『北斗の拳 究極版』1巻(徳間書店)

【画像】ユリアの兄だけある!イケメンだけど何がしたかったか分からないキャラ

理解不可能な行動をとったキャラクターといえば?

『北斗の拳』では個性的なキャラクターが多く登場します。重要な役割を持つキャラクターがいる一方で、「一体何のために登場してきたの?」と思ってしまうキャラクターも存在しました。その代表的なひとりとしてよく挙げられるのが、泰山天狼拳の使い手であるリュウガです。

 リュウガは何者にも組みせぬ「天狼星」を宿しており、ケンシロウが愛した女性であるユリアの実兄にあたります。そんなリュウガは拳王軍(ラオウを王とする軍団)の将のひとりで、乱世を治める者はラオウだと信じていました。

 ラオウのことを「大木」だというリュウガは、伝説を創ろうとするラオウにとって邪魔な存在である者を、「腐った枝」と呼んで排除し続けていました。リュウガの泰山天狼拳は体の一部を抉り取るように傷をつけ、高速すぎる拳のため受けた者が「寒さ」を感じながら絶命するという特徴があります。

 一見行動の意図が明確で筋の通ったキャラクターに見えるリュウガですが、ある行動をきっかけに一体何がしたかったのか分からない人物となってしまいました。その行動とは、陰腹を切った上である村の村人たちの虐殺とトキの死の偽装をしたことです。

 リュウガの行為を目にしたケンシロウは、当然怒りをあらわにします。しかし、リュウガは実はラオウとケンシロウのどちらが乱世を治めるべき者としてふさわしいのかを見極めるために、ケンシロウの真の力を確かめたかったのです。そのためには、ケンシロウの怒りを引き出して戦う必要がありました。

 目的はあったものの。村人の虐殺など非人道的行為をしたリュウガに対して、ネット上では「リュウガだけは本当に意味不明だった」「リュウガって結構好きな方なんだけど、冷静に考えてみると謎キャラすぎる」「ラオウに勝てるわけでもないのに、お前がケンシロウの強さを見極めて何か意味があるのか」「ラオウとケンシロウを比べたい気持ちがなぜ大量虐殺に結びついたの?」「トキを死なせるためだけに出てきたみたい」といった声が上がっていました。

 またケンシロウの実力を身をもって確信した後に死んだため、「ユリアの兄という設定が今後どう絡んでくるのかと思ったら死にやがった」「ジュウザの方がちゃんと兄だった」「ユリアがケンシロウを選んだことが間違いじゃなかったと説明するためだけかな」との声もあります。「イケメンでラオウへの忠誠も素敵なのに」「虐殺さえしなければ」「相手に寒気を感じさせる殺人拳という設定は面白いし、もっとバトルを見たかった」と、惜しむ声も多いキャラとなりました。