」

車、料理、激辛グルメ、野球、スニーカー……多趣味な家族の影響で自身も多くの推しや沼にハマっている6人組ダンス&ボーカルグループONE N’ ONLYのメンバーREIさん

最近ハマり出したというスニーカーについて少し質問するだけで、「ニューバランスがなぜ高いのかというと、“手作業だから”……」と豆知識が止まらない! 掘れば掘るほど、どんな沼にも深くハマっていることが伺えます。

そんなREIさんがハマっている様々な沼の中で、今回語っていただいたのは“総合格闘技”。幼少期から年末は欠かさずに試合を観ており、昨年(2023年)末には「RIZIN」を観戦したそう。

今の推し選手を聞くと「堀口恭司選手」、推し試合を聞くと「セミー・シュルト VS ピーター・アーツ」と、1つ質問するだけで、これまで得てきた総合格闘技の知識が出てくる出てくる……。そして、総合格闘技の魅力をこのように語ります。

「頭を使わないと勝てないのが総合格闘技の醍醐味」と。

「普段は好きなものをインプットするばかりでアウトプットをする場がなかなかない」と話すREIさんに、今回はたっぷりと総合格闘技についてお話いただきました。

また、2023年から始まった全国47都道府県ツアー『ONE N’ SWAG 〜Hook Up!!!!!!~』のツアーファイナルに向けた新曲「DOMINO」、オタク心が分かるREIさんだからこそSWAG(ONE N’ ONLYのファンネーム)を“沼らせる”ために意識していることも。1万字超のインタビューをお届けします。

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「車」「料理」「激辛」「野球」「スニーカー」…多趣味なREIが語る沼は「格闘技」

――REIさんはプロフィールやSNSを拝見しても沼や推しがたくさんある印象を受けます。

REI:

そもそも、家族が多趣味なんですよね。生き物が好きな父がテトラベタの色の交配をしていたので、僕もテトラベタについて詳しいと言えば詳しいです。適正温度とか、どんなふうに繁殖させるのかとか。

僕自身は、まず「車」ですね。祖父がホンダで47年間くらい勤めていたので、車好きはそこから始まっているんじゃないかな。父もバイクが大好きですし。

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あと、「料理」。スープカレー屋でバイトしていたり、母の手伝いをよくしていたりしていたことから好きになりました。

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食つながりで、「激辛グルメ」も好き。激辛ラーメン店「蒙古タンメン中本」の蒙古タンメンや北極は、いつも辛さ5倍以上で食べています。最近は行けていないのですが、広島発祥の汁なし担担麺専門店「キング軒」の汁なし担担麺も好きですね。山椒が効いていておいしいんです。

――以前、numanのインタビューでは「野球」についても語っていただきましたよね。

https://numan.tokyo/interview/yqlor/

REI:

「野球」は地元・静岡から本拠地が近い中日ドラゴンズがずっと好きなのですが、2010年にリーグ3位から日本一になるという下克上を達成した千葉ロッテマリーンズも好きです。当時のサポーターの応援がすごくて好きになりましたね。

――本当に趣味が幅広いですよね。

REI:

最近は「スニーカー」にもハマっていて、ニューバランスが好きです。ニューバランスには500番台、900番台、1000番台といろんなモデルがあって、そこから自分の好きなスニーカーをずっと探し求めています。

――スニーカー、しかもニューバランスとは、お金がかかりそう……!

REI:

そうなんですよ(笑)。ニューバランスがなぜ高いのかというと、“手作業だから”なんですよね。

UK製とUSA製があり、UK製はちょっと上品なレザーを使っていたり、見た目の高級感を大事にしている一方、USA製は機能性が評価されています。USA製の1300番台を履いた人たちが、「ロールスロイスのように良い履き心地をしている」と言われたことから、「靴のロールスロイス」と言われているほど。

一般的に手に取りやすいのは、996と574シリーズですね。これは大量生産されているため、比較的安価に手に入ります。

――そういった知識はどのように得ているんですか?

