兄と妹、父と母の絆が描かれた場面に感動! 『鬼滅の刃』DVD8巻(アニプレックス)

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親から子へと受け継がれた技の系譜

 さまざまな物語において、親と子の関係性が描かれた感動シーンは最高に盛り上がるシチュエーションです。それはバトルマンガでも例外ではなく、「週刊少年ジャンプ」を代表する大半の人気作には必ずと言っていいほど親子のドラマチックなシーンが存在します。

 そこで今回は多くのジャンプ読者を感動の渦に包み込んだ、バトル中に描かれた親子の絆を感じる珠玉のシーンをピックアップしてご紹介します。

親子で繰り出した渾身の必殺技

「週刊少年ジャンプ」を代表するバトルマンガの親子のシーンとして、真っ先に思い浮かぶのが『ドラゴンボール』のセル戦です。

 セルとの戦闘中に勝利を確信した孫悟飯は、自身の慢心によってセルの自爆を誘発。父・悟空が自らの命と引き換えに被害を最小限に食い止めますが、父の命という重過ぎる代償を支払うことになりました。しかし、それでもセルは死んでおらず、パワーアップして再び地球に戻ってきます。

 復活したセルの猛攻を受け、左腕を負傷した悟飯が抵抗を諦めようとした時、悟空は“あの世”から悟飯に語りかけます。「最後に見せてくれよ…オラたちふたりでつくった力を!」という父の言葉に奮起した悟飯は、渾身の力を込めて、父の必殺技「かめはめ波」を繰り出しました。

 セルもかめはめ波を放ち、くしくも同じ技が激突。悟飯のかめはめ波は、セルの威力に押されていきますが、父の励ましの声を受けて悟飯も懸命にこらえます。そしてセルがベジータの攻撃に気を取られた瞬間、悟空の「いまだーー」の合図と同時に悟飯のかめはめ波がセルを飲み込み、勝利をおさめました。

 このとき悟飯の背後には、その場にいるはずのない悟空の姿が描かれており、親子で一緒にかめはめ波を撃っているかのような描写になっています。息子の尻拭いのために命を落とした悟空は恨み言ひとつ言わず、悟飯を激励し続けた様は『ドラゴンボール』でも屈指の感動的な名場面と言えるでしょう。

父と師の必殺技を融合

『ダイの大冒険』では、大魔王の居城「バーンパレス」で、超魔生物と化したハドラーとダイが激突。ふたつのアバンストラッシュを同時に炸裂させるダイの超必殺技「アバンストラッシュX」が直撃してもなお、ハドラーは己の生命を燃やして立ち上がります。

 そして全生命をかけて繰り出す、ハドラー最強の技「超魔爆炎覇」に真っ向勝負を挑むダイ。ギガデインを帯びた剣を構えて疾走すると、ダイの背後には父・バランの姿が描かれます。

 そのまま亡き父の必殺技「ギガブレイク」を繰り出すのかと思いきや、剣を逆手に持ち替え。もちろんそれはダイの師匠の奥義「アバンストラッシュ」の構えであり、ハドラーの目にも宿敵・アバンの姿がダブりました。

 父・バランのギガブレイクと、師・アバンのアバンストラッシュを融合させた技「ギガストラッシュ」で、見事ハドラーを倒したダイ。父と師匠の技を取り入れた必殺技誕生のシーンにふたりの姿まで描かれ、とても感動的なシーンを演出していました。

兄妹と両親、家族の絆に涙腺崩壊

『鬼滅の刃』では、兄妹がそれぞれ両親を回想するシーンが描かれるドラマチックなバトルがありました。

 那田蜘蛛山で、十二鬼月の累と戦いを繰り広げた竈門炭治郎たち。しかし、炭治郎の日輪刀は折れ、妹の禰豆子も累の糸に囚われるという窮地に陥ります。

 懸命に繰り出した「水の呼吸・拾ノ型 生生流転」でも仕留められず、逆に累の血鬼術で死を覚悟した時、炭治郎の脳裏に生前の父の記憶が蘇ります。父の舞う神楽の光景と、かけられた言葉を思い出すと、咄嗟に炭治郎は「ヒノカミ神楽・円舞」で反撃に転じます。

 一方、そのとき累の糸に宙吊りにされて気を失っていた禰豆子は、亡き母の「お兄ちゃんまで死んでしまうわよ……」という声で覚醒。「血鬼術・爆血」で累の糸を燃やし、兄の攻撃の援護をすることに成功しました。

 結局、この兄妹の連携攻撃だけでは累を倒すことはできませんでしたが、竈門家の家族の絆が詰まったシーンは多くの読者を感動させました。

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 この他にもバトルマンガには、さまざまなカタチで親子の感動的なシーンが登場します。あなたの一番好きな親子が登場する戦闘シーンはどんなシチュエーションでしょうか。