残虐極まりない超人集団「7人の悪魔超人」、たった数コマで消えた7人の裏メンバーとは? 「キン肉マン一挙見Blu-ray 7人の悪魔超人編」(東映)

【画像】『キン肉マン』を禁断の実写化!? 悪魔超人たちにバラバラにされたミートくん役は衝撃!(3枚)

中央に陣取っていた「お尻超人」はただのファン?

 人気マンガ『キン肉マン』に登場した「7人の悪魔超人」は、あまりに残虐極まりないため、「超人オリンピック」への参加を禁じられた危険集団です。しかし初登場から数コマで、メンバーが次々に入れ替わる事態が発生しました。

「正規メンバー」はご存じのとおり、「バッファローマン、スプリングマン、アトランティス、ザ・魔雲天、ブラックホール、ステカセキング、ミスターカーメン」ですが、「7人の悪魔超人編」が始まった最初の2話にかけて、目まぐるしくメンバー交代が行われた結果、なんとリング上に上がっていた7人のメンバーがいつの間にか消えていたのです。彼らは一体何者だったのか、今回は幻の悪魔超人を振り返ります。

 7人の「裏メンバー」のなかで、おそらく最も名が知られているのが「プリプリマン」です。上裸で、お尻のような形の顔がトレードマークのプリプリマンは、「7人の悪魔超人編」第1話でメンバーがリングに勢ぞろいしたシーンで、中央に陣取っていました。

 さも重要人物かのように目立つ位置に立っていましたが、次のページでは早くも存在が抹消されています。しかもこれ以降、最終話まで彼は登場しません。見た目のインパクトと泡沫の如く消えた不思議さも相まって、ファンの間では「幻の8人目」と噂されていたほどでした。

 ちなみにプリプリマンの正体については、2019年に発売された学研の図鑑『キン肉マン「超人」』で明かされています。彼は「7人の悪魔超人」に憧れていたようで、興奮のあまり勝手にリングへ上がってしまったとのことでした。

 しかしプリプリマンは読者の間でカルト的な人気を集め、その影響もあってか、「Vジャンプ」で連載された『キン肉マンII世?オール超人大進撃?』で悪行超人として登場し、アニメ『キン肉マンII世』では「最凶悪行超人軍団」のメンバーとして登場しています。他にも『キン肉マン』のスペシャルスピンオフ『THE超人様』(著・石原まこちん、監修・ゆでたまご)では、主要人物に抜擢されるなど、幻のメンバーのなかでは最も優遇されていると言っても過言ではありません。

 また、勝手にリングへ上がったとされる人物は、プリプリマンだけではありませんでした。屈強な上半身に、仮面が特徴的だったアーム・ストロングもまた、勝手にリングへ上がってきたひとりだったようです。彼は悪魔超人のファンというより、お調子者な性格からリングに飛び乗ったそうで、プリプリマンと同様に一瞬で出番がなくなってしまいました。

 ただ読者考案(岩手県の米沢くん)の超人のため、「7人の悪魔超人編」第2話にあたる「さけたミート!!の巻」の冒頭で、見開きで説明されていた読者考案の超人紹介ページに名を連ねています(プリプリマンはいない)。後に「夢の超人タッグ編」でネプチューン・キングの弟子のひとりとして、回想で描かれていました。

 なおリングに上がった理由が判明しているのは、プリプリマンとアーム・ストロングのふたりだけです。残りの5人に関しては、本当に幻のごとく消えてしまいました。



40年の歴史を彩った超人たちを完全網羅した学研の図鑑『キン肉マン「超人」』(監修:ゆでたまご/学研プラス)

(広告の後にも続きます)

「謎の超人」の本名は……

 アーム・ストロングと同じく、読者考案の超人ながらあっという間に消えてしまったのが、ミスター・アメリカンとクモノコチラス、ミリオン・ヘル、フラッシャーバルーンです。

 ミスター・アメリカンはアメリカ国旗のマスクを被った超人で、アーム・ストロングとともに「夢の超人タッグ編」でネプチューン・キングの1000人の弟子として登場しています。アメリカ出身の超人には古参キャラのテリーマンがいるため、キャラ被りもミスターアメリカンが消えた理由のひとつなのかもしれません。

 対して顔がクモと化しているクモノコチラスは、『キン肉マン』の特別読切「奇跡の救世主伝説の巻」にも登場し、そのシーンを見る限り本業は残虐超人・タイラントの手下だったようです。仮面ライダーのような風貌のミリオン・ヘルと、風船らしき頭を持つフラッシャーバルーンは、残念ながら再登場の機会は与えられませんでした。

 そんな彼らを差し置いて、最も不遇なのが、見た目も地味なグッシュマンです。その身体は全身ボディスーツで覆われており、リングの上で悠々と腕を組んで立っていました。どうやら読者考案のキャラではないようで、『キン肉マン「超人」』にも載っていません。ファンの間では「謎の超人」として扱われていました。

 そのため初登場から40年近く名前すら不明だったものの、2020年8月に「ゆでたまご」の原作担当・嶋田隆司先生に向けて、読者が「謎の超人は誰なのか」と質問をツイートしたところ、嶋田先生が「グッシュマン」と答えて名前が判明します。しかし、名前以外は今もなお謎のままです。

 ちなみに『THE超人様』では、プリプリマンが「作者のさじかげんでもしかしたらオレたち7人が7人の悪魔超人として活躍してたかもしれない」と、大胆発言をしたこともあります。プリプリマンの言う通り、幻となった7人の悪魔超人は本家を凌ぐ潜在能力を持っていたのかもしれません。