REI:

好きなものに対しては深堀りしたくなってしまうタイプなので、調べちゃうんですよね。ひとつのものにのめりこんじゃう。変態的なんですよ(笑)。

家族から影響を受けているものが多いかもしれません。家族みんな、好きなものにのめり込んでしまう人たちだったので。毎日趣味の話をしているのが普通だったんです。

――そんなたくさんハマっている沼の中から、今日は「格闘技」についてお話いただけるとのこと。

REI:

はい! 格闘技はアントニオ猪木さんが、「年末は格闘技」と言った時期(2000年頃)からずっと観ています。K-1、PRIDE、DREAM、Dynamite!……毎年年末には「旧K-1(主催団体変更前のK-1)」を父と一緒に観ていました。昨年末は総合格闘技「RIZIN」の試合を観戦しましたよ。

 

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最近はあまり行けていないのですが、以前はキックボクシングイベントの「KNOCK OUT」、総合格闘技の「修斗」「DEEP」など1〜2ヶ月に1度は試合観戦をしていましたよ。

――今も挙げてもらいましたが、格闘技って種類が多いですよね。

REI:

いろんな種類がありますね。まず、世界的に一番有名な「ボクシング」。寝技がない、立ち技の競技です。アメリカのボクシング雑誌『ザ・リング』で紹介された「パウンド・フォー・パウンド(階級関係なく選手をランキング)」が世界的に注目されているほど。

ちなみに、ご存じの方も多いであろうプロボクサーの井上尚弥選手は、パウンド・フォー・パウンドで優勝し、ボクシング全体の階級で1位になりました。

2019年に開催したプロボクシングのトーナメント「WBSS(World Boxing Super Series)」の統一戦で、決勝までKOで勝ち進み、決勝ではフィリピン出身のノニト・ドネア選手と戦ったんです。ドネア選手はそれまでほとんどKO負けやダウンすることがなかったのに、その時は井上選手のレバーブローを一発もらって立っていられず。井上選手の判定勝ちになりました。

そのあと、2022年にドネア選手が「もう一度戦わせてくれ」とリベンジマッチを持ちかけたのですが、井上選手が返り討ちに。井上選手はボクシングの完成系です。あの人はマジでヤバイ。

――今のお話だけで井上尚弥選手のすごさが伺えました……。

REI:

また、ボクシングの中にも、3分12ラウンドのボクシング、3分3ラウンドの「キックボクシング」と種類があります。

そして、キックボクシングのルーツには「ムエタイ」があります。ムエタイといえばタイのルンピニー・スタジアムが世界的に有名で、シンガポールを拠点とするONE Championshipに強い選手たちが集まっています。

先日(2024年1月)、元WBC(世界ボクシング評議会)ムエタイ世界スーパーフェザー級王者のスーパーレック(・キアトモー9)選手と、K-1の元3階級制覇王者である武尊選手がONEキックボクシングフライ級タイトルマッチを行って話題になりました。

――ムエタイとキックボクシングの違いとは……?

REI:

ムエタイは“肘ありルール”が適用されるのに対して、日本のキックボクシングは“肘なしルール”が基本になります。人間の1番硬い部分って、骨が出ている肘と膝なんです。なので、肘を使えるのは強いんですよ。ちなみに、「総合格闘技」も肘ありルールです。

ただ、キックボクシングには「ワンキャッチ・ワンアタック」というルールがあります。相手からキックを受けた時に、パンチをしたり足を払ったりなどのアタックが1回だけ有効になるんです。

格闘技の団体によっても細かいルール分けがあり、例えばキックボクシングイベントの「RISE」はワンキャッチ・ワンアタックが有だけど、格闘技イベントの「K-1」はワンキャッチ・ワンアタックが無しとか。

――RISEのほうが激しめに見えるのはワンキャッチ・ワンアタックルールの影響もあるんですか?

REI:

単純に選手層が厚いのだと思います。最近のK-1は、どちらかというとエンタメ寄りになっている感じがあります。K-1がエンタメ寄りなら、RISEは技術寄りな印象があります。

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特に好きな競技は“総合格闘技”「頭を使わないと勝てないのが醍醐味」

――様々な格闘技がある中で、一番好きな競技は何でしょう?

