「HGUC 機動戦士ガンダム0083 AGX-04 ガーベラ・テトラ」(BANDAI SPIRITS)

【画像】「改修」でガンダムっぽくなった例も! 「中身だけガンダム」な機体の変遷(5枚)

外見が「らしくない」のにはちゃんとした理由が?

 多くの人が「ガンダム」と聞いてイメージするのが、「ツインアイ」「トリコロールカラー」「V字状のブレードアンテナ」といった、初代『ガンダム』の主人公機、「RX-78-2 ガンダム」の姿だと思います。そんなイメージの強さもあって、ガンダムシリーズのマンガ作品『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(原作:富野由悠季、作画:長谷川裕一)のなかで、「目が2つついててアンテナはえてりゃマスコミがみんなガンダムにしちまうのさ!」なんてセリフを発するキャラクターもいるほどです。

 しかし、なかにはガンダムらしい特徴を備えていないモビルスーツ(以下、MS)も存在します。

 例えば『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するガーベラ・テトラは、外見はともかく中身は実質的に「ガンダム」といっても遜色のない生い立ちを持つMSです。もともとガーベラ・テトラはガンダム試作4号機「ガーベラ」として設計されていたMSでしたが、地球連邦軍が計画の中止を決断したために開発も中断されてしまいます。しかし予算的な事情もあり、外装だけ深紅で丸みを帯びたジオン系らしい姿に偽装されて裏取引でジオン軍残党のデラーズ・フリートに所属するシーマ艦隊に譲り渡されました。

 このガーベラ・テトラと同様に、「外見は違うのに中身はガンダム」という設定を持つのが『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する「ガンダム・グシオン」です。主人公の三日月・オーガスが属する鉄華団に敵として立ちはだかるグシオンは、寸胴で手足が短くガマガエルのような平べったい頭部といった見た目で、ガンダムに似つかわしくないMSです。

 しかしその中身は、大昔にあった厄災戦で活躍したガンダムの内部構造(ガンダム・フレーム)を素体にしたMSであり、その名の通りガンダムとして扱われていることがわかります。

「ガンダム・グシオン」は最終的に鉄華団の手に渡り、新たに「ガンダム・グシオン・リベイク」として改修されます。それにより、無骨さもありながら長身痩躯で「ガンダム」と呼ぶにふさわしい見た目に変わります。

『機動戦士ガンダム00』に登場する「GN-X(ジンクス)」も、ガンダムらしい特徴を持たないものの作中でガンダムとして扱われるMSです。

 GN-Xは、主人公側の組織であるソレスタルビーイングのガンダムと同じ技術を流用した擬似太陽炉を搭載しています。オリジナルの太陽炉はソレスタルビーイングが占有する技術でしたが、ソレスタルビーイングで監視者という役割だったアレハンドロ・コーナーによってその技術が持ち出され、ガンダムスローネをベースに発展させた機体に搭載されました。そうして完成したGN-Xは30機が国連軍に配備され、各勢力のエースパイロットが搭乗しました。

 GN-Xはガンダム機体をベースとしながらも、ガンダムらしくない外見ですが、それらが実践投入されたことを知ったソレスタルビーイングの実質的指揮官であるスメラギが「これからはガンダム同士の戦いになるわ」と発言していることから、GN-Xの立ち位置が想像できます。

 実際、GN-Xの活躍は主人公たちのガンダムに匹敵するほどで、それまで技術的な差もあって優位を保っていたソレスタルビーイングが、GN-X登場後は苦境に立たされる場面が増えています。