炭治郎、善逸、伊之助の同期3人の成長が楽しみな「鬼滅の刃7」Blu-ray&DVD(アニプレックス)

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「刀鍛冶の里編」では描かれない善逸と伊之助の動向

 大好評のうちに終わったTVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』ですが、このエピソードは主人公・竈門炭治郎の同期である我妻善逸と嘴平伊之助は同行しなかったため、活躍はありませんでした。そこで、炭治郎が刀鍛冶の里に行っている間(小鉄との修行期間などを含めると10日ほどあるはずです)、伊之助と善逸は何をしていたのかを考えてみます。

※この先の記事は『鬼滅の刃』の「刀鍛冶の里編」以降のストーリーのネタバレを含みます。

「双六大好き善逸の今日の一振り!」にヒント!?

 まずは、TVアニメ「刀鍛冶の里編」の本編開始前に流れる15秒のコーナー「双六大好き善逸の今日の一振り!」から、善逸の動向を考えてみます。ちなみに彼は、「遊郭編」の後2か月間寝たきりだった炭治郎が起きる2日前に、任務に復帰したそうです。

 双六で善逸に出される第1回のお題は、「星を捕まえてくる」でした。このお題に対して、「できるわけがない!」と抗議する善逸でしたが、意外に簡単にできてしまって自画自賛するという流れです。これを深読みすると「星を捕まえる」というのは何かの比喩であり、もともとは低い善逸の自己肯定感をアゲアゲするためのイメージトレーニングなのかもしれません。

 第3回の「人のために何か良いことをする」というお題は、「相手の気持ちを考える」ための修行だと読み取ることもできます。さらに、第4回の「大きな亀に乗って竜宮城に行く」というお題の時は、竜宮城からの帰りに『浦島太郎』の結末を思い出して慌てますが、これも「危機回避能力」を高める訓練かも……!?

 そして、第8回は善逸の大得意な「全力で走る」でした。「いつまで走ればいいんだ!」とチュン太郎に文句を言いながらも、サボることなく「全力で走り続ける」善逸の姿を見れば、これからの成長を確信できます。炭治郎が刀鍛冶の里に行っている間に弱点を克服し、長所をより伸ばそうと頑張る善逸の姿を見られる「双六大好き善逸の今日の一振り!」は、全国フジテレビ系列放送のみのオリジナルのアバンなのですが、もし今後、見られる機会があれば、ぜひ善逸の頑張りにご注目ください。

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善逸と伊之助の「遊郭編」での反省と成長

「連携プレー」に磨きをかけている!?



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「遊郭編」では、音柱・宇髄天元と炭治郎、善逸、伊之助は、上弦の陸・妓夫太郎(ぎゅうたろう)と堕姫(だき)の2体の鬼を相手に戦い、ボロボロになりながら倒しました。炭治郎はもとより、善逸と伊之助も戦いのなかで多くのことを学び、そして反省したことでしょう。

 妓夫太郎の登場以降、妹・堕姫と戦ったのは、主に善逸と伊之助でした。しかし当初の彼らの戦いぶりは、それぞれ頑張って戦ってはいるけれど、「協調性」や「協力性」「共同性」を発揮できているとは言い難い状態で、妓夫太郎からも、「おまえらの動きは統制がとれてねえ」と言われています。

 戦いが進むなかで、善逸が伊之助を驚かせるほどの冴えた指示出しをしたり、伊之助の突撃を炭治郎と善逸がフォローしたりと次第に連携が取れるようになり、最後には、善逸と伊之助が力を合わせて堕姫の頸を斬ることができました。しかしそれはまだまだ、先を読んでできた協力や連携がもたらした勝利とは言いがたく、それぞれが持っている力を出し切った結果がたまたま勝利につながったと言えるものです。

 この「遊郭編」での戦いで、連携の大切さを一番感じたのは伊之助ではないでしょうか。それまでは「野生の勘」を頼りに生き、戦ってきた彼ですが、「無限列車編」で炎柱・煉獄杏寿郎の死をきっかけに大きく成長し、「遊郭編」においても「何のために修行してきたんだ!!」と、思いをにじませるシーンがあります。

 そんな伊之助は、炭治郎が刀鍛冶の里に行っている間に「連携プレー」の修行をしているのではないでしょうか。善逸はもちろん、少し人当りのよくなった栗花落カナヲにも相手になってもらっていたかもしれません。また、人見知りや遠慮を知らない伊之助は、村田さんや、ケガ療養中の音柱・宇髄天元、3人の妻たちの胸も借りたかもしれません。

 そして、そんな連係プレーの修行が終盤の「無限城」での戦いで、栗花落カナヲとともに上弦の弐・童磨(どうま)を相手にしたときに生かされたのでしょう。さらに、善逸、伊之助、カナヲの連係プレーによって、一瞬とはいえ鬼の始祖・鬼舞辻無惨がたじろぐシーンは同期のパワーを見せ付けてくれる痛快シーンです。

精神力を向上させている!?

「遊郭編」の戦いはぐっすり眠ったまま戦っていた善逸は、いつもの臆病さやパニックは影をひそめ、的確な判断で的確な指示を飛ばし、伊之助を驚かせるほどでした。しかし、「眠っていれば強い」というのは、素直に喜べるような誉め言葉ではありません……。善逸自身も戦いが終わって我に返れば、そんな「眠っていれば強い」と言われるのを残念に思ったかもしれません。

 善逸は臆病者ですし、怖いことや面倒なことからは逃げようとするし、ギャーギャーとうるさくもありますが、一途で仲間思いなところもある「愛されキャラ」です。そして、実は努力を厭わないまじめな一面も持ち合わせています。「雷の呼吸」の6つの型のうち、「壱ノ型 霹靂一閃」しか会得できなかったのも、けっして怠けていたわけではありません。育手である元鳴柱・桑島慈悟郎の期待に応えたいと、寝ずに修業して頑張っていた努力の人でもあるのです。

 そんな善逸ですから、きっと「眠っていれば強い」から「起きていても強い」に成長すべく、人知れず努力したにちがいありません。だからこそ、無限城では元兄弟子であり、その後鬼側につき上弦の陸となった獪岳(かいがく)との一戦では、しっかりと覚醒したまま戦い、倒すことができたのでしょう。獪岳が従来の上弦の実力より劣っていた可能性も高いですが、単体で上弦の鬼を倒したのは、天才剣士と呼ばれた霞柱・時透無一郎(上弦の伍・玉壺)と善逸だけです。

 炭治郎が刀鍛冶の里に行っている間だけでなく、制作が決定している「柱稽古編」では、伊之助も善逸も(かなり嫌がっていましたが)地獄のような特訓を経て、着実に成長を遂げています。彼らの努力の成果が実を結ぶ「最終決戦」のアニメ化が待ち切れません。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記