REI:

最近は、総合格闘技を観ているのが一番楽しいなと思っています。生物的に「強い!」と思わされるのが総合格闘技なんですよね。男って強さを追い求めたがるので(笑)。

別の格闘技をやられていた方が強さを求めて総合格闘技に挑戦することも多く、2023年もK-1で有名なキックボクサーの安保瑠輝也選手が総合格闘技デビューしました。強さを求めるからなのか、キック(ボクシング)の選手が総合(格闘技)に来ることは多いんですよ。

また、総合格闘技は常に進化しているのもあります。もともとアントニオ猪木さんが始めたのが総合格闘技ですが、1つのスタイルで戦うのではなく、レスリング、柔道、相撲など、人によって異なるスタイルを持って戦っています。

例えば、総合格闘家の朝倉未来選手の戦闘スタイルは相撲がベースにあるんですよ。だから、寝技にさせないとか。

――なるほど。相撲での寝技は“負け”になってしまいますもんね。

REI:

そうです。相撲は土俵際で強さを発揮する競技だから、それをベースにしている朝倉未来選手は倒そうとしても倒されない力があります。また、彼は格闘エリートで、空手やブラジリアン柔術などもベースにあります。

ちなみに、未来選手の弟である朝倉海選手は、総合格闘家なのにボクシングもやっています。ボクシングってほかの格闘技と比べると、レバーブロー(肝臓へのボディブロー)をもらわないことを優先しているから、必然的に構えが前になり、低い姿勢になるんですね。

一方、総合格闘技はバランスを取らなければいけないので、ボクシングは低く構えた方が有利なのに、総合格闘技は不利になってしまう。

総合格闘技はほかの格闘技をしている選手も多いのですが、ほかの格闘技のスタイルに寄りすぎてしまうと、バランス重視な総合格闘技ではデメリットになるという難しさがあります。逆に、いろんな格闘技のスタイルを活かせば、常に進化できてしまうわけです。

――今の説明だけでも、総合格闘技に対する解像度がかなり上がります。

REI:

「バランスを取る必要がある=頭をすごく使う」のが総合格闘技なんですよ。闇雲に突っ込んでも絶対に勝てない。「カウンターがうまい」とも言われている朝倉未来選手は、自分が拳を出した勢いで相手のカウンターを迎えるという技を繰り出します。それって人間が一番ダメージを食らうんですよ。

カウンターで最近印象的だったのが、(2023年の)年末に開催されたRIZINです。ベラトール(アメリカの総合格闘技団体)元王者であるフアン・アーチュレッタ選手と朝倉海選手が対戦したのですが、本来はアーチュレッタ選手の体重超過でノーコンテスト(試合無効)。体重超過はパンチのノリが変わってきて危ないので、そういうルールになっています。

だけど、試合開始1時間前に両者合意の上で試合が成立したという。危険がある中で「やる」と言った海選手はすごいですし、「めちゃくちゃカッコいいな」と思いました。

しかも、一撃必殺でアーチュレッタ選手がタックルしようとしてきたところ、海選手はカウンターとテンカオ(膝蹴り)でKOしたという。それまでは正直だいぶ押され気味で、「これは難しいな……アーチュレッタ選手はやっぱり元王者だな」と思っていたのですが、頭を使って勝った。海選手は今年、UFCに挑戦するそうなのですごく楽しみになった試合でした。

――相手を攻略するために、いろいろと対策を練っているんですね。

REI:

頭を使わないと勝てないのが総合格闘技の醍醐味です。寝技、打撃、すべてを兼ね備えていないと勝てない。試合でも相手の出方を観察して、柔軟に対応しなきゃいけないんですよ。

多くの選手は間合いを嫌いますが、それはジャブやけん制で探り合って、「いまのこのタイミングならいける!」と攻略されてしまうから。ほかにも、格闘技において、相手の足の内側に自分の足が入っているほうが有利と言われるんですよね。タックルに入りやすかったり、キックが受けづらかったりする。そういう探り合いとかもあります。

そういう駆け引きが総合格闘技の“沼”なんですよね。

――駆け引きが“沼”というのは?

REI:

人が真剣に考えている、真剣勝負をしている瞬間、相手の目を見て何を考えているか、頭を使って戦っている姿がすごくカッコいいなと思うんです。

格闘技とは違いますが、モータースポーツの「F1(フォーミュラ1)」や「SUPER GT」も、ピットでピットクルー(レースの整備スタッフ)と話し合い、策略を練り、相手の車を真剣に探り合っている様子を見るのが好きです。

なので、将棋も好きなんですよ。静けさの中で盤を観察して「相手が何を考えているのかな」とじっくり策略を練っている瞬間がすごく好きです。